『あかーん それはできひん相談や!!!』
はっ…
夢…。
今日の目覚めも最悪
突然大谷が『リサ何も言わんと別れてくれ』ってゆうねん。
縁起悪いにもほどがあるっちゅうねん。
こから1ヵ月ぶりのデートやのに…
やっと取れた休みやのに…
あたしと大谷は社会人と大学生
専門卒業後就職したあたしと教員免許取るために必死の大谷
お互いなんやかんやと忙しくて…
逢えへん日が長くなったら電話して…
邪魔にならんようにメールして…
絶対に寂しい 顔が見たいって言葉はゆわんようにしてた。
♪あえない時間が愛育てるのさってヒロミ5もゆうてるやん
これもあたしの仕事が落ち着いて
大谷の試験と就職…終わったら少しはマシになる
んかな…
それよりここ最近大谷がおかしい。
大谷からの電話やメールが激変してん。
あたしからメール入れても帰ってくるのは遅かったら2日後とか…
電話も折り返ししてくれるのが減った。
前は 一言でも…。
もしかして浮気?
いや ありえん あたしの彼氏に限って…ってほんまにそうなんかな?
そして前回のデートから1か月目
やっと大谷と逢う約束をした。
★★★
『大谷っ おひさー』
『おー』
当日 駅まで迎えに来てくれた大谷はいつもとおんなしで…
あたしは久しぶりのデートを堪能しててんけど…
なんか大谷の様子がおかしい。
『なぁ大谷 こっちの白い奴とさっきのピンクのんどっちが似合うと思う?』
『ん?ええんちゃう?』
って…
『白かピンクかって聞いてんねんけど…』
『あーそしたらオレ モダン焼きで…』
『…』
かいらしいワンピ見つけて
あたしにはどっちが似合うか聞いたのに…
白かピンクかやのに
何が モダン焼きがええや…
今日の大谷は絶対おかしい
さっきはなんもないとこで躓いてみごとにコケてたし…
とりあえずあたしは大谷をそのへんに見えるカフェに連れ込んだ。
『…はぁ…。』
大谷はコーヒーを目の前にして溜息ばっかりついてた。
コーヒー見ては『はぁ…』そのあとにあたし見て『はぁ…』
あんたは檀○か ハァハァすんか!!!
『なぁ 大谷 今日はどうしたん…なんか変やで』
我慢できずに尋ねてみる
このまま1日過ごしてもなんも楽しめへんもん。
『あ…うーん まぁその…』
今度は田中角栄かいっ!!!
大谷は手のひらを一回組み合して伸びをしたあと
言いにくそうに話し出した。
『リサ…明日になったら帰るやろ?』
『えっ…うん 』
『で…また逢えんくなんねやろ?』
『ん…』
自然と返事も小さくなる
せっかく1泊して帰るのに…
そんな風に言われたら帰りづらくなるし離れがたくなる
折角今日を楽しもうとしているのに…
『オレ…もう こんなんやめたいねん』
『えっ?』
やめたい…
そういわれてあたしの中の血が逆流する
もしかして今日見た夢は…
正夢?
『リサもしんどいしやろ?』
『…』
だから?
『せやからオレと…『いややーーーーー別れんもんっ!!!』』
『はぁ?』
『あたし1カ月逢えんくても我慢できるもん せやから別れるやなんて…』
『リサ落ち着け!!!』
『落ち着けんもんっ あたし大谷おらんかったらあかん…』
『わ わかったから とりあえず出よか?』
有無を言わさず大谷はあたしの手を引いて
さっさと会計を済ませて店の外に出た。
連れてこられたのはいつもの公園。
いつものベンチに腰掛けると大谷が頭を下げてきた。
『オレの言い方が悪かった。とりあえず話は最後まで聞いてくれ』
『うん。』
さっきの自分の行動を思い出すと顔から火が出る。
人がいっぱいおるのに…
自分の感情だけで…
そりゃ大谷も別れたくなるっちゅうの。
『オレが言いたかったんは…別れよやないねん』
『えっ…せやかて大谷 こんなんやめたいって…』
『それはな…』
大谷はあたしの前にしゃがみこんで顔を覗き込んできた。
『オレがやめたいんは…リサが寂しいのに言わんこと』
『えっ…』
『リサの両親にはオレから話すから…結婚前提に同棲してくっ』
『ふぇーえーーーーー!!!』
『人がええことゆうてんのにヘンな声出すなって』
予想外の展開
あたしはムードもへったくれもなく 素っ頓狂な雄叫びをあげた。
『だってあんなん絶対別れ話って思うやんかぁ!!!』
『なんでそうなんねんっ』
『う゛ーーーーーーー』
『けど リサの気持ちは ようわかった。
オレがおらんと あかんねんやろ?』
負けた…
『それより返事。オレと一緒に暮らしてくれるか?』
end
せやで うんっ しか答えはないねんっ