存在価値⑫

松田先生から衝撃的事実を聞いた。
オレ…酔っぱらってたとはいえなにしとんねん。

小泉はたしかにオレに対して野菜を食えという。
けどそれは体調を考えての事や

『食べんな背のびんで』なんて言われたけど
それはいつものお約束で根に持つ事でもない。

片付けせえとか…
いろいろゆうけど同棲するときに決めたルールやし

新米教師のオレが忙しいやろうからと
いろんな事頑張ってくれとるのはわかってるし感謝しとる

アレ…にかんしては
そのたまたまタイミングが合わんかっただけで
オレはいつでも小泉の事求めたいし女やと思っとる

松田先生みたいなタイプはどっちかゆうたら好みやないけど
その人にキス迫ったオレは…

『あーオレって最低やんけっ


小泉がおらん部屋はガランとしてさびしい。
ちいさな荷物だけ持って出たらしく大きなもんはそのまま

小泉の存在だけ…ない。

松田先生との事は何かの間違いやし先生に対しても
謝って自分の気持ちをきちんと説明したい

けどそれは今は後回し

優先したい気持ち

オレには小泉しかおらん。

<誤解を解きたい。小泉に逢いたい>

電話は相変わらず出てくれんからメールを送る

それから１時間
返信がないのはかなり怒っているか無視されとるんか

♪マジはんぱないメールだぜっ

『わっ…ッ小泉』

<もう逢いたくない。>

なんの感情も感じられん返答に
<逢うのが嫌ならとにかく電話に出てくれ>と返す。


・・・・


・・・

・・

返事はなかった。

小泉は松田先生との事だけでなく
他のオレの行動を疑問に感じ家を出て行ったんやと思う。

ずっと小泉に甘えてきた。
食事当番やごみ出し当番とか決めてとったのに
仕事が忙しいのを理由に小泉ばっかりに負担をかけ続けていた。

『大谷頑張って』

といつも応援してくれていた

小泉にはやっぱしやるべき仕事があって夜中まで作業しとるの
知っとったのに…

甘え続け無理をさせ続けとった。

『あかん　絶対このままで終わらせたない。』

今オレが動かんかったら小泉は離れて行ってしまう。