今までの、あらすじ・・みたいなもの。
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古湯映画祭に原田芳雄さんが来るぞ!
知人からの情報で、チケットをゲットした僕。
リンゴ追分をなんとか聞きたいと計画をたてるも、
芳雄さんの迫力に圧倒され話しかけることが出来ずにいた。
が、蓮司さんと話したのがきっかけとなり、なんとか芳雄さんの
隣りで一緒にバーボンを酌み交わす。
そして、「マイク持って来いよ、皆んなにも聞こえるように」と、
歌ってもらえることになったんだ。
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(最終回)
スタッフのいる場所で「マイク、ありませんか?!」って叫んでいた。
「どがんしたね?」
僕に声を掛けてくれたのは中溝好生さんだった。
そう、チネチッタの中溝さん、オレンジボックスの中溝さんだ。
中溝さんは古湯映画祭の発起人つまり言い出しっぺ。(このことは数年後に知った)
事情を話した僕に「ちょっと、待っとかんね」と言い、会場の外に中溝さんは出て行った。
そして、戻ってきた中溝さんが手にぶら下げていたのは、
カラオケ用のスピーカーとマイクだった。
旅館とかにあるやつ、当時のやつですからね、カセット・8トラのカラオケ。
「ありがとうございます。これで、よかです!」
僕はスピーカーを芳雄さんの後ろにセットした。
そしてマイクを手渡した時、芳雄さんがこう言った。
「司会やれ!俺をお前が紹介するんだぞ!」
「はい!」
そしてマイクを両手で握りしめ僕は喋りはじめた。
「えーっと、皆さん聞いて下さい。原田さんに勝手なお願いをしてしまいました。
リンゴ追分を歌ってほしいって、お願いしたんです。で、歌ってもらえるんです。
歌っていただきます。どうぞ!原田芳雄さんです!」
完全に舞い上がっている司会者だ。
会場内に大きな拍手が鳴り響いた。200人ほどの人がいる。
そして、マイクを握り静かに歌いだした芳雄さん。
ニコニコして聴いてる蓮司さん。
ざわついていた、パーテイ会場は今、鎮まり。
芳雄さんの歌声だけが響いている。
みんなが笑顔で、じっと聞いていた。
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その後のことを僕はよく覚えていない。
かなり酔いがまわり、気がつけば車の中で目がさめた。
外が明るい。時計を見ると7時過ぎ。
僕はエンジンをかけ古湯の町を後にした。
車を走らせながら不思議な感じがしていた。
昨日の夜のことは、本当にあったことなのか、夢だったのか、
そのどちらでもある様な感覚。
そして、どちらでもいいや!っていう気分。
家に着いた僕は興奮状態で嫁に昨夜のことを話すとまた眠り始めたらしい。
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後日談。
パーテイ会場に来ていた知人によると、芳雄さんの歌が終わると同時に
僕はやり遂げたような満足した顔で会場内の畳の間に寝転がったらしい。
その後、スタッフは芳雄さん蓮司さんと一緒に温泉に入ったらしい。
そして、一緒に入っていた中溝さんに「まさか、リンゴを歌うなんて思ってもいなかったよ。」
「あいつにまんまとはめられた。でもあいつは、面白いやつだ。」
そう言って笑っていたらしい。
最高の思い出をありがとうございました。
「50になってもロック歌ってろよ」
あなたと交わした約束。
僕はいま、果たせてますか?。
天国の原田芳雄さんへ・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・終わり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回で『約束』は終了いたします。最後まで読んでくれて、ありがとう。
なお、このドラマは実話です。(1990年9月23日・古湯での出来事)
約束は守られてると思うし、継続して行くんじゃないですかね~(笑)
俺もリンゴ追分聞きたかったなぁ…
また、新しいブログドラマを考え中です。
次は推理ものにしようかな(笑)