おはようございます、バレエ教師の半澤です!
発表会の練習が始まったよ~っ!
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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
先生に質問
第122話
「君には質問は無いのかね?」先生は静かな声で聞いた。
先生が何故、そんな質問するのかショージには理解
出来無いまま、「え、質問ですか?いえいえ、先生に
そんな…無いです」先生は「あ、そう…じゃ、続けよう!
グランバットマン(片足を大きく前、横、後ろに振り上げる
運動)と言うのは足を振り上げるのも大事だが、下ろす方が
難しい…ただ重力で下ろすだけでは駄目だよ。分かるかね?
ラ~ス、ドゥバー、トリー…このようにね…」
ショージは先生の言いたい事はそう言う事なんだなと思い
ながら「あ、はい…」とさっきから同じ返事を繰り返した。
「じゃ、行ってみよう…どうぞ!」先生はショージを見て
言った。ショージは先生の言う「じゃ、行ってみよう…」
に頭を斜めに傾けながら反応しなかった。それどころか
逆に先生に質問した。
「え、何処に?」先生はカッと目を見開いて、「何処に?
何を言っているんだ君は!始めから終りに決まっている
じゃないか!はい、始めなさい!」そして先生はショージを
見つめた。「げ~っ!先生、始めから終わりって、もしか
したら先生が見せたプリエからグランバットマンまでの
全部をですか!?そんな事急に言われても覚えてないっすよ~!」
今度は先生の方がギョッとした顔で、「覚えてないだって!?
だって君は質問がないって言ってたじゃないか!私が一つ
ずつ見せて分かるかねと聞いた時にも全てにおいて、「はい」
と答えたじゃないか!覚えてないって…え~っ!?」2人で
驚き合いだ。ショージは直ぐに謝りながら、「あ、あの~、
一つずつでもいいですか?あの、その後に次のを教えて
もらってもいいですかね?」
先生は呆れた顔して「ふ~、何故、君は分りましたと言った
のか?君と同じような年代のモスクワの男たちも全く一緒だ!
何故あいつらは、分かってもいないのに分りましたと、返事
するのか!実に嘆かわしい事だ。私に言わせれば馬鹿だ!」
先生の嘆きにショージも同情した。「そうですか…
モスクワの生徒はそんなに馬鹿なんですか…」先生が
クルッと口を開いてショージを返り見た。「こ、この…!」
「あの先生…日本では相槌(あいづち)と言うのがあり
まして、目上の方から話された時には必ず、はいと答え
なければならない習慣があるのです。先生が見せる前に、
全てを覚えなさいよ!それを最後に全部始めから終りまで
するから…と言ってくださっていたら、空返事はしなかった…
とは思うのですが、いずれにしても始めから終りまでの
全部を覚える事は難しいと思います」
すると先生は手で顔を覆い、「オー、ノ~ッ!」と言った
マイムを見せた。「モスクワのダンサーたちって、始め
から終りまでこんなに長い順番を全部覚える事が出来んの!?
そんな習慣があるのだろうか?少なくとも僕にはそんな
習慣が無いし、今まで何処のバレエ学校でもバレエ団でも
始めから終りまで一気になんて…」
(つづく)
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先生に質問
第122話
「君には質問は無いのかね?」先生は静かな声で聞いた。
先生が何故、そんな質問するのかショージには理解
出来無いまま、「え、質問ですか?いえいえ、先生に
そんな…無いです」先生は「あ、そう…じゃ、続けよう!
グランバットマン(片足を大きく前、横、後ろに振り上げる
運動)と言うのは足を振り上げるのも大事だが、下ろす方が
難しい…ただ重力で下ろすだけでは駄目だよ。分かるかね?
ラ~ス、ドゥバー、トリー…このようにね…」
ショージは先生の言いたい事はそう言う事なんだなと思い
ながら「あ、はい…」とさっきから同じ返事を繰り返した。
「じゃ、行ってみよう…どうぞ!」先生はショージを見て
言った。ショージは先生の言う「じゃ、行ってみよう…」
に頭を斜めに傾けながら反応しなかった。それどころか
逆に先生に質問した。
「え、何処に?」先生はカッと目を見開いて、「何処に?
何を言っているんだ君は!始めから終りに決まっている
じゃないか!はい、始めなさい!」そして先生はショージを
見つめた。「げ~っ!先生、始めから終わりって、もしか
したら先生が見せたプリエからグランバットマンまでの
全部をですか!?そんな事急に言われても覚えてないっすよ~!」
今度は先生の方がギョッとした顔で、「覚えてないだって!?
だって君は質問がないって言ってたじゃないか!私が一つ
ずつ見せて分かるかねと聞いた時にも全てにおいて、「はい」
と答えたじゃないか!覚えてないって…え~っ!?」2人で
驚き合いだ。ショージは直ぐに謝りながら、「あ、あの~、
一つずつでもいいですか?あの、その後に次のを教えて
もらってもいいですかね?」
先生は呆れた顔して「ふ~、何故、君は分りましたと言った
のか?君と同じような年代のモスクワの男たちも全く一緒だ!
何故あいつらは、分かってもいないのに分りましたと、返事
するのか!実に嘆かわしい事だ。私に言わせれば馬鹿だ!」
先生の嘆きにショージも同情した。「そうですか…
モスクワの生徒はそんなに馬鹿なんですか…」先生が
クルッと口を開いてショージを返り見た。「こ、この…!」
「あの先生…日本では相槌(あいづち)と言うのがあり
まして、目上の方から話された時には必ず、はいと答え
なければならない習慣があるのです。先生が見せる前に、
全てを覚えなさいよ!それを最後に全部始めから終りまで
するから…と言ってくださっていたら、空返事はしなかった…
とは思うのですが、いずれにしても始めから終りまでの
全部を覚える事は難しいと思います」
すると先生は手で顔を覆い、「オー、ノ~ッ!」と言った
マイムを見せた。「モスクワのダンサーたちって、始め
から終りまでこんなに長い順番を全部覚える事が出来んの!?
そんな習慣があるのだろうか?少なくとも僕にはそんな
習慣が無いし、今まで何処のバレエ学校でもバレエ団でも
始めから終りまで一気になんて…」
(つづく)