半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第49話

2020-10-23 08:01:14 | webブログ

おはようございます、バレエ教師の半澤です!
どうぞ,とても楽しいレッスンにいらしてくださいませ。
平日は朝は11時から初中級レベルのレッスン、夕方5時20分は
初級、夜7時から中級レベルのレッスンがあります。
皆さま、お待ちしております!

ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)

私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/
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創業36年、本場博多のもつ鍋・水炊き専門店【博多若杉】


連絡をお待ちしてますね!

2020年12月23日(水)寝屋川市民会館にて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。


Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
正に究極の振付!
第49話
イタリア到着以来、数日が経った。長いレッスンが
終わって、30人ほどの団員たちの身体中から汗を
吹き出しているが、ショージはと言えばほとんど
身体が自分のものではないほどくたくたで倒れる
寸前だった。ランドルを見ると声を出さずに口パク
で伝えて来た。

「オー、マイ、ガーッド…!」ショージも横目で
頷きながら、体が動かない。マリネル監督が
イタリア語で「20分後にリハーサル開始!」
と全員に伝えた。振り付けはストラビンスキーの
「春の祭典…人間創世」だ。太陽の神や水、空気
などの踊りの後に類人猿…つまりアウストラロピ
テクスのような、ほとんど猿の群れのような動きを
習うのだが一糸も乱れてはいけないらしい。
しかも激し過ぎる踊りであるにも拘らずにだ。
ショージはクラッシックの技法に基づいた振付を
想像していたのだが、いざ、その振り付けになると
数十人の男たちと女たちが一斉に身体を折り曲げ、
全員で4足歩行になり、右の足と右の手を同時に
前に出してナンバ歩きをしながら右左の腕と足を
床にダッダッダッ!!と高速で叩きつける。全員が
同時に真横に進んだかと思えば今度は前進した。

監督が大声で叫んだ。「そのまま後退しろ!」
気絶しそうなほど辛い姿勢での大驀進であった。
2時間たっぷりのリハーサルをすると、誰もが
もう疲れ果てて言葉さえ出なかった。ランドルも
ショージも互いの顔を見たくとも2人とも白眼を
剥いて「おえっ!」としながら吐き気をこらえて
いた。
 
それを終えると4時間ほどの休憩時間がある。
団員たちは車でさっさと自宅に帰って行く。
ショージとランドルはバスで市内まで戻り、
大衆レストランでセルフサービスランチを摂った。
イタリアと言えばパスタの本場だ。色々なパスタ
があり、スープも様々でメインも羊や牛肉、
ポークにチキンが所狭しと並んでいる。この
2人は秘書に頼んで給料を先払いしてもらって
いた。そのお蔭で好きな物が食べられるこの
幸せを充分に感じた。

ショージはローストチキンにサラダ、そして
スープをトレーに乗せた。「これを夢見て
いたんだ!ああ、なんて美味しいんだ…これこそ
幸せと言うものだ!」ランドルが「街を散策して
歩こうじゃないか!」とショージを誘った。

沢山の店が並ぶ歩道を歩いていると、イタリア人
たちがショージとランドルをとにかく振り向いて
見つめた。どの目もまるでショージたち二人が
宇宙人でもあるかのように見つめるのだ。しかし
ショージには何故、街の人々がそんなに自分たちを
見つめるのか訳が分からなかった。
 
バレエ団の稽古場に帰ってから、団員に「道行く
人たちが僕たち2人を異様な目で見つめるのは
どうしてなんだい?」と英語を話す事が出来る
ブルティーニに聞いてみた。するとブルティーニは
「振り向かないほうが可笑しいさ、だって黒人の
ランドルとアジア人のショージの組み合わせは
この土地では珍しい色と顔の組み合わせだからな」
ショージは黒人のランドルを見つめた。「確かに
こいつは珍しいかもな…でもこの僕が?」

そして次のスケジュールを聞くと「げ~っ!
またレッスン!?その後にまた4足歩行で
ダッダッダッ…!の類人猿のリハーサルを
2時間もだって!?」聞いた瞬間、ショージは
目眩がした。

リハーサル開始から数日経つと筋肉も脳味噌も
心底疲れ果ててしまって更衣室でも皆げっそりと
静かであった。それでもレッスンは毎日朝夕
たっぷり2時間ずつある。再びリハーサルが
始まり、ショージも猿の一匹となって床に這い
つくばった。振り付けをする監督のマリネルは
「イタリア人だけの猿の軍団よりも黒人の猿や
日本人の猿が混じる事により、地球には沢山の
人種がいて、元々はあちこちの変わった猿たちが
進化を遂げたのだ…」
という事を述べたかったのであろう。

「そうか…その猿をやらせるためにわざわざ
ロンドンのオーディションがあったのか…
なるほどな。あのオーディションで必要だった
のはバレエの技術などではなく、如何に猿らしく
踊れるかって事だったのか…」
(つづく)