2014/12/19 23:21 日経
消費者安全調査委員会(消費者事故調)は19日、ヒートポンプ式給湯器「エコキュート」から出る音が原因で不眠になったとする調査申し出について、「運転音が健康症状の発生に関与していると考えられる」などとする報告書を公表した。
エコキュートは深夜電力を使って湯を沸かすことで電気代が節約できる給湯器。一般的には午後11時から午前7時までの時間帯に稼働する。
報告書によると、調査対象は健康被害を訴える19件で、大半が設置当初から不眠や頭痛などを発症。撤去後は改善した事例もあることなどから、設置と健康症状の関連を認めた。ただ、同じ家に住んでいても症状を訴えない人がいることなども踏まえ、原因は運転音のほか、設置場所や個人の特性が複合的に絡むとした。
業界団体の手引では、寝室や窓から極力距離を取って設置するよう促しているが、設置業者の多くは認知しておらず、手引の活用促進や健康被害の可能性を消費者に周知することなどを経済産業相に提言した。