社長様のネタも尽きたなぁ~と少々寂しい…などと勘違いを始めておりましたが、ふと思い出しました。
社長様が営業のプロフェッショナルであり、その卓越した技の一つが以前紹介しました
「トップダウン営業」
でありましたが、最近もう一つ社長様ご自慢の卓越した営業手法を思い出しましたので、ご紹介させて頂きます。
その営業手法、ひじょうにネーミングに悩みましたが強引に名付けてみました…
その名を
「買い付け営業」
と呼ばせて頂きます。
昨今流行っている、押し買いにも似てるような気もするのですがね…まぁさておいて…
社長様には「トモダチ」が沢山いらっしゃいます。
特に、社会的地位のある方と何かの会合で2~3分も話を交わせばもう「トモダチ」と呼ばせて頂き、己の人脈に加えて差し上げます。
「あ~◯◯社長ね、俺トモダチだから連絡とってやろうか?」みたいな案配ですね。
そんな「トモダチ」が会長をなさっております、従業員300名程で関東にも営業所を持つ会社が、好景気に沸き人手が足りないようだと聞きつけた社長様、「俺はあそこの会長とトモダチだからよぉ、今度行って来るわ。」と、溢れている仕事にありつこうと画策なさりました。
(とは言っても、本当はそこに下請けに入っている社長さんの紹介ですけどね。)
数日して「トモダチ」のおかげでその会社の役員様との面会が叶う運びとなり、わたくしもお供をさせられる羽目となりました。
面会当日は社長様にとっては「トモダチ」の会長様ですが、先方からすると会長様と知り合いかもしれない社長様に対して、部長様課長様係長様等々4~5名様にてお出迎え、そしてご丁寧な対応を頂き至極ご満悦の社長様でございました。
(相変わらず身の程知らずだなぁ~…お相手の部長様は部下が百人位居ますよ。一方の社長様の部下は社員2名パート従業員6名でございます。)
あっそうそう、社長様の「トモダチ」である会長様はご多忙のせいかお姿を拝む事はかないませんでした。
友達っぷり見たかったなぁ~。
さて、工場内を部長様直々にグルリと案内して頂き、正直「社長様の会社じゃ無理っしょ」と、云うレベルの高さは理解出来ました。
(わたくし含めですね。)
扱う装置が医療用の検査機器ですから、品質面において相当に厳しい事は想像に難くありません。
正直、すぐに手抜き指示をするクセがあるようないい加減な人間(社長様)には、到底お付き合い願える作業内容じゃありません。
まぁ社長様は目利きですから、己に実力が無い事も認識出来ず、何でも簡単に出来そうに話しております。
隙あらば
「あっこんなヤツ、以前やった事あったよなぁ!」
と、わたくしを巻き添えにしようとなさり…
わたくし…内心では…
「アンタの言ってる安い作業とは、品質レベルが天地程違うよ…」
と、思いつつも
「そうですねぇ。」
と、返す他無く…本当に見る目が無いんだなぁと辟易とさせられておりました。
しかし…さすがに自信を持って会話出来る作業が無いとは判っているようで取っ掛かりを見つけられずにいたのですが、工場内の通路沿いに置かれていた古臭い装置を見つけ、目をキラキラさせながらこう仰いました…
「この装置を売って下さい!」
お客様そしてわたくしも含め、その場に居た人間達は皆一様に両目をまぁるくしてしまいました…
現場担当の係長が少々焦りながら、
「この装置、ここが壊れていてまともに動きませんから!」
と、言いながら社長様の荒ぶる心を鎮めようと致しますが聞く耳持たず…
「かまいません、大丈夫です!治せますから、ぜひ売って下さい!」
と、意気揚々自信満々でおっしゃります…
さすがに部長様も即答は出来ずに、苦笑いしながら
「じゃあ上の者と相談してみますから。」
と、その場から離れるように促しております。
わたくしも、一目見て壊れているのは判りましたし、何より…ウチの会社にこんな装置(大量生産用)を使わなきゃならん仕事は入りませんよねぇ…しかも治すのは誰の仕事?と、思ったのですがね…。
脱線。
この打ち合わせから数ヶ月後、社長様の小さな会社にこの装置及び付属品が搬入されました。
工場内面積の20%程を占拠し堂々と鎮座なされました。
案の定、壊れた装置を直すのはわたくしの役目…
ホームセンターから適当に部品を見繕い、辛うじて動く程度には復活させましたが到底本来の作業に使えるレベルではありません、ただのパフォーマーとして来社したお客様にガタガタガタ…と動かしてお見せするだけの存在となり、そのまま何年か経過したのでした。
そんな彼に転機が訪れましたのは大震災でした。
大震災当日、彼は大きな揺れに合わせて右往左往…第3波の大きな揺れで壁にアタック!
その衝撃により、面した窓の鍵が全て引き千切られ窓が開き、柱の上下部分の壁及び床面にはひび割れが生じ…会社の建屋は崩壊寸前となりました…
社長様の怒りに触れた彼は、それから程なくしてスクラップ業者に手荒にぶっ壊されつつ工場を去っていったのでありました。
ドナドナド~ナ~ド~ナ~♪…
本題に戻ります。
社長様、何とか足掛かりを見つけて会社に戻る道すがら…潰れた鼻を高くしながらご自慢なさります…
「あの装置を買えば、仕事が来るようになってんだよ。ハハハ、仕事を取るってのはそういうもんなんだよ。」
と、自らの営業活動が成功し大層ご満悦になり会社へと戻るのでした。
さて、まだまだ話は続くのですが、本日はこれまで…
あしからず…
社長様が営業のプロフェッショナルであり、その卓越した技の一つが以前紹介しました
「トップダウン営業」
でありましたが、最近もう一つ社長様ご自慢の卓越した営業手法を思い出しましたので、ご紹介させて頂きます。
その営業手法、ひじょうにネーミングに悩みましたが強引に名付けてみました…
その名を
「買い付け営業」
と呼ばせて頂きます。
昨今流行っている、押し買いにも似てるような気もするのですがね…まぁさておいて…
社長様には「トモダチ」が沢山いらっしゃいます。
特に、社会的地位のある方と何かの会合で2~3分も話を交わせばもう「トモダチ」と呼ばせて頂き、己の人脈に加えて差し上げます。
「あ~◯◯社長ね、俺トモダチだから連絡とってやろうか?」みたいな案配ですね。
そんな「トモダチ」が会長をなさっております、従業員300名程で関東にも営業所を持つ会社が、好景気に沸き人手が足りないようだと聞きつけた社長様、「俺はあそこの会長とトモダチだからよぉ、今度行って来るわ。」と、溢れている仕事にありつこうと画策なさりました。
(とは言っても、本当はそこに下請けに入っている社長さんの紹介ですけどね。)
数日して「トモダチ」のおかげでその会社の役員様との面会が叶う運びとなり、わたくしもお供をさせられる羽目となりました。
面会当日は社長様にとっては「トモダチ」の会長様ですが、先方からすると会長様と知り合いかもしれない社長様に対して、部長様課長様係長様等々4~5名様にてお出迎え、そしてご丁寧な対応を頂き至極ご満悦の社長様でございました。
(相変わらず身の程知らずだなぁ~…お相手の部長様は部下が百人位居ますよ。一方の社長様の部下は社員2名パート従業員6名でございます。)
あっそうそう、社長様の「トモダチ」である会長様はご多忙のせいかお姿を拝む事はかないませんでした。
友達っぷり見たかったなぁ~。
さて、工場内を部長様直々にグルリと案内して頂き、正直「社長様の会社じゃ無理っしょ」と、云うレベルの高さは理解出来ました。
(わたくし含めですね。)
扱う装置が医療用の検査機器ですから、品質面において相当に厳しい事は想像に難くありません。
正直、すぐに手抜き指示をするクセがあるようないい加減な人間(社長様)には、到底お付き合い願える作業内容じゃありません。
まぁ社長様は目利きですから、己に実力が無い事も認識出来ず、何でも簡単に出来そうに話しております。
隙あらば
「あっこんなヤツ、以前やった事あったよなぁ!」
と、わたくしを巻き添えにしようとなさり…
わたくし…内心では…
「アンタの言ってる安い作業とは、品質レベルが天地程違うよ…」
と、思いつつも
「そうですねぇ。」
と、返す他無く…本当に見る目が無いんだなぁと辟易とさせられておりました。
しかし…さすがに自信を持って会話出来る作業が無いとは判っているようで取っ掛かりを見つけられずにいたのですが、工場内の通路沿いに置かれていた古臭い装置を見つけ、目をキラキラさせながらこう仰いました…
「この装置を売って下さい!」
お客様そしてわたくしも含め、その場に居た人間達は皆一様に両目をまぁるくしてしまいました…
現場担当の係長が少々焦りながら、
「この装置、ここが壊れていてまともに動きませんから!」
と、言いながら社長様の荒ぶる心を鎮めようと致しますが聞く耳持たず…
「かまいません、大丈夫です!治せますから、ぜひ売って下さい!」
と、意気揚々自信満々でおっしゃります…
さすがに部長様も即答は出来ずに、苦笑いしながら
「じゃあ上の者と相談してみますから。」
と、その場から離れるように促しております。
わたくしも、一目見て壊れているのは判りましたし、何より…ウチの会社にこんな装置(大量生産用)を使わなきゃならん仕事は入りませんよねぇ…しかも治すのは誰の仕事?と、思ったのですがね…。
脱線。
この打ち合わせから数ヶ月後、社長様の小さな会社にこの装置及び付属品が搬入されました。
工場内面積の20%程を占拠し堂々と鎮座なされました。
案の定、壊れた装置を直すのはわたくしの役目…
ホームセンターから適当に部品を見繕い、辛うじて動く程度には復活させましたが到底本来の作業に使えるレベルではありません、ただのパフォーマーとして来社したお客様にガタガタガタ…と動かしてお見せするだけの存在となり、そのまま何年か経過したのでした。
そんな彼に転機が訪れましたのは大震災でした。
大震災当日、彼は大きな揺れに合わせて右往左往…第3波の大きな揺れで壁にアタック!
その衝撃により、面した窓の鍵が全て引き千切られ窓が開き、柱の上下部分の壁及び床面にはひび割れが生じ…会社の建屋は崩壊寸前となりました…
社長様の怒りに触れた彼は、それから程なくしてスクラップ業者に手荒にぶっ壊されつつ工場を去っていったのでありました。
ドナドナド~ナ~ド~ナ~♪…
本題に戻ります。
社長様、何とか足掛かりを見つけて会社に戻る道すがら…潰れた鼻を高くしながらご自慢なさります…
「あの装置を買えば、仕事が来るようになってんだよ。ハハハ、仕事を取るってのはそういうもんなんだよ。」
と、自らの営業活動が成功し大層ご満悦になり会社へと戻るのでした。
さて、まだまだ話は続くのですが、本日はこれまで…
あしからず…