週刊文春3月26日号で、森友学園への土地売却に関する財務省文書改ざんは佐川元理財局長の指示だったことを示す遺書が掲載された（『森友自殺財務省職員遺書全文公開「すべて佐川局長の指示です」』）。3月14日には関西電力役員の金品受領問題の第三者委員会の再調査結果が公表されたが、委員の記者会見では「森山氏は関電の闇の部分も知っており、モンスターのような存在になっていた。これが事件の発端になっていった。（関電役員らは代々）金品を受け取ることで共犯者となり、抜けられない事態を招いた」（『関電役員ら「金品受領で共犯者に」 第三者委の一問一答』 2020/3/15 日本経済新聞WEB版）と、「関電の闇」などという物騒な文言も出てきた。森友学園事件、原発問題の両者とも経済産業省が関係するのも共通する。
関西といえば、カルロス・ゴーン元日産会長が出国したのが関西国際空港とされたり、昨年世間を騒がせた倹lの闇営業問題の吉本興業HDの本店が大阪市にあったり、おととしの暮れに激安スーパーの創業者が暴力団幹部との取引で逮捕されたのも大阪だったりする（『「スーパー玉出」創業者逮捕 暴力団側から売春収益受領疑い 大阪府警』 2018/12/3 産経WEST）。
赤報隊事件、グリコ森永事件、阪和銀行副頭取射殺事件、住友銀行名古屋支店長射殺事件、拓銀を破たんさせた中岡信栄のECC、餃子の王将社長射殺事件（2013年12月19日発生）、関西では解決に至らない重大事件が多いのも気になる。1982年の大阪府警賭博ゲーム機汚職事件、2018年の大阪府警風俗店捜査情報漏洩汚職事件、京都府警OBの関与が疑われる京都府立医大病院虚偽診断書作成事件など、警察官と裏社会がつながる事件も多い。検察の裏ガネ問題も大阪高等検察庁発信だった。
3月19日には、吉村洋文大阪府知事が新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため、大阪と兵庫の間で20日からの三連休の往来自粛を要請した。往来自粛要請の理由として「国の専門家から、大阪府、兵庫県の全域において、感染源が不明の症例が増加していることから、見えないクラスター連鎖が増加しつつあり、感染の急激な増加が既に始まっていると考えられ」（2020/3/20 「新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた対応について」 知事からのメッセージ（新型コロナウイルス感染症について） 大阪府HP）と、国の専門家の大阪府、兵庫県での感染拡大予想が挙げられている。3月21日12時時点の新型コロナウィルス都道府県別の患者報告数（出所：毎日新聞）は大阪府で106名、兵庫県で76名と上から4位、5位を占める。大阪府は関西で最も患者数が多いので、大阪・兵庫間だけでなく、大阪・京都間、大阪・奈良間、大阪・和歌山間、大阪に通じる首都圏、中京圏、北陸、中国、四国、九州間の新幹線、特急電車、高速バス、飛行機、フェリー等の利用の自粛まで徹底した方がよいのではないだろうか？大阪・兵庫間限定では中途半端すぎて、大阪府のガバナンス能力を疑う。この三連休で、新型コロナウィルス感染問題が解決するとは思えない。大阪府知事がメッセージで、大阪府全域でも感染の急激な増加が既に始まっているという国の専門家の意見を引用しているぐらいだから、大阪行きは控えた方が賢明だと考えられる。
それにしても、財務省書類改竄事件で自殺した職員の自宅があったのが兵庫県で遺族代理人が大阪弁護士会とは…。森友学園の小学校認可は、吉村知事と同じ大阪維新の会の松井一郎現大阪市長の大阪府知事時代に行われたものだ。
つけ加えると、中央政府の提案で地方政府が住民の移動を制限するのは、新型インフルエンザ特別措置法の緊急事態宣言と実質的に変わらないと思える。
追記：高級官僚への接待、元運輸事務次官の関西国際空港社長への贈収賄など泉井事件、ハンナンの牛肉偽装事件が発生したのも関西。元公安調査庁調査第二部長、菅沼光弘著「この国の不都合な真実」（徳間書店）には、故野中広務元官房長官について「牛肉偽装事件の捜査でハンナンから資金提供を受けていたという証拠が出てきたのです。」と書かれている。
2023/6/24
↓赤報隊による朝日新聞阪神支局襲撃事件に関しては、共産党の宮本岳志議員が、霊感商法問題を報じていた朝日ジャーナルに、統一協会の関係者からと思われる脅迫状が届いていたことなどを交えて統一教会について質問している。
