社長様、かく語り記

東北のとある社長の名言・行動から、人としてあるべき姿を探していきたいと思います。

出張 前篇(全二話①)

2013-04-26 15:55:26 | 日記
社長様の会社に在籍中、わたくしの昔の知り合いから誘われて出張へと赴く機会がございました。
(知り合いからはサイドビジネスでもイイよと言われたのですが、有給休暇の長期取得が憚られましたので会社を通して行く事と致しました。)

相手は東証一部上場企業で某商社直系企業、労働の対価として時間単価が¥4,000と当時としても破格の金額でございましたので、本来であれば社長様が相手にされるような企業ではございませんから、社長様にはなんの文句もございませんでした。


さて、その出張で初めて出向きましたのは奈良県でございました。
(この後、2~3度程、お世話になりました。)

わたくし、20代の頃には日本の各方面へ出張っておりましたので、出張自体さほど苦とはしませんでしたし、この時はあくまでもお手伝い仕事でしたので気分も軽やかに出発したのでした。
(不在の間に社内で問題が発生しないようにする為の引き継ぎが、なかなかの骨折りとなりましたが…)

出張先での作業内容としては、

「他の工場から移設された半導体製造装置の立ち上げ作業」

と、書くと簡単ですが、その装置に触るのがおおよそ10年振りだった事と、座り作業に慣れきってしまった下半身が3日以上続く「立ち作業&無理な姿勢での細かい作業」に持ち堪えるのか?が心配ではありました。

案の定…初日から下半身がクタクタになり、立っているのが辛い身体となりつつも、最終日の作業を終えて夕方ホテルに戻ろうとした所へタイミング良く社長様からの電話が入りました。
(しかしまぁ携帯電話と云うのは、余計な事をしてくれるもんです…)

社長様
「明日の午後2時にお客さんが来て打ち合わせをするんだが、それまでに戻って来てくれるか。」

わたくし
「すみません、2時には間に合わないと思いますが?」
(東北から奈良県の移動は通常1日をみましたので、2時に出社となると1時半頃には自宅に戻らなければならずキツいんですが…)

社長様
「お客さんが2時頃来るからそれまでに戻って。」
(基本、自分の都合を通したい場合、人の話はスルーします。)

わたくし
「はぁ…そおですか…」

まぁ朝早くから動き出せば戻れるのは判っていましたので断りきれませんでしたが、それがどの様な展開となるか想像がついていたのです。

出張作業が終わって一段落ついたのに…
とても気が重くなってしまったのでした…


さて、翌朝は近くの駅から出る朝一番の特急に乗るべく、7時にはタクシーに乗り込まなければなりませんでした。

「はぁ…ブルーな朝だな…」

当時は携帯でチケットを買うような技を会得していませんでしたのでヒヤヒヤものでしたが、一番初めの電車は田舎からの特急なので何とか指定席が取れました。

しかし問題は新幹線です。

確か…朧げな記憶なんですが、新幹線には名古屋から乗ったような気がします。
(どこからどこへ乗り継いだものか…失念いたしました…)

平日朝の8時頃の新幹線移動…窓口購入で指定席を取るのは ほぼ不可能です。

駅に入るといかにもビジネスマン然とした方々が、窓口に並んで切符を購入なさっています。

わたくしも、ほぼ一週間分のデカい荷物を肩に下げて列に並びます。

10分以上並んでようやく窓口にたどり着くも、既に指定席はありません…この時点で名古屋から東北までは座席に座れない事がほぼ確定です。

「ふぅ…やっぱりね、予想通りだ…」


通常 泊まりがけでの出張時はデカいカバンを担いでの移動となるので、混雑を避けて朝は9時頃から移動を開始しておりました。
(この位からの移動ですと、指定席が取りやすくなりました。)


少し脱線。

何故デカいカバンに入れる程荷物を持ち歩く必要があるのか?


1.出張予定日数+1の下着セット&靴下

過去に、クリーニングサービスが無いホテル、もしくは下着はクリーニング不可のホテルがありました。

熊本のとあるホテルでの事…下着のクリーニングは不可でホテル従業員より

「外に洗濯機があるので そちらでお願いします。」

と…言われた事がありました。

それが判ったのは終電でホテルに戻った夜中の事でした。

その日の作業の進み具合から出張が予定日には終わらない事が判明し、同行した方々と下着を洗うしかないなぁとの話となり、ホテルに着いてすぐにフロントで下着のクリーニングをお願いしたところ、あっさりと断られたのでした…

フロントで散々悪態をつきつつも、翌日も作業があるので諦めて…
夜の12時過ぎ、疲れた身体でコンビニまで歩いて洗濯洗剤を買いに行き、ホテルに戻り外に置いてある洗濯機(暗くてキレイなのか汚いのかすら判らず…)にて、先輩の下着と一緒に洗濯機をグルグル回す…
約1時間後に洗い終わり…
先輩に洗濯物を届け(先輩は既に酔っぱらいグデグデ…)、自分の洗濯物を部屋に干して寝たのが朝方3時頃、翌朝は通常通りに8時前にはホテルを出て客先に向ったのでした。

そんな出来事があって以降は下着セットを多めに持参する事にしました。


2.普段着

地元との往復移動時用及び、夕食時用(たいてい外食になります)に、上着とジーンズor作業服上下をカバンに入れる必要があります。
これが結構スペースを取るんですよね。


3.ドライヤー

当然ホテルにあるでしょ?とお考えの方が多いのでしょうがなかなかそうでもありませんでした。
「共同洗面所に置いてあったり」
「フロントから借りなければなかったり」
と、パンフレットを読み込んで探す手間を考えますと、まぁ持って歩くのが疲れません。
(無精せずにフロントから借りれば良いと思うでしょうが、残業して遅い時間にホテルに戻ると品切れとなっているのです。その場合、かなり悲惨です。)


4.歯磨きセット

これまたホテルにあるでしょと思う方が多いでしょうが、個人的に歯ブラシに粉が付いているタイプをあまり好みませんし、夜と朝の分が共用の事もあり不愉快なので、自分で持って歩きます。


5.スケルトンブラシ

ホテル備え付けのプラスチックの平たいクシ?
誰がこんなん使うんじゃい!
お気に入りが一番です。


6.旅行用シャンプー&リンス&ボディソープ

ホテルにシャンプーあるでしょ?と思うでしょうが…大間違いです。

東北で一番デカい都市の駅前ホテルに、泡の立たない小さな石鹸しかない事がありました…

さすがに、冗談だろうと思い探しましたがありません…
(ひょっとすると自販機で売っていたのかな?)

試しにその石鹸で頭を洗いましたが、髪がゴワゴワになり指が通りませんから~。
シャンプー&リンスは必ず持ち歩きます。
ボディソープはついでです。
(今気付きましたが、普通の方ならばフロントに尋ねるんでしょうね。)


7.暇潰し

昔は読書が相場でしたが、この時はパソコンを持ち歩いてみたりもしました。

まぁこれは無駄ですね…。


8.JRの時刻表

何が起きるか判りませんから最新版を持ち歩きます。

携帯電話等で見るよりも、乗り継ぎ計算がしやすいんですよね。


話が長くなりました。
次回へと続きます。

人生をなんとするか?

2013-04-08 15:19:44 | 日記
つい最近になりまして、社長様の性格を如実に現しているようなご発言を思い出しましたので、今回ご紹介させていただきます。

そのご発言とは、ご自身の子供達に対して発した次のようなお言葉でございます。

「こんなことになるんだったら、関東に行かせるんじゃなかった。

と、吐き捨てるようにおっしゃっておりました。


社長様には、上に男性で下が女性の二人 お子様がいらっしゃいます。

お二人共に、社長様には全く似ることなく優秀な方々でしたので、東京の大学へとご進学ご就職なさり、そのままご結婚なさりました。

まぁそんな訳ですから、半ば関東への永住が決まったような訳でありました。

息子様に至りましては、親からの援助をお受けになること無く、神奈川県内の大都市にマンションを購入なされたのですから、大層ご立派でございますねぇ。
(一応 社長様に援助打診があったそうですが、「キッパリ断った」と社長様より自慢気に聞かされました。
何故自慢気ナンジャ?…)

還暦を過ぎた社長様、ご自身が作り上げた素晴らしい会社を息子様に継がせ、自分は隠居生活に入ろうと何度か策を巡らせていた訳ですが、色好い返答が得られずにとうとうご立腹してしまい、冒頭の言葉が口から飛び出した次第でありました。

そして、あろうことか わたくしに対してまでも、

「子供の人生は親のモノなんだから、子供には好き勝手させない方がいいぞ!」

と、トンチンカンな話を始めた次第でありました。

まぁ、わたくしの考え方とは180°異なりますので、社長様との仲違いが決定的となります前から、幼稚な人間だなぁ…と、重ねて軽侮の念を覚えたのでした。


わたくしは、親の役目が子供を立派に親離れさせる所にあると考えますので、社長夫人様の子育ては大成功であったのだと感じておりました。
(社長様ご自身は自宅から離れて働いておりましたので、さほど子育て教育には介入しておらず、おかげで子供の成長にとり大事な時期には社長様の影響を受けることが少なく ご夫人様の元で健やかに成長なされた結果なのだと感じます。)

社長様ご自身は教育に大して関わってもいないクセに、己れの思い通りにならぬ子供達に不満な態度を平然と示せる性格こそ、社長様の真骨頂であると感じます。

俗に云うところの、

「地球は自分を中心にして回る。」

と、頑なに信じているタイプのお方であります。


さて、
「人生とは」
なんなのでしょうかねぇ…

視点をどこに設けるかによりますが 現時点でのわたくしは、
「生」
を全うする行為にあるかと考えております。

社長様のように、己れ以外への寄生度の高い生物は自然界にも存在しますので、単純に良し悪しの判定は出来ませんね。

ただ『人生』となると

「人間が生きる」

と云う意味であると思いますから、人間としてどおなのか?

普段は大人(たいじん)を気取って偉そうに振る舞っているだけに、自分の欲望が膨らむと頭も口も抑制が効かなくなる辺りは、あさましい本性が現れてしまっていて、人間としてはねぇ…
と感じてしまう訳であります。

子供が親の思い通りとならぬのは、社長様ご自身の考え方に問題があるからなのでしょうが、若い頃から北極点にお立ちになられている身では ご自身が周りから軽蔑されている事実に気がつくよしもなし…

薄汚くボロ儲けした途端に税金対策ついでに新車をプレゼントしたって、子供の気持ちはなぁ~んにも変わりはしないのであります。
(神奈川県のマンション駐車場にミニバンは大き過ぎたようで、息子様ご夫婦は少々迷惑そうにしながら苦労して出し入れしていたそうです。しかしとってもイイ車を送り付けて満足げだった社長様のみ、そのことは知らされずに自分の気前の良さを各所に吹聴して歩く恥知らずなのであった…)

他人の気持ちを察することに疎い方は、ある意味本当の人間(傲慢さにおいて)らしいのかもしれませんけど…。


そうそう、最近気付いたことなんですけれど…。

社長様のご夫人様は、さる県庁所在地の駅前に御自宅を構える資産家でございます。

赤字続きの会社を長年に渡り支えていたのは、ご夫人様の資産でございました。
(実際、ご夫人様のご両親からの借入金で会社が回っていた時期が長かったのであります。)

つくづく、お金の回り方は不思議なモノだなぁ~と、お金に好かれる人間やお金に振り回されてしまう人間など、お金を好む好まずに関わらず決まっているんじゃないかしら?と、思ってしまいました。


わたくしはと言いますと…

ご縁が薄いようでございますなぁ…