(不定期連載)新訳★キミの行方 7 end

『んっ…』


『先生　小泉リサさんが…意識を取り戻しました。』
『ご家族に…すぐに…』

『はいっ…』








『リサ…リサ…』

声が聞こえる。誰かがあたしを呼んでる。

『小泉…小泉…』

なんかよう寝たなぁ…。夢やったんかなぁ…。

『リサっ』
揺さぶられて目を開けると白い天井と…

心配そうな大谷の顔。

『お…大谷っ』

ガバッ…

あたしは飛び起きて大谷にしがみついた。
抱きしめると感触がある。

『ちょ…小泉。』
『大谷　大谷…あたしの大谷ぃ…』

泣きながら抱きつくと耳元で
『おまえ…周りようみてみぃ』と大谷がゆう

周り？


『リサ…あんたは家族より大谷くんか？』
『しゃーないやろ　大谷さんはねえちゃんの最愛の人やねんから…』

『ほんまリサは　家族不幸な子や…事故にあって意識不明で目覚めたら…』

おかんと隆人そしておとん。
大谷は　真っ赤になってそっぽ向いとる(笑)

『大谷くん…あとは頼んでも　ええかな？リサは大谷くんだけのほうが…』
『おとん　そんな事。』

『『『あるやろ…ほなな　リサ(ねえちゃん)』』』

お医者さんまで出て行ってあたしは大谷と2人になった。

『ほんまに　おまえは　人騒がせやな…。』
『な…なによ　大谷　あたしがおらんって泣いてた癖して』

『な…おまえそれはって　やっぱし…アレほんまにお前やったんやな』
『うん　愛の力で逢いにいってん』

『アホか　ゆうとけ』
『あほやもーん　ゆうとくもんっ』

あたしは今までの事を　大谷に出来る限り伝える。
けど　アレは夢やったんかも　しれんと　付け加えた。

ぎゅ・・

大谷は　あたしを抱きしめる。

『よかった…小泉が　ほんまにどっか行ってしまわんと…』
『ん…。』

『もう　こんなん無しやぞ…』
『ん…。』

『オレは小泉おらんかったら　あかんねんぞ…』
『うんっ知ってる　リサちゃんダイスキやもんな　大谷。』

『あほ…。』

そして大谷は　あたしの唇にキスを落とす。
深くてやさしい　あたしの…ダイスキな　キス…。

『なぁ　大谷ゆうてよ…』
『なにを？』

『名前っ　あたしの名前呼んでくれてたやん。リサって…』
『そ…それは…』

『へへへへ。今　もう一回ゆうてほしいなぁ…』

あたしは　大谷に抱きつく。
この感触匂い絶対に死んでも…離したくない。

『リサ…』
『大…敦士。ダイスキやでっ…』



絶対…もうドコにも行かんから


end