桜は毎年春になると咲く。満開の桜は実に美しく、なにやら桜が咲いてると、その辺りは景色にオーラが溢れているようで、花見をするつもりがない人であっても、桜並木を通ると、つい咲き誇る桜を見上げてしまう。
そんな桜ではあるが、満開になると、その後ははかなく散ってゆく運命が待っている。
満開の桜が散り始めると、あたりの道路は、落ちた桜の花びらでいっぱいになる。
おびただしい数の「散った桜」があたり一面に広がっている。
桜というと華やかで美しい風景ばかりをイメージする人が多いが、案外散った後のことまで中々イメージがわかない人は多いのでは。
散った桜の花は、ほうっておけばなくなる・・・というものではない。
でも、散った桜で道路がいっぱいになっている様は、気付けば道路はいつしかいつもの姿に戻っている。
それは、散った桜の花びらを掃除している人がいるからだ。
道路に散った桜の花びらは、その軽さゆえ、ちょっと風が吹くと色々な方面に広がってゆく。
その結果、散った桜の花びらは広い範囲に散らばることになる。
道路に広く散った花びらをホウキではいてる人の姿を見かけることがあり、なまじ量が多いのと、範囲が広いものだから、掃除する人は大変だなあと思うことはよくある。
それでも、桜の場合は咲いてる時の美しさが格別だからまだいい。
やっかいなのは、秋になってイチョウの葉っぱが散る時だ。
イチョウの葉も秋が深まるとどんどん散ってゆく。そして道路を埋め尽くす。桜の花びら同様に軽いから、ちょっとした風が吹いても、あちこちに散ってゆく。
だがそのイチョウの花びらも、気付けば道路から消えている。
桜と同様、それもまた掃除している人がいるからだ。
ほんと、散った花や落ち葉が大量にある場合、掃除する人は大変だなあと思う。
咲いてる時は良いけど、散った後のことも考えると、中々大変なのだ・・。
だが、人の関心は、散った花びらや落ち葉を掃除ずる人にまでは向かない。だから、いくら花びらや落ち葉で道路が埋まっていても、気がつけばいつのまにかなくなっているように見えるのだろう。
そんなことを考えると、桜が満開の光景や、イチョウの葉が木を飾っている光景を見ると、私は「きれいだな」とは思いつつも、同時に・・「この後、掃除する人は大変だろうな」などと思ってしまうことが・・・ある。
「その後」を掃除する人がいるから、桜並木もイチョウ並木も、見る人はシンプルに「きれいだな」と思えるのかもしれない。
そういう意味では、掃除する人は、桜並木やイチョウ並木の「きれいな部分」だけを、行きかう人に提供してることになるのかもしれない。
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