社長様、かく語り記

東北のとある社長の名言・行動から、人としてあるべき姿を探していきたいと思います。

怪獣育成のコツ 中編(全四話②)

2013-08-24 18:11:53 | 日記
今回は真打ち登場でございます。

社長様の卓越した怪獣育成の手腕に少しでも迫れると良いのですが…余りにも傑出されていて、わたくし如きの表現で追い付けるのか非常に心許ない感じでございます…それでは…



社長様が起業直後に女性従業員を4名雇い入れた所は前回紹介しましたが、そのウチ1名がなかなかの素材であったようです。

この方は入社前から…
「雇ってくれないと困る!」
と、入社を強要してきてきやがったキチガイ野郎でよぉ…と、社長様が話しておりました。
(まぁ社長様の事ですから話半分ですけどね…)

そして社長様の会社を退社後には、共に退社した3名を引き連れて派遣会社へまとまって再就職を果たしたのですが、派遣されている人材にも関わらず、待遇に不満を募らせて派遣先で度々ストライキを起こしては悶着ばかり起こしていたそうです。

更には、自分の身に危険が及びそうだと感じた途端に内ゲバを始めて仲間を精神的に追い詰めて追放したのでありました。

本当に、やりたい放題 正真正銘の怪獣にまで成長を遂げていたのでありました。

そんな怪獣を育む、社長様の英才教育のご紹介でございます。


因みに…

何故わたくしが、彼女達の退社後の顛末を知っているのか?

それは、わたくしの知人が居ります会社に入っていた派遣会社に就職なされたからです。

社長様のご指導通りに、製品不良が得意なクセに待遇に対する不満は堂々と主張なさる…受け入れた会社ではお手上げ状態で、腐ったミカン達を別室に隔離する事しか出来ないのでした…。

何故そんな派遣会社が契約打ち切りとならぬのか…?
大人の事情ってヤツなんですねぇ…
ま、そこは置いといて…


わたくし自身がその4名と接した期間は約2週間でした。

すでに社内の人間関係が末期的状況にある中に、社長様が連れてきた わたくしなんぞ敵対勢力の1人にすぎませんね。

電気には素人のわたくしが判るような作業ミスを指摘しても

「大丈夫だ」

と言い張り、直す気もありません…
凄まじい怪獣達だなぁと感心したものです。
(己のミスを認めない辺りは、社長様にソックリだ!


社長様の言い分によると、

「4人の中で2人がオレの指示に従わないからクビにする。」

そこで わたくしに対して、

「社員になって欲しい、クビを宣告する時も立ち会ってくれ。」

と、まぁ兎に角 最初から自分の都合ばかり押し付けてくる社長様でございました。
(あの~わたくし他社で働いているんですが?何度も言ってありますよね?人の話聞いてます?)


更に社長様が言うには…

「他2人はそんなに悪い人間じゃないから残してやる。」
(ご自身が嫌われている事など念頭にございません。)

との事でした。


しかし、社長様が極悪2名を呼び出して解雇宣告をしたところ、他2名も辞めると言い出したそうです。

思考力ゼロの社長様は、後先考えず売り言葉に買い言葉で起業直後から会社を支えてきた4名に解雇を申し付け、結果一度に全正社員が去った訳であります。
(パートさんが2名程残りました。しかし女性社員4名が一度に去るって話も、そうそう聞かないですがね。さすが人徳がハンパねぇ~ッス脱帽!)

まぁ社長様のこの辺の行動も納期品質を省みていませんから、社長様ご自身が怪獣である事は明々白々なんでございますけどね~。



さてさて、社長様の怪獣育成手順です。

①同業(基板製造業界)での作業経験の無い素人女性を雇い入れる。
(美形ならば尚可)

②ごく基本的な作業指導を、さも偉そうに行ないこれにて完了、アンタは今日から一人前!
しかし…完成後の検査についての指導は全く行いません。
「検査は使うヤツがやればいいだろ?…文句ある?」

③一度作業指導を行えば、後は丸投げ。
新しい作業が入った場合には客先からの資料に社長様の汚い手書きメモが加えられたモノをコピーして配布。
以降は作業員の自己責任となります。
※社長様からの連絡事項には伝達ミスが多々ありますが、笑って誤魔化すのみ。
この場合でも不良の責を負うのは作業担当者となります。

④仕上がり次第、ろくな検査もなく客先へ納品。
社長様は検査なんて概念は頭に無し、作業が完了後 即納品が基本です
これが「品質管理体制」の真実の姿であります。

⑤客先での検査結果NGの場合…
(大抵NG…)
社長様が不良品を引き取りに伺い、
作業者へは客先からの言葉をそのまま伝えて不良品を作業場へ置いて行く。
この場合にも納期指示は無し…

「申し訳ないが、急ぎで頼む。」

この一言すら発したくない位に、他人には頭なんぞ下げたくはないのです。
(薄い頭頂部がそんなに恥ずかしいのかしらん?)

当然手直しは特急対応となるが、他の作業との兼ね合いにも一切関知せず、
「急ぎが当たり前だろ!」
と、ばかりの態度でございます。
(因みに…社長様は不具合に関して一切理解していないので、質問は許されませんよ~

⑥大概…一つ直して納品しても次に新たな不具合が見つかり、再度修正。
これが繰り返されます。
(さて、如何に素人を掻き集めたとはいえ、正常な人間ならば この辺で社長様の無能振りに気付き始め、心の中に闇が生じ始めます。)

⑦いつも偉そうに振る舞うクセに、
いざとなるとスグ逃げる…
ミスは他人に押し付ける…
忙しい現場には知らん顔…

こんな事が当たり前の日々が続きますと、社長様の人間性への疑念が確信へと変わります。
普段は綺麗事ばかり言う方なので、イザという時の豹変振りが驚くばかりの勢いで、欺くと云う視点で見ますとただの悪人よりも人格崩壊が進んでいると思っております。

⑧そこへ来て自身が完璧人間であると勘違いされている社長様は、どんな作業でも簡単だと考えておりますので、愚図な人間への悪態は澱みなく…尽きる事なく…口から溢れ出し、周りの人間を辟易とさせるのが大変お上手です。
(周りが気を利かせている為、社長様がお手伝いと称して不良品を多発させ、余計な手間を作業員に掛けている事実すら認識していないので、お寒い限りです。)

⑨また…自身のガサツさを全く認識しておらず、むしろご自身を知恵者とすら思い込んでおりますから、作業指導の内容も稚拙で噴飯物でございます…

毎日の繰返し作業の大変さを全く認識していないので、作業員の度胆も抜く発言が度々あるのですが、いい加減長くなりましたので本日はこれにて失礼致します。


怪獣育成のコツ 前編(全四話①)

2013-08-13 23:39:32 | 日記
わたくしが社長様の会社に入社した経緯…あまり書いてこなかったなぁと思い付きましたので、改めて触れながらその経緯から感じたところを書いていこうと思います。


「女性集団をまとめる事が出来れば、リーダーとしての資質あり」

な~んてことを聞いたりもしますが、そんな理想的リーダーの反面教師たる社長様の真骨頂を表しているお話しです。


社長様、初めてお勤めになられた会社では営業職をバリバリとこなしておりました。
(本人は自信満々そのつもり…)

全くもって仕事が理解出来ない所…
それでいて意味もなく偉ぶる態度…
等々により、同僚や部下からはスッカリと愛想を尽かされておりました。

まぁその結果、逆切れ退職なされたのであります。
(こんな奴らと一緒に働いてやるかっ!…と、推察出来る逸話と言うか他人の批判をウンザリするほど沢山聞かされました…
で、ご自身はどんだけ?)

その後、都内に本社がございました基板メーカーの工場長として、この地に降臨なされた訳でありました。

しかし、工場長(社長様)がご立派だったこともあり、案の定 同業他社の後塵を拝して傾き始めますが、社長様ご自身は、

「オレにゃ責任ないぜ、経営者達が好き勝手やってるせいだろ!」

と、言い訳しつつ さっさと見切って又々逆切れ退社なされ、今度は会社を起業なされました。
(まぁ美味しい仕事だけを掠め取り起業された訳で、その辺の節操の無さは流石でございます。)

しかし何よりも…
経営陣達が妾を会社に置いているのが相当悔しく…
妬ましかったと云うのが本音みたいなんですよね~

まぁすこぶるイケメンで性格も良く話す内容には知性が溢れ…恐らくは生涯女性達からモテモテだろうな~と、誰にでも推察可能な社長様なんでね…
(なぁ~んて評価を誰からも聞いたことはない


兎角 他人の悪態ばかり口にする人間というのは、その心根の汚さが面相に現れますね。

歳を取るとそれなりのお顔になられてしまうケースが多いように思います。

他人の悪態ばかり考えていてはいけませんね、ネガティブシンキングの最たるものではないでしょうか?


さて~特に男性従業員からの人望がとても高い社長様ですから、起業するに際してもついて来る人間なんぞ1人も居りません。

てな訳で、女性4名を新たに雇い入れて事業をお始めになられたのでございました。
(何も知らない素人女性ならば、社長様に楯突くこともなく、大人しく従うであろう…との浅はかで見え透いた魂胆であります。)


さてここで…今回のタイトル
「怪獣育成のコツ」
についての説明。

わたくしの製造業での経験の中で何度かお目にかかりました、

「自身の立場の維持確保」

を最優先事項となさり、その為には納期品質を省みず手段も選ばない、

『自己中で無能なベテラン社員』

のことを「怪獣」と心の中で呼び…
あまり相手にせずにやって参りました。

しかし…その「怪獣」達が出現してしまう理由、いかに本人にその資質があろうとも、結局は経営者や上司によって自己中の才能が開花し「怪獣」へと成長してしまったのだと気が付きました。
(昔、汚い海からへドラと云う怪獣が誕生したように…)


そのような見方をしてみますと「怪獣」の育成が得意な人間の姿も見えてきたのでございます。


さてちょいと社長様の話からは脱線ですが、今回はわたくしが相まみえました「怪獣」のご紹介です。

初めて闘った怪獣は、社長様にお世話になる前の会社「E社」にて、部署のトップに君臨していたベテラン社員のK女史でした。
(このE社には沢山の怪獣が在籍しており、さながら怪獣博物館と言ったところでございました。)

このK女史のやり口は、客先からの注文書を全て自分の手元にしまい込み、作業員達にお伺いを立てさせて仕事を分配していたのです。

従って作業員は、K女史に頭を下げないことには仕事にありつけません。

気に入らない作業員には嫌な仕事(難しい・特急品)を押し付け
気に入った作業員とは無駄話をしながら楽しく作業する…
と、好き勝手やっておりました。

こんな案配ですから当たり前のように、
納期は守れず…
不良品は多く…

客先の課長様からは、ハッキリ癌細胞だと断定出来るこのK女史に対する
「排除命令」
すら出されておりました。

なんでクビにならぬのか?

それは、この部署に立ち上げ当初より存在し(有能な人間達は排除…)、会長様の覚え目出度くご寵愛を受けていたからでありました。

社員2~3名
パート従業員10名
が属し、
月の売上金額が200万円。

本来であれば最低300万円の売上がなければ見合わぬ部署なので、毎月△100万円でございます。
(この部署は、客先からの支給品を組み立てるのみの作業だったので、購入費が掛かりません。)

わたくしの直前に投入された、自称生産管理のベテランマン(カッコ悪いッス)も、怪獣に懐柔されてしまい何も変えられませんでした。


ここでわたくしに対して出されたミッションは…

E社 社長
「先方の課長からもKさんを辞めさせろと言われているから、その位のつもりでやっていいよ。」

と、この部署の係長を拝命致しました。
(係長の上が猿工場長で、下はパートさんです…名ばかり係長)


いざ着任。
わたくし、あまり噂話は参考にしませんので、いきなり攻撃的になることはありません。

出来れば皆と協力しながらやりたいのです。

このK女史とも軽く打ち合わせをした上で役割分担し、作業に当たりました。

が…早々に裏切りが発覚したので遠慮なく追放に向けて策を巡らしました。
(客先に対し、わたくしを貶めようとの意図で、情報漏洩をなさりました。)


計画は以下の通り
①客先からの注文書を取り上げ
②K女史が以前追放した、そりの合わないおば様の現場復帰
(この方が人望のある方でした。)
③K女史と仲の良い作業員を異動し、アンチK女史派のみで作業員を構成
(売上高に応じた人数へ削減)
④以上の案件について、会長様からの了解を取り付ける。
⑤K女史本人へ品質管理責任者への専任を通告


E社 社長はK女史を常に庇ってきた会長様に客先からの要求も言い含めて詰め寄り、一切K女史への援護をしない事を確約させた上で、K女史に「品質管理責任者」への専任を申し渡したのでした。


元より品質管理が一番大変だと認識し、ずっと他人に押し付けて自分は好き勝手をやってきたK女史ですから、猛烈に憤慨し わたくしに散々悪態をついて即刻辞職なさりました。

ん~アッサリ終戦…
我ながら…悪よの~

E社 社長
「急に辞めるんじゃ退職金を出せねぇよって言ったんだけどさぁ~アッサリ辞めちゃったよ~。」

と、退職金節約と厄介払いの二つが達成出来て、たいそうお喜びでございました。
(その後の半年ほどの間、わたくしは刺されることを覚悟し、暗闇を歩く時は周囲への注意を怠りませんでした。)

今回は社長様とは関係ない話が長引いてしまいましたが、今回の結論。

以前にも書いたのですが、経営者や上司が「依怙贔屓」をしますとロクなことはありません。

贔屓されている人間が増長してしまい、怪獣へと成長を遂げる可能性が高くなります。
(分別のある人間ならば、変身などなさりませんがねぇ…難しいトコですね。)


くれぐれも…

依怙贔屓をせぬように…
依怙贔屓を受けぬよう…

どちらにしても心の闇が増長してしまいますから、真っ当に生きていく為には、この心掛けが大切であると考えております。

それと、1人の人間に全件を委任してしまうのは危険ですね。
役割分担は必要です。

そのためには、経営者や幹部の方が現場の空気に長く接して敏感に感じ取ることが出来なければなりません。

まぁでも結局は、そんな行為すら面倒臭くて考えたくない、無責任で無能な丸投げ経営者が多いと云うことなんだなぁと感じております。

毒を吐きつつ、つづく…