『大谷…っ…ぃ…』
目を覚ますと
心配そうな小泉の顔と真っ白な天井。
オレ…どうしたんやったっけ?
ベットから体を起こそうとしたら<ズキっ>と頭が痛くなった。
『大谷無理したらあかんよ…。』
『…ん。』
『けどほんまびっくりしたわ。大谷いきなし倒れるんやもん』
『オレ 倒れた?』
『うん。あんな…』
小泉の丁寧なご説明によると…
4時間目の体育の時間。
男女混合で バスケやっていたらしくて…
そん時頭にボール当たってぶったおれたらしい
『うそっ…わぁむっさかっこ悪いやんけ…元バスケ部キャプテンやのに』
『えーそんなん関係ないやんっ。』
『いや関係ある…』
『ないっ! たまたま飛んできたボールに運悪く…』
『せやから女の子がたまたま…って』
『ちゃうわっ』
『それより大谷…最近受験勉強徹夜でしとるらしいやん
…中尾っちに聞いたで…』
『…もぅ 追い込みやから…』
『あほー。倒れたら 元も子もないやん…。
あほー あほ 大谷ぃ…ふぇ…ほんまに…』
小泉が『心配した』と泣きそうな顔したから
そっと手を伸ばして繋いだ。
『ごめん心配かけて…』
『なぁ 大谷 約束して…』
『約束?』
小泉の顔がオレの顔に近づいてくる。
(もしかしたら…ちゅー)というのはオレの邪道なアレで
ゴツンっとデコに頭突きを食らわされた。
『大谷。受験近いから あせっとるんは わかるけど…』
『うん…』
『睡眠だけはちゃんと取ってな…倒れられたら心臓いくつあってもたらんもん…』
心配…させてごめんな。
『わかった。心配してくれて ありがとう 小泉…』
チュッ…
小泉の額にキスを落とす。
『お…大谷ぃ…』
真っ赤な小泉。
オレは そんな小泉を 見て ムリだけはせんとこ…って思った。
グゥーーーーーーーーーー…。
『あぁ 大谷 お昼まだやったよな。』
『おぅ 小泉は?』
『あたしも まだ…。
なぁおにぎりあるから食べる?リサちゃん(おかん)特製のん…』
『食べるくれーーーーー(笑)』
あと 受験の日まで…日にちないけど あせったらあかん。
(巷ではインフルエンザが 流行っとる。)
小泉のおかげで なんか 肩の力ぬけたわ…
END