プリン誘拐事件①

それは　夕食後の出来事…。

甘いものは別腹という事で冷蔵庫をあけた時のこと…

真咲先輩から　めっさ美味しいというでっかいプリンを貰った。
せやから大谷とはんぶんこで一緒に食べよと…

たしかに冷蔵庫に入れてた

はず…

♪たらたた　たら　たたたた　たらららららららららら

という音楽が頭の中で響く。

あるはずのもんがあらへん

『おーい　あたしのプリンさーん。プリーンちゃん　でといでー』

と呼んでも『はーい何？リサちゃん』なんて返事して
プリンが冷蔵庫の奥から　よいしょっと出てくるわけやない。

動けんプリンが冷蔵庫の中におらんのは…

誰かが連れ出したとしか考えられん。

あたし?ちゃう

という事は…

犯人はあいつや…

大谷しかおらーんっ！

食い物の恨みは恐ろしいねんで！


あたしは　この家におるもう一人　大谷のおる部屋に向った

『こらっ　チビすけべ！』

寝ころんで本を読んでる大谷の前に仁王立ちしたら
うっとーしそうな顔してあたしの方に顏を向けてきた

『はぁ？なんやその　へんな呼び方。』

『呼び方なんかどーでもええんや　それより…』

ギロッと大谷を睨むとあたしは声のトーンを下げる

『あーたーしぃのーーーーーー』
『へっ?』

『あたーしぃーのープリンどこやー』

『はぁ？』

大谷の眉はｍａｘ全開でくいっと上がった。
ここで負けたらあかん

『だから　あたしのプリンは？』
『リサの？』

大谷は腕を組みのあと
んーっと考え込んでなんか一瞬まずいって顔したような
（気がする…）

『あたしのプリン』
『知らん　くうてないっ　ジブンくうといて忘れたんちゃうか？』

大谷は　ぷいっと顏をそむけて読書に戻ろうとするから
首根っこを?まえた

『忘れてへんし　食べてへんもんっ』

『食べてへんのなら冷蔵庫ん中　よー探してみ…』
『返事なかったもん。』

『はぁ???返事？　あほかプリンは返事なんかせんやろ』

分かってる　わかっとるよ
プリンは返事なんかせーへん。けど　けど　けど…

ないんやもん


『プリンぐらいで騒ぐな…』

なんて言わんでもええやんかぁーーーー。

『ええもん　大谷なんかキライやー。この恨み墓場までもってくー』

ゆうだけゆうて寝室に逃げ込んでベットに倒れ込んだ

あたしって…子供や

プリン一個食べられたのを根に持ってキライとかゆうてもた。

せっかく二人ではんぶん　らふらぶーってしたかったのに
食べたんなら食べたって正直にゆうてくれたら

あたしは怒らんもん
（多分）