半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第45話

2020-10-18 07:58:51 | webブログ

おはようございます、バレエ教師の半澤です!
どうぞ,とても楽しいレッスンにいらしてくださいませ。
平日は朝は11時から初中級レベルのレッスン、夕方5時20分は
初級、夜7時から中級レベルのレッスンがあります。
皆さま、お待ちしております!

ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)

私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/
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創業36年、本場博多のもつ鍋・水炊き専門店【博多若杉】


連絡をお待ちしてますね!

2020年12月23日(水)寝屋川市民会館にて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。


Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
イタリアのバレエ団のオーディション
第45話
オーディション当日、ショージが通っていたコベント
ガーデンのアダン・バレエ・アカデミーの最も広い
5階スタジオ。 スコティッシュ・バレエ団の時の
ソリストの為のオーディションとは違い、ランク無し
なので人数も多いだろう…と5階に上がって目を
剥いた!やはり大勢のダンサーで溢れ返っているのだ。
ざっと300人以上だ。ショージはその数を見て
目眩がしたが、こんな数に負けてはいられない。

今までどれほどレッスンをして来たのか…一日に
3回のレッスンをして来た。練習量の数は誰にも
負けてはいない。レッスン以外の他の空いている
時間には自分の技術の改良のために全ての労力を
注ぎ込んで来た。オーディションに集まるダンサー
たちはそれぞれ廊下や溜まり場でウォーミング
アップしているがその間を縫うようにしてショージも
バッグを置き、服を脱いでタイツ姿になった。
そして足の指先から順番に筋肉をほぐして行く。

「皿洗いと空腹の飢えから脱出出来るかどうかは
今日の一戦で決まる…。もうこんな生活とは
おさらばだっ!絶対に他のダンサーたちに負ける
訳には行かない…」ショージは他の人には目も
くれず、床だけを見つめ身体じゅうの筋肉の力みを
抜いて行った。オーディションクラスも3回に
分けられ、ショージは第3グループに入れられた。

待ち時間は恐ろしく長く感じたが、とうとうバー審査
が始まった。複雑なステップの組み合わせであった。
それでもこの日は身体が軽く感じ、音楽のリズムが
楽しくさえ思えた。他のダンサーたちの姿がショージ
には見えなかった。ここは真剣勝負だ。全神経を
集中させたのだ。フラメンコに使う黒いズボンを
穿いた長髪の男性がバー審査の振りの順番を見せる
事だけがショージの視界に入っていた。そして30分
経過した。ここで暫く休憩が入り、3グループの中
から選りすぐられたダンサーの発表。

「君!そして君!それと、そこのアジア人!」
ショージを見ている。「よし、何とかクリアーか!」
30分後にセンターエクセサイズ審査が始まった。
アンシェヌマン(ステップの組み合わせ)を見せて
くれるのは芸術監督のステファネスク氏本人だ。
イタリアから来ただけあって、白いブラウスを胸まで
開けてズボンは黒いフラメンコ調。顔が少し色黒だが、
アントニオ・ガデス(フラメンコダンサーの頂点に
立つ有名なスペイン人)に実にそっくりだった。

アンシエヌマン(ステップの組み合わせ)は、かなり
基本を重視しながらの長いコンビネーションだ。最終
審査では15人ほどに絞られたが、まだクラシック
テクニックを重視した踊りが続いている。「あれ、
モダンやコンテンポラリーの試験は無いのかな?
まあその方が嬉しいけれども…。それにしても今日は
身体が本当に軽いな…」

前日の夜に2時間も掛けて身体の全ての筋肉をマッサージ
しておいたのが功を制したのだ。回転もアレグロ
(速いスピードの踊り)も大丈夫で問題は全くなかった。
ワルツの時はピルエットを音の中で回り切れるように
全速力のスピードで回転させた。それでも安定した
6回転だ。音を少しでも外せばそこが命取りになる。

審査官である長髪の男性の目は何も見逃さない確かな
目である事がショージにも他のダンサーたちも
はっきりと分かった。グランジャンプ(大きい
ジャンプの踊り)が来た。これはショージの最も
得意としている分野だ。ショージはジャンプする時に
自分が自由になるのを感じる。そして空間に漂う時、
全てが喜びに変わるのであった。
(つづく)