『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「日本沈没」 40歳の特撮男

2006年08月07日 | 映画
あの黒澤明監督が、女性を描くのがヘタというのは有名な話だが、特撮が女性の100倍好きだというオタク監督は、全く女性に興味がないんではないかというくらいの名シーンを描ききりました!!
あの柴咲コウに「抱いて」と言わせといて(このセリフ自体もトンデモないが)、
草なぎ剛 「いや、あの~、ちょっと・・・」って、お前はEDか!もしくはいつまで「いいひと」ぶってんだよ!!
中学生以下男子がたま~に「カッコイイ男って、こういう風な態度とるもんやで!」と見当違いな“男”像を、いまだに夢想する40男の監督。
彼は、今回もカッコイイ構図や特撮シーンを撮ることで絶頂を迎えました。

今まさに火の海に囲まれんとする男と少女。
ターザンのごとくヘリから救出するレスキュー隊員(柴咲コウが、レスキュー練習中に落下するシーンは、フジテレビの菊間アナへのオマージュ)。
このシーンで、真面目に見るのは止めとけというサインを冒頭にだしてくれたことで、覚悟ができました。
特に石坂浩二の首相が搭乗する飛行機が阿蘇山の噴火に巻き込まれるシーンは、ジュニアチャンピォンコースかジャガーバックスなんかのおどろおどろしい挿絵を実写化したみたいなイイ構図でした。
その後の、いつ終わるんだと誰も楽しみにしていない「美味しんぼ」の日本全県味巡りのごとく、熊本なら城、奈良は大仏、京都は清水寺、大阪は道頓堀のグリコで小樽はレンガ倉庫、東京は国会議事堂や六本木ヒルズなどを破壊していく。
こうなったら「沈黙の艦隊」で海江田艦長が国連で加盟国・地域を日の昇る順番に言いいだして、読んでる方を「おい、おいほんまに全部言っていくんかよ~!何ページ使うねん!」と思わせたように、各県のお国自慢を破壊していったらよかったのに~。
地図ブームだしね!
この映画に登場してこなかった県の人は、寂しい思いで見てたんじゃないかな?

SFXは、神谷誠。
「ガメラ」と、「ゴジラ・モスラ・キングギドラ」、「CUTIE HONEY キューティーハニー」と、ず~っと当たりの人。
脚本は、加藤正人。
調べると評価の高い「雪に願うこと」の脚本もこの人。
もっと調べると森田水絵の「愛奴人形」の脚本やん!
世話になっとったわ!!

いつでも泣けるというか「演技に入っていけば、自然に泣けるじゃないですか」っぽいことを関西ローカル番組のインタビューで答えた天才少女福田麻由子には、すでに“ナマイキッズ”のオーラが漂います。
「ガメラ3」の前田愛が看護婦姿で登場するのを見つけ、福田麻由子はこんな風に健やかに成長せんやろな~とあらためて思いました。
お楽しみキャスティングでは、泣き叫びなげら幼子を抱きしめる母親(木村多江)を尻目に、金網の向こうでゆっくりと避難するヒルズ族?の夫妻を庵野&安野夫妻が憎まれやすい風貌で飄々と演じているのが2カットもあり、メカニックデザインなる部署も担当されたようで、あいあかわらず樋口監督との友情の深さを感じさせます(庵野監督にもなにか撮らせたれ!)。

それにしても“メガリス”って怪獣の名前みたい。
このまま東宝と蜜月関係を保ちながら、次の復活「ゴジラ」でも撮らせてもらったら~。


★★
東京大学地震研究所「日本沈没」と地球科学に関するQ&Aコーナーというのがあって、「どうして(映画が)こんなにおもしろくないのですか?」という質問がありました。
期間限定のコーナーなんで、どういった回答がされたかは、お早めにチェックを!