投資家の目線

投資家の目線765(製糖会社の再編)

 3月25日、三井物産系の製糖会社三井製糖(2019/9/30主要株主の持株比率:三井物産33.50%、豊田通商3.89%、双日食料1.49%)と、三菱商事の100%子会社の大日本明治製糖との経営統合、さらに日本甜菜製糖(2019/9/30主要株主の持株比率:明治ホールディングス10.36%、三菱商事1.87%)と資本業務提携の協議開始が発表された。三菱商事の子会社大日本明治製糖が、三菱商事が筆頭株主の塩水港精糖(2019/9/30主要株主の持株比率:三菱商事14.72%)と、三井製糖が住友商事系の日新製糖(2019/9/30主要株主の持株比率:住友商事37.6%)と合併・統合を選択しなかったのは、製糖業界が旧財閥グループのつながりにこだわっていられる状況ではないのかもしれない。大日本明治製糖の前身のひとつ明治製糖の傍系事業が明治ホールディングスなので、明治ホールディングスが筆頭株主の日本甜菜製糖との資本業務提携に違和感はない。

 他の上場製糖会社としては、丸紅系の東洋精糖(2019/9/30主要株主の持株比率:丸紅39.26%)、双日系のフジ日本精糖(2019/9/30主要株主の持株比率:双日30.4%、豊田通商9.2%)がある。

 大日本明治製糖、日新製糖、大東製糖は千葉の新東日本製糖で共同生産している。塩水港精糖株式会社、東洋精糖株式会社、フジ日本精糖株式会社は横浜の太平洋製糖で共同生産している。また、大日本明治製糖、塩水港精糖、大東製糖、中日本氷糖は泉佐野の関西製糖、大日本明治製糖と日本甜菜製糖は北九州の関門製糖で生産している。

 3社の協議開始理由として、「各社を取り巻く事業環境は、人口の減少、甘味需要の多様化等に加え、TPP や多数の国との経済連携協定の進展もあり、今まで以上に国際的な競争にもさらされるなどの厳しさも増していることから、各社において事業基盤の更なる強化が課題となっております。」(「三井製糖株式会社と大日本明治製糖株式会社との経営統合、及び日本甜菜製糖株式会社との資本業務提携に向けた協議開始について」)ということを挙げていたが、それは他の製糖会社にも言えるだろう。製糖会社の再編はまだ進行中ではないだろうか?

注:持株比率の出所は各社のHPや株主通信等、共同生産の出所は新東日本精糖、太平洋製糖、関門製糖HP等
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