延命地蔵~こっくり地蔵~
静岡県袋井市 彦島
延命地蔵は江戸時代、現在の袋井市西部の彦島地区に当時、周辺に死者の火葬場があり、この世とあの世を繋ぐ使者として地蔵が建立されたと言われてます。
次第に時代の流れと共に火葬場は無くなって土地も荒れ果て、地蔵も周囲から忘れられていきました。
やがて この地域の農家に一人の娘が嫁ぎました。
嫁は、農作業の行き帰りで放置されていた地蔵を見つけ、荒れ果てた草むらに残された地蔵を不憫に思い、赤い烏帽子を被せて供え物を与え、大切にお祀りしました。
地蔵は嫁を見守る様に佇み、時間が流れました。
ある日、年老いた嫁は、こっくり こっくり と眠る様に亡くなりました。
嫁が年老いて、病気に苦しむこともなく、安らかに亡くなったことで、農民たちは、安楽死のこっくり地蔵として信仰し、嫁に変わってお祀りし続け、現代の令和の世に残されました。