<strong>マウスの実験でわかった
ビールの苦みは、アルツハイマー病を予防する――ビール好きにはうれしい研究結果が、キリン健康技術研究所と東京大学、学習院大学の共同研究チームによって発表され、話題になっています。
ビールの原料のひとつであるホップには、苦み成分「α酸」が含まれています。α酸は醸造の際に煮沸されると「イソα酸」という成分に変化します。
研究チームが、この「イソα酸」を混ぜたエサを3か月間、アルツハイマー病のマウスに与えたところ、アルツハイマー病の要因とされる脳の老廃物「アミロイドβ」の量が減り、脳の炎症を抑える「ミクログリア」という細胞が活性化していたのです。
とはいえお酒の飲み過ぎは禁物
年末年始はビールを飲む機会も増える時期。「アルツハイマー病の予防になる」と、大手を振ってたっぷりビールを飲みたいところですね。でも、喜ぶのは早すぎます。この研究ではマウスがビールを飲んでいるわけではありません。人間がビールを飲むことで、マウスと同じ効果が得られるか、それはまだわかっていません。
確かに、お酒にはある程度の健康効果が確認され、人間を対象とした研究では、お酒を飲む人は動脈硬化など、一部の病気の発症率が低下していることが知られています。
しかし、同時に、お酒は肝臓の病気やがんの発症率を高めており、酒量が増えるほど死亡リスクが確実に上昇します。
「お酒を飲むのが健康的」などと思い込まず、ほどほどの量を楽しみましょう。