風光る
笛を吹く頬の産毛や風光る 角谷昌子
幼鳥の羽ばたきの音風光る 拙
名のみの春でも陽射しは柔らかであり、陽射しも明るい。沼の白鳥は食餌に飛び立つことも少なくなり沼だけでも
間に合うようになったのかも。そのためか元気に遊んでいる?まもなく始まる北帰行の体力づくりなのかもしれない
笛を吹く頬の産毛や風光る 角谷昌子
幼鳥の羽ばたきの音風光る 拙
名のみの春でも陽射しは柔らかであり、陽射しも明るい。沼の白鳥は食餌に飛び立つことも少なくなり沼だけでも
間に合うようになったのかも。そのためか元気に遊んでいる?まもなく始まる北帰行の体力づくりなのかもしれない
白鳥の北帰行は鶴よりは遅く三月にならないと飛び立たないようです。
醜いアヒルの子は日本では見られません。誕生は五月ころだそうです。こちらに飛来のときは大きくなっていますが、羽の色が薄いネズミ色ですので、すぐにわかります。
越冬と繁殖は別の土地のようです。
なぜか『青葉の笛』のことが浮かんできた。平家物語でその最後が語られる敦盛の頬の産毛。しかしこの句は作者が経験した光景であろう。横笛を吹く青年の頬に見た産毛。風光ると詠っているが、頬の産毛も光っていたに違いない。
幼鳥の羽ばたきの音風光る 阿部
前句では『笛を吹く頬の産毛』と取り合わせて『風光る』を詠っているが、阿部句では『幼鳥の羽ばたきの音』を取り合わせて詠った。渡り鳥が飛来する有名な沼に近くに住む作者は幼鳥の羽ばたきを見る機会が多いであろう。『沼の白鳥は食餌に飛び立つことも少なくなり沼だけでも間に合うようになったのかも。そのためか元気に遊んでいる?まもなく始まる北帰行の体力づくりなのかもしれない』という注を拝見すると春を迎えた白鳥の最近の様子がよく分かる。一句に詠われた幼鳥は日本で生まれやがて親鳥と一緒に北へ帰る若い白鳥であると思うがそれでいいのであろうか。まだ見ぬ北の国へ出発する前の幼鳥の若々しい姿と「風光る」の季語が響きあって生命力が漲る春の自然を感じ取ることができました。有難うございます。