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KT0915(AM/SW/FM DSPラジオ)の試作

2022-09-20 14:43:21 | 電子工作

AM/SW/FMが受信できるマイコン制御のDSPラジオ ICは、これが3つ目(AKC6955、Si4732、KT0915)であり、たぶんこれが最後だと思う。KT0915については、期待を込めて試作したが、結論から言うと、試作で終えることにした(残念)。なお、DSPラジオ ICは、色々と種類があって、電子うさぎさんのサイト(日本語のリンクが貼れないので「電子うさぎ DSPラジオ」で検索)を参考にした。

結果のまとめを少々述べることにする。

SW(短波)の受信感度は、Si4732>AKC6955>KT0915の順であった。FMだけなら、KT0915が良い。AKC6955がそれに次ぐ(が製作上の安定度はいまいちで苦労した)。Si4732は、FMについては、音質が良くないのでお勧めではない。AMについては、感度はSWと同じ順番である、ただ、どれも音質は良くない、利用は電波状況が良い場所に限られると思う(筆者の環境は高雑音)。

マイコン(Arduino)用のライブラリは、いずれも、pu2clrさん作の物が利用できる(Si4732とKT0915で利用した)。特にSi4732(Si4735と同じ)の物は完成度が高い(そのまま利用した受信機が売られている程)。

KT0915は、KTマイクロ製、SSOPの16ピン ICである。ピン数が少ないため、部品点数が少なくて済むので、自作向きである。ただ、変換基板に載せるためのハンダ付けは、ほぼ限界である。AKC6955(SSOP、24ピン)で失敗した経験が役に立って、今回は上手くいった。

Arduinoは、Seeeduino XIAOを利用した。pu2clrさん作のKT0915用ライブラリは、GitHubにあるが、ArduinoのIDEのライブラリ管理の検索から「KT0915」で検索するとインストールできる。

試作ではpu2clrさんのGitHubのexamlpesフォルダにあるKT0915_02_OLEDをベースに、少々改変を加えた。詳細は筆者のGitHubを参照して頂きたい。なお、Arduino Pro Miniベースの回路図が前記のexamlpesフォルダにあるが、受信周波数を変更するロータリーエンコーダ(スケッチには存在)が省略されている。試作したスケッチでは、受信周波数の変更はタクトスイッチで行なっている。

さて、評価であるが、FMはリード線程度のアンテナで問題なく受信できた。音質もまずまずである。音量は小音量でスピーカーを鳴らせる程度、やはりアンプが欲しい。AMは、地元に4局(距離は20から30km)あるが、大電力(100㎾と300㎾)の2局(NHK)のみ受信できた。音質は良くない。SW(短波)は、マグネティックループアンテナを使用したが、7MHz帯の北京放送すらまともに受信できなかった(Si4732では同じアンテナで複数局が受信できたのに)。