社長様、かく語り記

東北のとある社長の名言・行動から、人としてあるべき姿を探していきたいと思います。

金融機関

2013-07-26 17:05:32 | 日記
今回は金融機関とのお付き合いの話となります。


社長様がこの地に創業以来、長年に渡ってお取り引きして頂いてきたのは市内の信用金庫でございました。

信用金庫が年に何度か開催します親睦会には参加することもなく、借り入れと返済及び給与の振り込み以外は特段お付き合いはございません。

何故親睦会に参加しない訳?

それは…自称 都会出身である社長様が、社長様に対して偉そうに振る舞いやがる金貸し&田舎もんの経営者達と、到底 親睦なんぞ出来るワケがないからでございます。

さて、以前本ブログ「儲け過ぎにはご用心!」において描きました、社長様の会社が好景気で賑わっていた頃に こんな自慢話を社長様より聞かされたのでした。
(わたくしや仕事に全く関係ない話をしたがる場合、大抵ご自慢話であります。)

社長様
「信金の今度の支店長が気分悪いヤツでよ、年度の事業計画を何回も出し直しさせやがって『今季黒字化しない場合は融資打ち切りもある。』なんて言いやがってよ。」

と、ご自身のこれまでの業績を顧みれば当たり前の話にも関わらず、ご融資を頂いているご恩すら忘れてしまい、新しく着任された支店長が事実をズバズバと指摘してくることが気に入らずに散々悪態をついております。

しかし、天下の社長様がこんな悔しい話だけで終わる訳などありません。

当然 自慢話に入る為の前置きでございます。

社長様
「でもよぉ、こないだ最近の業績を見せつけてやったら驚いて頭下げやがってよ、スカッとしたぜ。」

と、ご自身がたまたま時流に乗れている事実には気付かずに、全て己れの実力とお考えでございます。

見つけた甘い蜜をそれまで世話になった他の会社にすらビタ一文 分けることなく独り占めし、結果的に 客先の工場を一つ閉鎖に追い込む程にボロ儲けした汚い大金を手にして、大経営者となられた余裕を見せつけておられます。


脱線

社長様に大金をもたらした会社は国内はおろか、海外工場もあります東証1部上場企業でございました。

社長様がお取り引きなさっていた工場は品質が良いモノの外注費が掛かり過ぎとの懸念があったようで、社長様の工場にも監査を入れてきたのでした。

まぁ見る人が見れば、社長様の見積りが適価かどうかはわかります。
わたくしが作りました作業見積りの4倍以上の金額で請求をなさっておりましたから儲かって当たり前、これに気が付かなきゃ大馬鹿野郎でございます。

こうして、社長様の泡銭は監査を受けた2ヶ月後には消えて無くなったのでありました…
まさにバブル…

脱線復旧


まぁそもそも社長様は開業以来 常に自転車(折畳みくらいね)を漕ぐようにして会社を運営してまいりましたから、泡銭を手にして正常な判断力を喪失しても何ら不思議ではありません。


しかしわたくしが驚きましたのは業界の耳の早さです。

夕方いつもように社長様が4時に帰宅した後、近隣の地銀ではナンバー2の銀行が社長様の好景気の噂を聞きつけたようで電話を入れてきたのです。
(まぁ社長様が各所でご自慢なさっている姿は想像に難くありませんから当然か…)


電話がありました翌日には早速 地銀の銀行マン2名が訪ねてきたのでした。

好業績で鼻が高くなっている社長様はホクホク顔でお取り引きを始めたようでした。
(これまでは取り引きしたくとも相手にもされずにきた銀行様が、己れの下僕のように恭しく振舞っているのですから当たり前です。)

会社の景気が良くなるや、新たに付き合いを始めた自動車ディーラーや地方銀行の営業マンが度々手土産を持参して訪れるようになりましたから、日々ご機嫌でございました。


しかし…そんな好景気も社長様の実力を表すかのように長続きせず…

それまでは交互に日参するかの勢いであった営業の方々も姿を現す機会が減り、栄枯盛衰を味わう社長様なのでございました。
(枯枯枯盛衰衰衰…くらいの表現の方がピッタリ合うかも。)


一瞬とは言え足蹴にしておりました信用金庫がメインバンクに返り咲き、再びご夫人様の資産に頼った経営に逆戻りの日々となった社長様ですが、わたくしとしては おかげさまで大変良い勉強をさせて頂きました。

時流に乗り調子良く回っている時ほど、己に自惚れることなく精進する姿勢が肝要でありますね。

流れに乗って天狗になった人間の周りには、お裾分けに預かりたいケダモノたちが集まり、食べる所が無くなればすぐに去って行きます。

昔馴染みの人間は天狗から離れてしまっていますから、再び関係を構築するには恥を忍んで頭を下げる他ないのですね。

まぁ面の皮が厚く「厚顔無恥」を地でいく社長様には、んなことは関係ないのでありますけどね。

トモダチに電話する社長様…
「いよぉ久しぶり、景気はどお?何かいい話しない?今からそっちに行っていいかな?」
と、鶏並みの記憶力を発揮しての電話攻勢が再開されるのでした…
(鶏は三歩歩くと忘れるそうですが、餌場は忘れませんからね。)

そうそう忘れておりましたが、社長様にとっての最大の金融機関は奥様でございました。

そのおかげで、信用金庫ごときは足蹴に出来る訳でございます。

人間、才能よりも運が大事なんですね~


買付営業 後編(全三話③)

2013-07-12 17:14:24 | 日記
続きです

さて、いくら「トモダチ」とはいえ無礼極まりないメールを、まあまあ大きい会社の会長様に送りつけた社長様です。

わたくしとしては…
ビジネス目線で見れば明らかにおかしくね?
どおなのよ?

と、思うのですがいかがなモノなのでしょう…。
どなたかご教授頂けますれば幸いです。

まぁこの様な話ですら自慢気に語れてしまう社長様でございます。

そんな自慢話を聞かされた日の夕方…

早速「トモダチ」の会社から電話が入りました。

お客様
「◯◯の常務の◯◯と言いますが社長様居ますか?」

わたくし
「大変申し訳ありません、只今外出中で そのまま直帰となりそうです。」
(と、毎度ウソをつく…社長様は午後4時が定時です。)

お客様
「そうですか、じゃあ協力願いたい件で打ち合わせをしたいので、わたくし常務の◯◯まで連絡を下さいと伝えて頂けますか。」

と、タコが小躍りしそうな お話しですが続きがありました。

◯◯常務様
「それから…くれぐれも会長には直接連絡を入れないで、わたくしに連絡を入れるように念を押しておいて下さい。ではよろしく」
(恐らく会長様から叱責されたのだろう…と、推察出来る口調でございました。)

と、社長様に対して暗に
「アンタ如きがウチの会長の手を煩わせないでくれます?」
とのご注意を賜りました。
(まぁKYな社長様からすれば「トモダチ」に連絡していけないわけ?となりますけど…)

ちなみに…
この連絡をくれました常務様は会長様の孫婿でありまして、若くして後継候補の一人となった才人の切れ者でございます。

ここの会社は役員様が同姓の方ばかりなので、役職で区別を付けなきゃいけません、要注意です。


数日経ち…社長様の会社まで、わざわざ◯◯常務様が部下の課長をお供に連れお越しになられました。

打合せの内容
「急ぎで医療機器の製造部門へ人員を応援に出してくれない?何人出せる?」

この時すでに12月の半ばを過ぎておりましたが、お客様のご要望は
「12月21日から従業員総出で応援に来てくれ。」
との、まぁキッツイなぁ~と云うお話しでありました。

社長様から、これに対する意見を求められましたので進言。

わたくし
「まず、現時点で抱えている作業が終わらないので、先方の希望通りの派遣は無理」

上策
年を越して、1月の第2週頭から派遣する。
(自分含み)

中策
年を越して、1月4日から派遣する。

下策
先方の意向に配慮し、現在抱えている作業が完了後、年内稼働日は残り2日となるが27日から派遣する。

結果、下策をご採用頂きました。
(当たり前過ぎ…聞くなよ…まぁアイツも同意したよと云う逃げ道の既成事実が欲しかっただけです。)


しかも身勝手な条件、

「男性従業員(わたくし)は、社内の仕事が入った場合は社に戻る。」

をお客様に伝えそうで、わたくしには、

「社内が忙しい時は、お前は戻っていいと約束したから。」

とのご指示でございました。
(結局、この辺の口約束がわたくしが社長様から離れた理由です。客先の現場ではそんな約束なんて誰も知りませんし、そんな身勝手は派遣された人間に通用しませんよ。おバカちゃん。)


公私共々荒れた年末年始が確定…
(今の時代、お客様の言いなりになってばかりでは良くありません、特に初めに主張があるよと云う姿勢を示しておく事は肝要であると考えます。)

赴く直前となり、おもむろに先方に提出するスキルマップ(完成品)をわたくしに突き出し、

社長様
「これでいいと思うか?」

と、一見して無理な内容を平気で客先に提出しようとなさる無神経さ…。

「明らかに無理でしょ?」

「装置組立なんて わたくし以外は誰にも出来ないの見て判りません?」

「従業員総出で工場見学しましたよね?」

「アンタ馬鹿?」

と、通常の上司には冗談混じりで指摘しますが、社長様に冗談なぞ通用しませんし、すでに無駄な事を伝える気力は残されておりませんでした。

ふぅ…金稼ぎ以外の判断能力は皆無のようです…。

もうどうでも良かったので、何も言いませんでした。

この後の展開は、本ブログ中「決別のため」の辞めるに至った理由でご紹介した通りとなります。

共に派遣された中の一名は、客先より「スキルマップと全然違うね。」と言われつつ…不要と言われて涙ながらに戻されてしまい…。

社内に居た、入社して2週間の新人が入れ替わりで客先へ出向き、居心地が良くなってそのまま派遣先へと転職なされたり…。

まぁ当たり前です、社長様の工場を見た後で、地方としてはご立派な会社…歳の近い若者と仲良くなったりと楽しそうに働いてましたから。

今更、汚くて小さな会社に戻りたい訳ありません。
(社長様が汚くて小さい人間だと云う意味ではありません…と、否定出来ない…)

彼女の転職が決まる際、ここでも社長様は口汚く罵る事は忘れません。
「恩知らずだ!」(何の?)
「迷惑かけやがって!」
(手間が掛かったのは事務員さんだけです)
などなど、自分の身勝手で入社したての若者を雇用条件にも無いのに他所へ派遣した事はさておいて、彼女や派遣先の役職者達を罵ります。
(汚い言葉の全てが自分に跳ね返っているとも気付かずに…)


まぁそんな騒動もあったのですが、常務様のご温情によりパソコン周辺機器の製造ライン導入を社長様へ優先して打診してくれました。

男性従業員(フルタイム勤務)が10名程度必要となる工数の作業でしたので、望外の作業ボリュームでございます。


しかし社長様はアッサリ…

「ウチには合わないから」と、断りました。
(ウチじゃなくて、自分には判らないからでしょ?)

…………………仕事をくれくれと、言ってたクセに………………


常務様…
「何なんだ、あのオヤジはよ~散々仕事よこせってしつこいから回してやろうとしたら、出来ないやりたくないだとよ。あのハゲおやじ、バカじゃねぇの?」

と、客先の工場内各所で文句を言い散らしご立腹だったようで、わたくしの耳にも入る事態となりました。
(この件を社長様夫人にそれとなくお伝えしたところ、わたくしは大嘘つきと認定されました。ヤッタ~)


さて、ようやく結末。

社長様の「買付営業」に始まった お取引ですが、案の定 社長様の人間性を客先で晒し、会社の信頼を得る足掛かりも構築出来ずに終わりました。
(わたくしはご信頼を頂けたようで、装置の開発作業&客先の顧客との立会い作業にも関わらせてもらいました。ある意味、良い体験となりました。)


社長様 曰わく…

「アイツもコイツも嘘ばっかりで信用なんて出来ねぇな。」
(わたくし含み)

と、なりますが社長様ご自身が、取引先各社の末端に至るまで軽侮の念を持って見られている事には全く気付きもせず、平気で客先の工場内をズカズカと意味も無く歩き回るのでした。
(しかし、社長様は「遠慮」と云う心をお持ちなのだろうか、図々し過ぎるんだよな~)


何故ならば、

人間=社会的地位

であり、

社会的地位のない者=ゴミ

であるからです。

ゴミが何と見ようが、そんなの関係ねぇ~。

ん~素晴らしい!ご立派!
(見る目の無い人間は、社会的地位やお金に固執します、真似をすると人生の苦しみが増すだけですから、皆様におかれましては重々ご注意下さいませ

ようやく終わりをむかえました。
最後まで下らない内容をグダグダと…大変失礼致しました…

買付営業 中編(全三話②)

2013-07-05 17:24:33 | 日記
下らない話ですが続きます。

さて、社長様ご自慢の
「買付営業」
の成果報告でございます。

前回チョイと触れましたが、社長様の狙い通り自動化装置を20万円程でお譲り頂く事が決まりました。
(輸送費用は当然ながら社長様負担です)

狙いがズバリと決まった社長様、得意満面ドヤ顔でわたくしに語り聞かせてくれました。

「なぁ判っただろ、仕事ってのはなぁこうやって取ってくるもんなんだよ!」

お前も少しは見習いやがれ!的な感じですけど、まだ判りません…と、言うかまともな取り引きに発展するハズはありません。

そもそも社長様が求めるのはパートさん6名を満たす程度のボリューム、一方お客様が求めているのはユニットの組み立てが出来てフルタイムで働ける人間でしたから、この時点ですらお互いが求める作業には大きな乖離が生じていたのです。

社長様の工場を視察すれば、どのような作業が可能か?
期待されている作業が可能なのか、簡単にバレるレベルです。

ドライバーとペンチで何を作んの?って事です。

会社に存在する特殊な工具は全てわたくしの私物でございました。
(この際の工場視察に合わせて焦って貼り出したのが、本ブログ中「品質管理体制」にて紹介したポスターでございます。そもそもA3コピー用紙にエクセルで文字を並べただけの文書をポスターと呼んで良いのか?甚だ疑問ですが…)


さて、装置を移送する当日は前途を祝するが如く強い雨降りとなりました。

お客様の工場建屋の二階より幅1.5m長サ6mもある装置をドデカいクレーン車を使って降ろし、他には直径60㎝長サ5mはある塩ビパイプ(装置の煙排出用で内側は汚れが凄い…)など、予想外に大量の設備をトレーラーへと積み込んでいきます。

あのぉ…それいらない…

と、わたくしは思いましたし、想定外の付加設備の多さに社長様も少々苦い顔をしておりましたが、ここまでくるとねぇ…

お客様にすれば、動きもせず場所を取る邪魔な装置、本来ならば処分料が掛かる所を買い取りたいと言う奇特な人間が現れたのですから、ここぞとばかりに不用品を積み込んでいるようにも見受けられます。

想像以上に膨らんだ設備一式を積んだトレーラーは、社長様の小さな会社に到着~♬

雨で緩んだ地盤にトレーラーが横転せぬよう補強を入れたり、工場内に雨の滴が垂れたりと余計な苦労をかなりしましたが、無事に搬入が済みました。


さて、それから数日後には社長様の言う通りお客様から仕事が入りました。

総額で20万円位の簡単な仕事でしたね。
(客先の現場担当者達が「後やらせるの無いっすヨ」とボヤいている声が聞こえて参ります…)
天晴れ社長様!お見事でございました!

が、その後はスッカリ梨のつぶてでございました。

苛ついた社長様は、世話を焼いてくれた部長様に度々連絡を入れるのですが、そのうちに部署が変わったとかで連絡がつかなくなり、パタリと進展がなくなりました。
(ナハハ、あっさり逃げられた~)

装置一式約20万円
輸送費用約25万円
総額で約45万円掛けて、
回収金額約20万円

確かに購入費用のみは回収出来ましたね~。

しかし輸送費が…

これでは社長様も面白かろうハズも無く、散々「トモダチ」の会社を毒づいておりました。

しかし、輸送費の事なんざ「トモダチ」の知ったこっちゃありません。

書き忘れておりましたが、わたくし…この「トモダチ」の会社は以前から取引先に対してどのような要求をしてくるのか存じ上げておりました。

田舎にありながらQCDに求められる水準がなかなか高く、下請けにも当然同様のレベルを要求致します。

なので、わたくしは取引開始前から社長様を散々お諫めしていたのです。

しかしハッキリと、

「アンタ如きが取り引き出来るような品質レベルじゃないんですけどね~」

とでも言わない限りは、耳なし阿呆市の社長様のお心には届く訳はありません。

ですからこの結果に特段驚きは無く、さもありなん…と云う感想でした。


さて…それから何事もなく5年程が経過し、社長様の会社が危機的状況に追い込まれて再び社長様が動きました。

例の「トモダチ」である会長様へ、直接この様なメールを送り付けました。

社長様
「数年前にお宅から装置を50万円位掛けて仕入れたけど、その後サッパリ仕事がこないんだけどさぁどおなってんの?」
(文面は勝手な想像ですが、大体こんな物言いの人間です。)

下らない話ですが、もう少しかかりそうなので、再び続く…