『おおたにぃーーーおかえりぃーーはい これっ?』
あたしは笑顔当社比五〇〇%で大谷にチョコを差し出した。
(ついでに大きさも五〇〇%や)
『でか(笑)やっぱ背でかい奴って…』
『別に背とは関係ないっ!!』
『あははは…まぁありがとうなっ』
『へへへ』
『なぁ これって本命やんな?』
なんてなんで今更聞くんやろ(笑)
そんなん本命以外のなにもんでもないやんか…
だって…
あたしは大谷の その…妻やもん。
しかも妊娠八か月…。
『リサ…体調は大丈夫なんか?』
『うん。』
いつもならここでキスと…その…えっちぃ展開突入なんやけど
妊娠五か月あたりから大谷はあたしに手を出そうとしない。
まぁ…。
そうゆうコト…に制限はあるしできひんねんけど
ちゅーぐらい増量してくれてもええんちゃうかなぁ…
『大谷っ』
『ん?』
スーツから着替え中の大谷に声かけてみたけど
大谷はあたしに返事もなくて…
寂しい…。
心の中でもうひとりのあたしが呟く
『キス…して』
『あたしを抱…』
あかんそんな事言えるはずないやん。
それになんで永遠の17歳のあたしがそんな事いわんなあかんの
一人で考えて一人悶絶していた。
『リサ。おまえなんでそんなにムスっとしとんねん』
『えっ?』
上半身裸のままで大谷が不思議そうに近づいてきた。
『なんか言いたい事でもあるんちゃうん?』
あるんちゃうん?あるんちゃうん?あるんちゃうん?
って大有りや!!!!!!!
言いたい事は山ほど。
新婚時代はこっちがあかんゆうても毎日のように求めてきたのに
なんで妊娠発覚したら指一本触れてこーへんのよ。
もうあたしは女やないとでもゆうんっ
そんなん嫌や。
あたしはずっと…
大谷に…
抱かれたい。
上手く言えんくて涙が溢れてきた。
『ちょ…リサおまえ何泣いとんねん。あぁーーー』
泣いてるあたしを大谷は困り顔して抱きしめてきた。
『オレに言いたい事あんならなんでもゆえっていつもゆうとるやろ
ストレスはお腹の子にもようないって…』
ぴくっ…
『あっ…』お腹がぴくんっと動いた。
きっと赤ちゃんも『そやで』ってゆうてる気がする…
ふぅーと一呼吸して大谷の瞳をとらえ一気にまくしたてる
『ちゅーーー』
『えっ?』
『大谷 最近ちゅーしてくれへん。』
(おもいっきり背伸び…)大谷の唇が突撃して来て…
何度も何度もキスの雨。あたしに襲い掛かった。
『…あぁしらんぞどうすんねん。もーリサ責任とってくれ。』
『責任って?』
『ちゅーしたらオレ最後まで…したなんねん。』
『した?』
『もーーーおまえの事欲しくなるっちゅうねん』
『えっ?』
大谷曰く。キスしたらHせんな…。らしい。
『リサはほんま男の性をわかってへんなぁ(笑)』
『だってーーーー。』
そんな事。
なんかこじつけられてる気がしたけど…
『責任もって キスで…オレの事いかせて(笑)』
『そ…そんなんむりぃーー』
『物事はやってみんかったらわからんって』
悪魔の笑顔で…
バレンタインの夜
チョコより甘いキスで…心と体…を
end