先日、久々にCDショップに行ってみた。
その店は2フロアあり、上階が邦楽、下階が洋楽の売り場になっていた。
邦楽の売り場には、そこそこお客さんはいて、それなりに賑わっていた。
だが、邦楽のフロアは・・・閑散としていた。
今、日本では洋楽というものは、あまり関心を持たれていないのかな・・・なんて思って洋楽フロアを何気に歩きまわってみたら、フロアの一角に、目立たぬように古い洋楽アルバムがセットで売られていた。
なんと・・・あのドゥービー・ブラザーズの初期のアルバムが、5マイセットで2000円!!
びっくりした。
つまり、アルバム1枚が・・・400円ぽっちということになる。
思わず買ってしまった私が言うのもナンだが、この値段って、ほとんど「叩き売り」だよね・・。
ミュージシャンは1枚のアルバムを作るのに、心血を注いで制作する。
心も体も。
で、時間をかけて、やっとの思いで1枚のアルバムが出来上がり、世に問う。
それが・・・いくら、今となっては古いアルバムとはいえ、400円とは・・・。
なんか、複雑な思いがした。
これって、安すぎないか?
しかも・・ドゥービーブラザーズといえば、70年代のウエストコーストロック界のトップバンドで、イーグルスと共に両横綱的存在だったほどのメジャーバンドである。
まあ、消費者としては、アルバムが安いのはありがたいのだが、1枚のアルバムを制作するのに、ミュージシャンがどれだけ心血を注いでいるかを、私は自分でアルバムを作ったことがあるので、ある程度わかるつもりだ。
だから、それを考えると・・・・この値段で売られているのは、けっこう複雑ではある。
その一方で・・・
ドゥービーのアルバムを、昔私は何枚かLPで持っていた。だがCDの時代になって、CDで買い直すことはしないでいた。
今回、この値段だったから衝動買いしてしまったわけで。
そういう意味では、この値段にすることで、今となっては古いアルバムを、今少しでも多くの人に聴いてもらえるチャンスにつながるのだとしたら、メリットもなくはない。
そのへん、究極の選択っぽい。
高いまま、本来のその商品の価値にこだわるか。
叩き売りにしても、より多くの人に渡るチャンスを選ぶか。
もっとも、この5枚組セットという売られ方を、ドゥービーのメンバーが了承したのかどうかは分からない。
どこかの業者が、勝手にやってることなのかもしれない。
また、このCDアルバムは、商品としての価値がそう高いとは思われない。
というのは、輸入盤だから日本語のブックレットが入っていないのは仕方ないにしても、音質はイマイチだし、ジャケットは手抜きの薄いジャケットだし、ディスクをつつむカバーみたいなものも入っていなくて、ジャケット内にCDがむきだしのまま入れられている。
いやはや、酷い装丁ではある。
音質は、一応ステレオではあるのだが、まるでモノラル音源を聞いているかのような感じ。
音像はほとんど感じない。
ほとんど・・カセットテープの音源を聞いているかのようだ。
まるでカセットからそのままCDに落としたような感じ。
まあ・・・1枚400円だから文句も言えないのだが、音質といいジャケットといい、そっけないことこの上なし。
収録曲的には正規盤ではあるが、聴いてる印象では、海賊盤を聴いているような気分。
値段400円というからには、やっぱり、それなりのシロモノではあるわけだ・・・。
正規盤で、しかも国内盤だったとしたら、解説も入っているだろうし、歌詞もブックレットに掲載されているだろう。訳詞だって掲載されてるかもしれない。
CDは、ちゃんと保護のためのCD袋(?)に入っているだろう。
ジャケットは、もう少し厚めだろう。
元が見開きジャケットだった場合は、それなりの扱いをされたジャケットになっているだろう。
なんか、こういう商品を見ると、古い音楽が二束三文の扱いしか受けていないような気がして、悲しい・・。
安さというメリットを考え合わせてみると、複雑な心境ではある。
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