『さっぶいおもったら また雪やで・・・』
空を恨めしそうに見上げる
なんでこんな日に雪やねん
万が一 大雪に変わって中止とかになったら誰が責任とるんやって話
今日は 新年海坊主ライブ。
(城ホールではなく 限定のミニライブ)
チケットを取るためにオレは めっちゃ苦労した。
絶対ここにきたかってん。
ここは初めて・・・小泉に出会った。
あのホールでのライブ・・・
『でも 大谷よぉ こんなチケットとれたわ。
さすが大谷様や あたしほんまにうれしいわ』
小泉は 顔いっぱいうれしそうに笑う。
そんなに笑ったら 顔のパーツとれるんとちゃうかゆうぐらいの笑顔やねん。
そんなあほみたいな笑顔が 見られるんなら
オレは こんな苦労なんてどおってことないわ
『大谷?もしかしてあたしに見とれてはりません?』
小泉は 簡単にオレの心を見透かしよった。
『みとれ・・・てなんかないわ。はよ行くぞ
雪ですべってこけて また頭打ったらあかんから
ほらっ・・・手だせ・・・』
『ぶーーーーーー』
『小泉っ』
『ん』
オレってなんでこんなぶっきらぼうにしかゆえんねんやろ
★★★★
♪HEY オレ海坊主が原点のライブハウスに帰ってきたyo
今日も海坊主は絶好調。
もちろんオレも小泉もテンションあがりまくりや
おさかな地獄 しょうがねぇぜ よろしゅうござんすか
めちゃくちゃええ選曲や
MCのとき 不意に海坊主がゆうた。
『オレが昔ここでやったときに誕生日やった少年とその子が誕生日やでーって叫んだ女の子
そのふたりがまたここにいてると信じて・・・次の曲を贈るYO』
『おい 小泉いまのんきいたか?』
『聞いたよ・・・あれって』
『『オレ(あたし)のことやんなぁ-』』
二人のテンションは そこからハイテンションになった
外の雪も溶かすぐらいに・・。・
★★★
『あーほんま めっちゃよかったわ 海坊主』
『そうやな・・・。』
オレは柄にもなく緊張していた。
なんでオレ わざわざふたりが初めて出会った場所を演出とかしとんねん
こんなんオレらしくないやんけ
でもなっ
学校も はなれて普段あわれへんから
会ったときぐらいは やっぱり笑顔みたいやんけ
『ありがとう 大谷』
『えっ?なにが・・・・』
『大谷 あのホールがあたしらの出会いの場所やから
必死でチケットとったんやろ・・・。うれしいわ』
『まぁ喜んでいただけたら オレもとったかいあるわ』
小泉はカバンから何かを取り出し
『はいっ これご褒美やで・・・』
オレの手に何かを乗せた。
それは まるくってちっこくって三角な
『いちごみるく・・・。』
『へへへへ♪』
あの時と同じように 同じ笑顔。
『ありがとう・・・。』
こいつには 負けた・・・
『なぁ 小泉・・・一回しかゆわん』
『何よ・・・?』
『めっちゃ・・・・す・・・・』
『めっちゃす?』
『き・・・なんやけど・・・』
小泉の顔が ぱぁーっと明るくなる
『ちょっと ちゃんと ゆうてよ そんな分割支払いせんと一括でリサちゃんすきーってなっ』
『あほっ もうゆわん・・・』
オレがいつも願ってること
それは小泉がオレと一緒に笑っとる事
それが何よりもうれしい
『と・・・ゆうわけや 小泉君』
『なんか ごまかされた気がすんねんけど・・・』
『ほらっ また転んだらあかんやろ 手かせ・・』
『うん・・・。大谷の手だいすきや・・・・。』
『手だけかい(笑)』
ずっとずっと 一緒に笑えたら ええなって願いながら
二人手をつないだ・・・。
END