関西電力は26日、和歌山県白浜町椿の山林に計画していた風力発電所の建設を中止することを明らかにした。建設計画をめぐって地区住民の間で賛否が分かれ、区長や区役員が辞任する事態にまで発展したことから判断した。関電は「地区運営に多大な影響を与えてしまい、大変申し訳ない。これ以上、区民の皆さんに迷惑を掛けられない」と話している。
関電の子会社「関電エネルギーソリューション」(大阪市)が昨年7月、社団法人「椿共済組」の山林に高さ約120メートル、2千キロワットの発電能力がある風車3基を建設し、20年間稼働する計画を住民に説明した。関電側は環境影響評価により風車の低周波音などによる健康被害はないと主張したが、民家から最短で約500メートル離れた場所に風車を立てるという計画に対し、住民有志が「椿風力発電の健康被害を考える会」を結成。建設計画の白紙撤回を求めて署名活動をするなどした。
一方で、椿温泉の宿泊客減少や地域の財源不足に危機感を抱く住民らは「計画を受け入れることが地域振興につながる」と主張するなど、住民の間で意見が分かれた。
椿地区は9月、住民の賛否を問うため臨時の区民総会を開いた。採決の仕方などをめぐって紛糾、区長の解任を求める声が上がったため区長や区の役員が辞任し、結論は出なかった。現在も後任の区長は決まっていない。
この事態を受け、関電は計画の中止を決めた。関電グループ経営推進本部の岩田功マネジャーは「地元の同意を得て計画を進める予定だったが、区の役員が辞任される事態となり、区の皆さんには大変申し訳ない。一刻も早く区の運営を安定した状態に戻してもらいたい」と話している。関電は兵庫県淡路市と愛知県田原市に風力発電所を建設している。今後、県内での風力発電所を建設するかどうかは未定という。
「健康被害を考える会」の発起人、熊野幸代さん(41)は「風力の問題は『椿を何とかしないといけない』と区民一人一人が考える良い機会になった。今後は会の名称を変え、自分たちでまちづくりを考えていきたい」と話している。
(2014年12月27日更新)
「民家から最短で約500メートル離れた場所に風車を立てるという計画」。こうした問題では風車から最短の距離の一番被害の遭う可能性のある人の事を考えるのが人間としての条理であるはずなのだが。個人のことを考えないでうやむやの中で「とりまとめ組織=区長や区の役員」事を運び、後はお代官様的に一度握りこんだ権益(補助金)欲しさに、「全てお上にお任せ」と頬被り、あるいは今時の中国並に国策とばかりの強引なやりかたなどの風力発電開発における現状を見て居ると事業者の体質は一向に変わっていないと思わざるをえない。
しかし、この例からだけではないが、これまでに解っていて事だが、風力発電開発に於いて、決定的決定権を持つのは「地元同意」であり、それの「とりまとめ組織=区長や区の役員」が辞任すれば計画の頓挫する、と言うことは、逆にこうした組織が「地元同意」に決定的な役目を果たしているかがわかろうというものである。
「地元了解」を如何にうまく取り付け、後は如何に「地元とりまとめ組織」に住民をおさえさせせるかが””事業者側切り込み部隊”の腕の見せ所なのだろう。そのためには表向きは「地域振興」とかの名目で、要は、元環境相の「最後は〇〇でしょ」ということになる。しかも、それは一部役員に対すると言う噂は嘘ではない。私の以前の地域にも神社の裏の自治区所有で、以前はゴルフの練習場にと言うような場所にソーラー・ファームが出来ることになったと言う話だけを地元住民から聞いた。いや私も依然そこに籍は有るのだが、単に地域の組長から「だそうです」と聞いたのみである。
こうした方法が、特に有効なのは、未だに「村八分」の精神が生きているようなところで、そうしたところではに風車は造られる。しかし、今時は村八分の残りの二分の葬式も火事も格別皆様のお世話になること無く生きていける。
葬式は葬儀屋で、しかも家族葬で密かに行い、所謂「隣組」や親戚の手を煩わすことは一切なくて済む。私は家族の葬式を2回出したが、これでどれほど隣人と言うよりむしろ格別働きの無い親戚の「恩着せ」に苦労させられたことか。当時を思い出す度に未だに腸が煮えくりかえってくる。