半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第50話

2022-01-27 07:52:47 | webブログ

バレエ教師の半澤です。
本年もまた、どうぞよろしくお願いいたします。

平日は朝は11時から初中級レベルのレッスン、水曜日、金曜日の
夕方5時20分は子供の初級、夜7時から中級レベルのレッスンです。
土曜日は朝11時からのレッスン、夕方6時です。ポアントもあります。
日曜日は朝10時から初級のレッスン、12時から初中級のレッスンです。
ポアントもあります。

皆さま、お待ちしております!

ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)

私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/

連絡をお待ちしてますね!

2022年12月27日(火曜日)寝屋川市民会館にて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。


Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

バリエーションは海賊よりガムザッティのVaです。
ダイナミックなジャンプを楽しみながら踊りましょう!
さ、やりましょう!

連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
初めての給料!
第50話
日本で世話になった六本木のクラブ「愛」のママ。
バイト先のママであったがショージが母親の様に
慕っていた人だ。限り無くショージを応援してくれ、
今でもきっと心配してくれているに違いなかった。
ショージは劇場の前の公衆電話まで走り、貰った
給料の一部で電話をしようと気が急いた。電話が
繋がり「愛」のママの声が聞こえて来た。

嬉しさで何から話していいのか分からないショージ
だった。「ああ…この声さえ聞けたらもう何も
いらない…」そう感じた。涙が溢れてきて、公衆
電話に入れる電話専用硬貨ジュトーネと呼ばれる
コインがあっと言う間に流れ落ちて行ってしまう。
電話の向こうでは必死にママが話しかけてくれて
いた。ジュトーネは終わってしまい残念ながら電話は
そこで終わってしまった。

部屋に帰り、買ってきた便箋に下手な字で手紙を
書き、無事と現在の状況を認めた。イタリア語も
分からず英語も分からない。只、踊りだけがイタリアで
生きていける唯一の支えと生きがいであった。残った
給料を持って食料の買い出しに市場へ行き、ざわついて
いた人々もショージの顔を見ると凍りついたように
ショージの顔を見つめた。しかしショージには
こう言った事は慣れてしまった。イタリアの田舎町では
ショージのようなアジア人がいないのである。だから皆、
一応にショージの顔を珍しがって見入ってしまうのだ。
だが、案外に話しかけると今度は楽しそうに魚の名前や
金の勘定の仕方をイタリア語で教えてくれるのも
この人たちであった。

レッジオエミリアに降るネピア

イタリアに来て、半年が経った。今ではイタリア語も
随分と喋れるようになり、市場の魚屋のおばちゃんや
八百屋の親父とも仲良くなり、劇場の周りのカフェで
働く人たちとも友だちになる事が出来た。カフェの
経営者、兼ウェイターのロベルト兄弟の二男のロベルト
はいつも笑顔で話しかけてくれた。ある日そのロベルト
が大きなオートバイに乗って来て「ショージ、
乗るかい?」と誘って来た。ヘルメットも貸して
くれ後ろにショージを乗せてレッジオ エミリアを
一周した。普段は歩いて通う道も大きな900ccの
オートバイに乗れば、あっという間に一周出来た。
ロベルト兄弟はフランス人の父親とイタリア人の母親で、
まだ20代の優しい青年たちだった。

ショージが仲良くしているレコード屋の若い男とも
友達になる事が出来た。この若者は父親の後を継いで、
大学卒業後に「好きな音楽が聴けるからレコード屋を
やっていると楽しい!」と言っている。英語がとても
達者な若者だった。このレコード屋の若者との知り合う
切っ掛けは実はランドルの発案で、普通にレコードを
買うには値段が張るしアパートにステレオがない事
から店でカセットテープを買う代わりに好きに選んだ
曲をダビングして貰えないかとランドルが交渉した
のだ。そして値段も本来のレコード価格の半額と
普通では信じられない交渉をやってのけたのであった。

店の若者はショージにも「良かったら君にもダビング
してあげるよ」と言った。ショージにとってはこれは
とても助かる事であった。 そこで、ショージは
ナルシスコ イエペス演奏(クラシックギタリスト)の
「スペインの庭」というレコードと、ラフマニノフの
「交響曲第2番」のダビングを頼んだ。数日後に取りに
行き、ウォークマンで聴いてこの曲が如何に素晴らしい
ものであるか感動した。そして「いつか、スペインにも
行ってみたいな…」と小さな夢を心に描いた。
(つづく)