社長様、かく語り記

東北のとある社長の名言・行動から、人としてあるべき姿を探していきたいと思います。

怪獣育成のコツ 後編の完結(全四話④)

2013-09-20 16:43:25 | 日記

さて、長々と続けてしまいましたが、今回こそは社長様の怪獣育成のコツが那辺にあるのか迫ってみたい…
さて、どこなのかな~?


では、必須であろう素養より…

その一
「この世で一番偉いのは自分。」

この自負、これを隠さぬ事。

その為の日課として、
「事あらば他人の批判」
を吐き出して、その姿を部下の面々に見せつける。

するってぇと、従業員一同もこれが当たり前となり、頭がおかしいのは相手(お客様?…)であると云う感じに洗脳が完了、これが社風となります。

ま、社長様にとっては、これを真似た下僕達が社長様に逆らうようになるのは想定外で~す
弱過ぎ~…

しかし、世の中には意味なく威張り口調で虚勢を張りたがる「えばりんぼう」な方々が、呆れる位に沢山いらっしゃいますね~。

大別すると2種類位かな?

①物事を理解した上で、周りの動きの遅さに対してイライラしてしまうお方…
もしくは私がやらねば!的な人間で、ツイツイ厳しい口調となり、まぁ良く言えば勘違いされてしまうような能力の高いお方。

②物事を理解出来ないからこそ、己の能力が低レベルである事にすら気付かずに、
「物事は長くやってる人間が偉い」
とばかりに、全く論拠の無いトコにすがりついて威張り口調で話すヤツ。

町内会に進んで入ってるような体育会系に多いかな~と、勝手な憶測…

特徴
あわよくば、人を呼び捨てにしたがり、立場的に上に立つ機会を伺っている。
一度呼び捨てが始まると、ドンドン高圧的に変身するので、要注意

偉そうな上司には、なんら恥じる事なく媚びまくり、その腹いせ?と思われる程に部下に当たり散らす…

まぁ、わたくしはこのような方々がすこぶる苦手なので、関わらないように心掛けております。

向こうもわたくしが発するオーラを感じ取り、近寄ってきません

大人になったら年下にでも敬称を忘れないようにしよう!

年下と判った途端に呼び捨てする様な下らない人間にはなりませぬように



その二
「自分の過ちは認めない。」

本ブログでも度々ご紹介しましたが、この行為は外せません。

良く言う所の、
「言った言わないの議論」
なんぞ不毛で不要な訳であります。

人間であれば自らが「過ち」をおかした…と気付けば、同じ行為を繰り返さぬように工夫をするものです。

しかし「怪獣」は過ちを犯す以前に、
「いかにして責任を回避するか?」
と云う、難題を察知する嗅覚が人間より長けております。

ですから結局は、全ての責任を他人に転嫁する事に注力致します。
(何故、嫁の字を当てるんだろう…?)

その様な訳で、改めるべき
「過ち」
なんぞはこの世に存在しないのであります。

そもそも「怪獣」は、脳内に自分の発言を記憶する領域を確保しておりませんから、その度に都合良く意見を変えても恥じる事も出来ません。

ですから、「過ち」に気付かない、ここは間違いありません!

なんで傍観して…観察するのは面白くもあります。

さて、この辺りも部下はシッカリと見ており、あわよくば見習う機会を伺っておりますよ~


その三
「自分の無能さを自覚しない。」

これも重要な能力です。

わたくしがこれまでに接してきた「怪獣」たる方々は、薄々…
「自分って仕事出来ないのか?…」
と、たまに動揺している素振りが見られました。

しかし、そこを相手に気取られてはなるまいとばかりに、立場が危うくなる前に居丈高な態度に豹変…ガオ~
若しくは突っ込まれる前に面倒を他人に押し付けてしまい、気付かれないように強硬な態度をとりますガオ~

この辺の間の取り方や空気を読み取る才能は、卓越していると感心します。
(わたくしは構わず返り討ちにしますので、良く嫌われます。)

この辺に至りますと、「怪獣」同志が互いにけなし合う光景も見られまして、内ゲバの様相を呈してまいります。

ん~おもせ~


その四
「自分の感性を大切に」

相手の気持ちを慮る事はありません。

自分の感性が第一です。

自分が
「嫌だな…やりたくねぇ…」
と、感じるモノは全て他人に預けます。

そして、そこに付随する責任も一緒に預けちゃいます。

「怪獣」達にとって、「責任」こそが一番関わりたくない部分だからであります。
(簡単に言えば、無責任なんすね~

そんな社長様を皆が見習い始め、嫌な作業は新人任せ、責任も新人任せの社内体制が堅牢に構築されてまいります。

わたくしのように出来た人間は、相手に申し訳なくて、なかなか預ける事が出来ません…
(なんちゃってナハナハ…

また、自分のつまらぬ価値観を他人に押し付けるので、自然体のままで頑張る人間からモチベーションを奪い去ります。

クタクタになり、
「自分頑張ったな~!」
なぁ~んて、本人が浸っている所へわざわざ近寄り…

社長様
「何やってんだそれ?」

と、聞き…内容はろくに聞かずに知ったかぶりをかまし…
「そんな事はやらなくていい」
「あぁ簡単だよな、そんなの」

と、他人が苦労の末に到達した事柄に対して、自分なら簡単に出来るよアピールをなさるので、より大きな脱力感を堪能する事となります。

「あんなヤツの為に頑張るのは止めよう…」

と、その都度 思わされる訳ですが、わたくしみたいな善人は懲りずに頑張ってしまう訳ですね~
(ジョウダンデスヨ…


そろそろ、まとめに…

仕事をやっていて…
大変だなぁ… 嫌だなぁ…
と感じるのには何らかの理由がある訳で、手を出さない口先人間がそれを理解もせずに否定するのは、信用を失うのみです。

日々の言葉のやり取りの中に思いやりの気持ちが介在しない場合、慣れが生じるていくに従って、互いの我をぶつけ合う事態へ発展し、悪い面での本音の応酬そして関係性の悪化へと進んでしまいます。

安い人間が立場だけ偉くなった場合、部下への理解や尊重など微塵もありませんから、当然 部下から尊敬や信頼の対象とされる事もありません。
(小男は、その辺りがまた悔しい

そうそう社長様の中で、
「思いやり=お金」
である事を思い出しました。

「この位の金を払っているんだから、やって当たり前!」
「給料を払ってやってるのに生意気だ!」
と、ウッカリ本音を吐きますが、このお金至上主義にならざる得ない教養の無さ加減も、社長様の人間性が如何程なのかと云う
「安さの証明」
へと繋がります。
(角川映画に売り込もうかしらん?)


さて、ここまでネチネチと書き連ねてきて、ようやく「怪獣」育成の要諦に触れたような感覚が感じられました。

「怪獣」と呼ぶに相応しい方々は、人間が集団で社会活動を送るに当たり必要とする「理性」「配慮」が欠落するに至り、己の本能の赴くままに行動している存在であるかと考えます。


立派な「怪獣」を育成するには、

普通の人間に対して己の理不尽なる要求をぶつけ、また そのような行為を周囲に見せつけて、人間の心の中に「小鬼」を住まわせます。

そうならば、しめたモノ…更に手綱を緩める事なく、心に住み着いた「小鬼」を真の「鬼」への覚醒へと導いていくのだと感じました。

『疑心暗鬼を生ずる』
なんてぇ諺がありますが、心の内に生じた「鬼」ほど手強くなかなか退治出来ないモノはないのではなかろうか。

皆様におかれましては「鬼」をてなづけて仲良くなさり、くれぐれも「怪獣」とはならずに 人間であり続ける事をお勧め致します。

今の世の中は各所に、
「モンスターなんちゃら」
なんてぇのが出現致しておりますが、あの方々の姿を丑三つ時に見ますれば、額から角が突き出て口が耳元まで裂け上がっている事でしょう。

特に、妬み嫉みから生まれた「鬼」は最終的に、住み着いた人間を喰らい尽くしますよ~…

オソロシヤ…

こんな粗末な終わり方で良いのだろうか…

怪獣育成のコツ 後編の序…(全四話③)

2013-09-13 17:03:22 | 日記
色々書いているウチに、
「怪獣」とは育成された方の生き写しであるようにも思えてまいりました…

結局「怪獣」へと変貌を遂げてしまう方と云うのは、親や先輩・上司のやり方に憧れて真似ているのでしょうかねぇ~

わたくし如きは「怪獣」育成エリートコースから脱落したのでありんす…

まいっか



今回は社長様の作業指導の実例を紹介しつつ、コツの検証まで行なえたらいいなぁと思っていますが、自信無し…


実例その1
『検査機器での抵抗値測定作業』

その作業は10年以上工場内で使用されている製造機器の端子接触面の導通試験でありました。

しかし測定部位には汚れが堆積し…抵抗値を正しい値で計測する為にはテスターが計測中ずっと右腕で太めの万年筆みたいな測定子を握りしめながら上から押さえ付けておく必要がありました。
(左手は絶えずテスターの操作をします。)

測定時間は、おおよそ20秒×40回で一台完了、これが100台位あります。

汚れが酷くて接触が特に悪いモノでは男性従業員でも汗をかき、手首痛&肘痛が起きる作業でしたので、正直 皆がやりたがらない作業でした。
(わたくしの右腕には今でも小指から中指まで痺れが残っています。)

ですが、社長様から見るとごく単純作業でありますので、
「お前がやらずに女性従業員にやらせろ!」
と、度々命ぜられておりました。

それでも上記の理由から、わたくしは
「女性のパート従業員に任せてしまう事は体力的に無理です。」
と、難色を示し続けました。

ある日、業を煮やした社長様が現場に乗り込んできて、わたくしから作業を奪い取って検査作業を始めて見せてくれました。

そして次のようなお言葉を頂戴したのでした…
(太めの万年筆的な測定子の上に1kgの重しを乗せて見せながら…)

「ほら見ろっ!こうすれば、腕に力を入れなくていいぞ!」

と、とても素晴らしい作業方法を思い付き、鼻の穴を膨らまして喜んでいます。

わたくしの心の中の声
「じゃあ それ一日中やってみてから再度言って下さ~い。

1kgある万年筆を1時間に100回位 上げ下げしますので、1日だと600回以上も上げ下げする事になります。

また、検査中は測定子を微妙に前後左右へと傾けて、常に測定箇所が良好な接触状態を保つ必要があるのです。

重しがあると微妙な傾けが困難…と云うか、押し付けつつ傾ける余計な力が必要となりました。

上から10㎏程度の静荷重をかけたとしても、全面接触は不可能な状態なのです。

検査対象が新品の場合、上から軽く押さえるだけで検査が可能ですので、汚れによる接触不良である事は確実です。

この辺も社長様には何度も説明しましたが、「豚に説法」全く聞く耳はございません。

更に…この重しを倒してしまえば、製品自体を破壊する事が可能です。
【製品検査と称し、破壊に及ぶ…】
このような馬鹿げた行為はありえませんから、一考の余地もございません。
(まぁ自分で破壊して、客先から修理費用をせしめて喜ぶ輩ですから問題ないか…)

普通であれば、即座に却下なんですが、自信満々意気揚々とされている社長様に対しては「そうですね」と、返す事しか出来ません。

もし駄目出しすれば、
「お前は反抗的だ!部下は上司の言葉に逆らうな!」
と、馬鹿上司が困った時に発する言葉を浴びせられるのが目に見えております、面倒臭い人間であります…。

まぁこんな阿保な作業を継続して行えば、手首と肘に腱鞘炎を生じてしまい再起不能となる事は確実ですから、こんな愚策なんぞ試す必要もなく、誰にもやらせはしませんでした。

阿保老人の戯言に付き合ってる暇などございません。


しかしその後、社長様のご指名で有能なるパートさんを検査作業へ投入する事が決まり、経緯を話した上で担当してもらいました。
(案の定…とても嫌なお顔をなされておりました…

その後、何度か汗ダクになりつつ頑張って頂いたのですが、
「なぜパートで私だけこんな大変な作業をしなければならぬのか?…」
と、退職してしまいました。

頭と手先がとても器用な方だったので、わたくしは残念でなりませんでした…
ヤッパリね…

度々書いてきた事ですが、同じ待遇の従業員に不公平感を与えてはいけません。

つまらない反抗心を招くだけですから、まぁ周りも認めるようなツライ作業をさせるならば、技能手当てを支給すべきでしたね~おバカちゃん


どんなに簡単な作業でも、1日や2日体験しただけでは何も見えません。

まして、営業上がりのお偉いさん方の
「作業なんざ簡単なもんじゃねぇか!」
と、云う思い込みの強い方々には、どの様な説明方法を駆使してもご理解は頂けませんので要注意ですね。

単純作業ほど奥底の闇は深いモノと心得置き願います…

そんな社長様には、パソコンのマウスに1㎏の重しを乗せてネットサーフィンする事をお勧め致しましょう。
(ネットサーフィン←死語?)


実例そ2
『金属の焼き付き汚れ除去の作業』

このユニットは汚れ部分へのアクセススペースが狭く、直径が2cmに満たない金属ブラシを電動回転工具に取り付けての磨き作業でした。

ブラシの線径がφ0.1㎜だったので、作業中に切れて飛んできては作業服に刺さり、動く度にチクチクします…

ステンレス線なのでかなり痛くて、それが1日に数本刺さりました…

作業後に、作業服を脱いでピンセットで抜き取るのですが、全部は発見出来ず日々チクチクが増えていきました。
(日々遠慮なくチクチクとくるので、ひと月も続くと気が滅入りました…)

そんなある日、この作業をたったの1日体験なさった社長様が、こう一言。

「まぁ痛いのなんか我慢すりゃ済むからな!」

さすが!
面倒な事には手を出さずに、他人の作業にケチばかりつけているガサツな人間は言う事が違います。

毎日の繰り返し作業の大変さを知らない無責任な発言は、従業員からの信頼を失うどころか軽蔑の対象となっていきます。

嘘でもこの様に言うべきではなかろうか?

「辛い作業で申し訳ないな、俺も考えておくから何か良い方法考えておいてくれ。
必要な工具は購入していいから。」

嘘でもこのように言うだけで、社長様のご慈悲に触れて涙し、明日も頑張ろうなんて気になり、仮に社長様が何も考え付かなくとも、最低限 嫌われる所まではいかないんですがね~。
(まぁいつもこうだと狼少年か…)


この件は、さすがにウンザリしてしまい作業方法をガラリと変えて無事に解決したのですが、とても男性的な作業方法となり、わたくし以外の方には指導すら出来なくなってしまったので、まぁなんともイマイチな結果となったのでした…

ま、しょうがねっか

さて…まとめのないまま長くなってしまったので、今回はこれにて失礼致します…