小泉がバイトを始めた。
面接官は見抜けんかったんやろうけど…小泉は不器用や
不器用に大きさとかサイズとかあるんやったら
特大の不器用やとオレは確信しとる。
『大谷の塾の近くのファミレスやねん♪』
なんて嬉しそうな顔してゆうし…
激励と称した潜入を
一回中尾とのぶちゃんとで行った事も
それからひとり こそーーーーーっと数回潜入した事もあるなんて
小泉には絶対言わん。
ガチャンっ!!!と何かが割れた後に聞こえてくるんは
『ぎゃーーーーーっすんませんっ』という聞き覚えのある声。
そっとサングラスを上げて声の方を盗み見ると
片手にお盆を持った小泉が慌てとる
そこへ
『小泉さん大丈夫ですか?』とほうき持ってきたんは
たしかのぶちゃんがゆうてたチビ?
『あーありがとう。』なんて笑う小泉
笑顔だけは誰にも負けてへんやんけ…。
そのあとも注文間違えたり『あっすんません』とか『ぎゃー』とか
ほんま見ててあきひん。
小泉みてたらオレも勉強がんばらんなと思った。
『んー ほな塾でがんばろっ』
END
<おまけ>
結局塾の帰り小泉を迎えに行った。
『なぁ 小泉。夜のバイトは流石に危ないと思うで…』
『んーせやかて夜のんが時給ええし…』
『ええゆうても…おまえも女なんやし』
『ん。気ぃつける』
専門学校の学費の足し以外になにやら目的があるらしい
その目的を知るのはあと半年後…