ミンクス室内オーケストラ

1986年に結成されました。常任指揮者に、松岡究氏を迎えモーツアルト、ベートーベンなどの古典を中心に演奏しています。

ビバルディーのグロリア

2005-05-31 20:37:44 | 音楽
グロリアをやったとき解説を書くため、ほんの少しだけ調べ物をしましたが、資料が少ないせいか歴史的な流れがよくわかりません。

そもそも宗教で音楽を使うのは一般的ですが、それを最も効果的に使っていたのはキリスト教でしょうね。
ミサ曲だけでなく、あの荘厳な教会で天地、空間すべてが鳴り響くパイプオルガンの音楽を聴くともうただただひれ伏すばかりの感動でしょうね。思わず神様を信じてしまいます。

日本でも平安の昔にはお経は音楽として楽しまれていたようで、 今日はいい声のグループがお経をあげるから聞きにに行こうねと、まるでグループサウンズ(古いなー)を聞きに行くようにいい交わしているのが、つれづれ草か何かにかかれていましたね。

学生のころ奈良を一人で回りました。
夕暮れの長谷寺。 長い石段を登りきるころ、突然素晴らしい読経の声が聞こえてきました。
静寂な山々に響き渡る美しい声は、グレゴリオ聖歌に勝るとも劣らず、清冽な美しさにあふれていました。
平安のお経の美しさを偲ばせるに十分でした。

いまだにあの強烈な感動は忘れることができません。
私としてはぜひこのお経をCD化して、長谷寺ボーカルザウンズ、略してハセボーズ として売り出してもらいたいと思っています。

ミサもはじめは鳴り物を一切用いない、いわゆる、アカペラ (カペラって教会ですよね)しかやってはいけない時代が長くあったそうですね。
グレゴリオ聖歌に始まり、パレストリーナで極められたポリフォニーの音楽に発展してゆくのでしょうか。パレストリーナですら、華麗すぎるとの批判を受けていたとか、、、

ところが、ビバルディーの時代から(というより私の読んだ本ではいきなりビバルディーから)オーケストラバックの豪華絢爛な音楽になってしまいます。
それこそソロはあるは合唱はあるはトランペットは鳴り渡るは。もともとビバルディーのバイオリン協奏曲など、言ってしまえば、きれいな女の子の演じる宝塚のようなもの、日本でいえば長谷寺にいきなり宝塚の一団が現れて、絢爛豪華にお経ミュージカルとかをはじめるようなものでしょうか。
(その後のプロテスタントとカトリックのミサについてのことや、カトリックのミサ自体の変遷については音楽ではなく宗教のことになってしまうのでちょっと、、、)

この教会音楽の発展がやがてヨーロッパの音楽の基礎の一翼を になうようになっていったのを考えると、グレゴリオ聖歌に勝るとも劣らないお経を持ちながら、ビバルディーのような天才を持たなかったためその後の宗教音楽の発展が日本ではなかったのかと思うと感慨深いものがあります。