アメリカを中心に高速ヘリコプターの
研究が行われています
今回はそうした高速ヘリについてみていきましょう
これは主に揚力発生用の回転翼と推力用の
プロペラなどをふたつ以上持っているタイプで
両方を角度を変えることで対応するオスプレイの
ティルトローターとは別のタイプで複合ヘリコプター
とも呼ばれます
自分らの世代には エアーウルフといえば
イメージが沸くと思います
なぜ超音速ヘリは無いのか?
現在 世界最速ヘリのタイトルホルダーは
ユーロコプターX3が2014年に出した472km/hです
地上のF-1カーが非公認ながら430km/h出したという
ことからすると こんなもんかな?という気がしますが
それには理由があるんです
つきまとうロール問題
話がちょっとだけ 専門的になりますが
回転翼というのは 常に片側には飛行速度が加わり
もう片側からは飛行速度が差し引かれます
具体的には ローターが時計回りの場合は左側半分
の揚力が上がり 右側半分の揚力が下がります
高速飛行になればなるほど この揚力の不均衡が
大きくなり ヘリはコントロールできないロール
/回転をおこすことになります
いまでも一部のオタに熱心なファンのいるAH-56 シャイアン
更にローターの先端速度が音速に近くなると
衝撃波が発生して どんなに馬力などを上げても
それ以上は有効に推力を発生しない限界があります
レシプロ戦闘機では超音速に対応できずジェット機に
なった大きな原因のひとつです
それでもチャレンジしたいんだっ!!
これらが超音速ヘリが無い理由ですが
それでもメーカー各社は知恵を絞って新型ヘリに
挑戦し続けています 代表を見ていきましょう
浮く時だけローターを廻して 上空にいったら
止めてジェットで飛べばよくなくねぇ?
そのアイデアでジャイロダイン (Gyrodyne)システムを
搭載したシコルスキーS-72 Xウイング/Sikorsky S-72
X-Wingが生まれました
ベースとなったS-67試作攻撃ヘリ
S-67を改造した機体はなかなかかっこ良く しかもエンジンを
4つも搭載し ローター無しでも飛べるというモンスターでしたが
性能はイマイチで わずか5年で生涯を終えました
フム 後ろにすっごいファンを加えたらいいんじゃないか?
このアイデアで作られたのがパイアセッキX-49A
"SpeedHawk"で 2007年6月29日に初飛行を行いました
(機体はSH-60 シーホークの改造)
このVectored Thrust Ducted Propeller" (VTDP) systemは
第五世代戦闘機でも注目されるベクタードノズルと同様の
機能も兼ね備えています
現状では このヘリは300km/h程度は出るようなんですが
断片的資料ばかりで ベースのシーホークのエンジン2基
のほかにダクテッドファン用の第三エンジンを搭載したか分かりません
2014年のツベ動画ではファンが回っているようにも見えます
よし テイルプロペラに二重反転ローターまで搭載しよう!
出ました二重反転プロペラ これをつけたメカは
かっこよくみえるという法則があります
最近造船のポッドスクリューなどでも見直されている
二重反転プロペラを採用した シコルスキーX2です
これは機体も新造となっており
全体にとてもバランスがとれているように見えます
S-72のリベンジとなるでしょうか?
テイルじゃダメ 前におもいっきりプロペラ付けよう!
レシプロ双発機の長い伝統的スタイルとヘリを
合体させたのが このユーロコプターX3でしょう
ちょっとムックリしたスタイルですが 見かけより早く
現在 世界最速ヘリ記録保持者です
その秘密は この機体が速度が上がるほど
メインローターの回転数が下がり その減少分は
小型翼の揚力で補う設計にあります
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