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KT0936(DSPラジオ)の試作

2021-12-13 10:03:28 | 電子工作

KT0936MはKTマイクロ(中華)のDSPラジオである。AlixExpressで、1個当たり70-80円で売られているのを見つけたので買ってみた。FM、AM、SWが受信でき、音声はモノラルである。SiliconLabsのSi4825の競合製品の位置づけか。安価なポケットラジオ用のICである。SOP-16のパッケージなので、ハンダ付けも可能である。

特徴は、EEPROMを接続して、外部からの動作パラメータを設定できることである。電源ON時にEEPROMからデータを読み出し、内部レジスタに設定する仕様になっている。しかし動作の詳細は不明である。KT0936Mの自作記事があまりないのは、これが理由かなと思う。ただ、デフォールト値でも動作するので、EEPROMの接続は必須ではない。データシートの回路図にもEEPROMが接続されていないものが掲載されているので、今回はこれで試作することにした。

受信バンドの変更は、抵抗による分圧回路で行う。抵抗値が中途半端なので合わせるのが難しい。同調は、10KΩボリューム(可変抵抗)により、電圧を変化させて行うタイプである。なかなかクリティカルで、ラジオ局に合わせるのが難しいと感じた。同調表示のLEDを接続することができる。音量は固定である。スピーカーを鳴らすのは無理であるが、イヤホンなら十分であり、音質はクリアである。

AMの受信にはバーアンテナが必要であり、SWの受信は、トランジスタ1段の増幅回路が推奨、受信バンド切り替え用の抵抗が用意できない。ということで、今回はFM局の受信のみとした。Si4825の時のようにICが不良品ということはなく、ハンダ付けと組み立ては無事完了。クロック発振用のクリスタルとコンデンサは基板に直付けにしてある。こうすると配線の取り回しが楽になる。受信バンド切り替えの抵抗選択に試行錯誤(回路図は63.4Ω)したが、ローカルのFM局は受信確認できた。同調用の10KΩボリュームの接触が不安定だと受信も不安定になるので注意が必要。FMだけの試作であるが、受信バンド切り替え用の抵抗が用意できれば、安いのでお勧めかなと思う。