初夏。大山は緑一色に染まり、街にはアザレアの花が咲き誇ります。新しい命に溢れて、鳥取県は一番すがすがしい季節を迎えようとしています。
ミンクス室内オーケストラ演奏会、アザレアのまち音楽祭のオープニングコンサートは素晴らしい季節の始まりを告げるようにいつも5月初旬に開催されます。
ミンクスはアザレアのまち音楽祭の多大なご支援を受けており、音楽祭オープニングコンサートには感謝をこめてアザレア室内オーケストラとネーミングを変えて出演します。
今年度はこの季節にふさわしい、若さ溢れる三人の方をゲストとして迎えます。
鳥取県ではもうすっかりお馴染みの名ソプラノ、松田(恩田)千絵さん(米子公演)、そして寺内智子さん(アザレア公演)。
鳥取オペラ協会発足以来お二人共に数々のオペラで素晴らしい歌声を聞かせていただき急速に県民の皆さんに知名度が高まりました。また数々のコンクールにも入賞され、名実共に鳥取県を代表するソプラノとしていろいろなステージに引っ張りだこの忙しさです。歌ってくださるのは、モーツアルトのモテット、踊れ喜べ幸いなる魂よ。私たちの年代の音楽ファンの方には、映画オーケストラの少女で、可憐な主人公が歌う、アレルヤ、といったほうが分かりやすいでしょうね。ソプラノの技巧がたっぷり楽しめる名曲です。
もう一人は、小谷郁美さん。、倉吉出身、桐朋学園大学院修了。多くのコンクールに入賞され、サントリーホールのコンサートに出演されるなど、今伸び盛りの若きピアニストです。米子市の皆さんには澤カルテットとの共演での素晴らしい演奏がまだ耳に残っている事と思います。ベートーベンの3番のピアノ協奏曲を演奏してくださいます。1番、2番のフレッシュな音楽に次第にベートーベン特有の音楽の深みが加わり、円熟味が漂い始めるこの曲を若きピアニストがどのように演奏するか、楽しみです。
そしてメインはベートーベンの8番の交響曲。運命、田園、7番、とさまざまな苦悩からくる精神的な深みを増していった後、ふっと彼本来の音楽の喜びを思い起こしたような、抜群の完成度と明るさをを持つ交響曲です。
歌、ピアノ、そして交響曲。もちろん素敵なデザートのアンコールも用意された、ちょっと贅沢なコース料理のような演奏会。
お楽しみいただけると思います。