超能力

『なぁ　リサ　なんか具合わるいん？』

となりに座る大谷が、あたしに問い掛ける。

『えっ　な・・・なにぃ　あたし　具合なんて　わるぅないで…』

なんて　答えたけど　ほんまはちょっと、お腹が痛いねん…
けど　そんなん…なんで分かるんだろ…

この鈍感王子に（笑）

『その顔は　絶対具合　わるいねん。無理せんと先に休んどけ…』
『ほんまに　大丈夫　無理なんて…』


無理なんて　してる
あたし…まだ、大谷のそばで　おりたいんやもん。　

『・・・しんどなったら　ゆうんやで・・・・』
『うんっ』

しばらくすると　大谷は　あったかいほうじ茶なんて　入れてくれた。
ちびっと　痛いおなかには　ほうじ茶が…ほしかってん。

『エスパーやエスパー大谷や…』
『なんや　そのセンスのかけらも　なんもない　ネーミングは…』

『だって…あたし　今あったかい　お茶ほしいなぁって思っててん…』
『・・・なんとのー　リサ　あったかいん　いるかなって　思ってん。』

『ほら…あたしの考えとる事　わかるやなんて…大谷エスパーや…。』
『はい？　なんや　そのご都合な理由は…。』

『あたしも…エスパーリサになりたいなぁ…。』
『・・・はい？』

『あたしも　大谷の気持ち　わかりたいもんっ』
『あほ…おまえも…十分エスパー　リサやんけ・・・』

大谷は　そういいながら　あたしを優しく引き寄せる
ほら…その行動も　あたしが　望んでる事やねんで・・・。

『なんで　あたしが…』
『あのな…今日約束してへんかったやろ。リサが来る予定もなかった』

『うん・・・』
『オレ　昨日から　ずっと　めっさ逢いたいって思った』

『思っててくれたん？』
『おぅ　そしたら　きてくれた。』

あたしの頭に　大谷が手を乗っけて　くしゃっと髪を撫でる。

『それに…これって　エスパーとかの問題ちゃうねん』
『・・・えっ？』

『これは　以心伝心。』
『以心伝心…』

『心が通じ合ってるねん…それだけや』


そして　それだけゆうて　大谷は　目を閉じて　あたしにキスをする。
やっぱり…大谷。

鈍感やのに　ヘンなところ敏感やね。

あたしは　キスを何度も受ける

これも　きっと以心伝心。

ｅｎｄ