2019年の2月に放送された「ニッポン視察団」という番組で、2018年12月から2019年2月にかけて外国人が訪れて満足した日本の温泉地ランキングを発表していた。
それによると結果は以下の通りだった。
12位 越後湯沢温泉(新潟県)
11位 下呂温泉 (岐阜県)
10位 別府温泉 (大分県)
9位 有馬温泉 (兵庫県)
8位 鬼怒川温泉 (栃木県)
7位 指宿温泉 (鹿児島県)
6位 熱海温泉 (静岡県)
5位 登別温泉 (北海道)
4位 飛騨高山温泉 (岐阜県)
3位 草津温泉 (群馬県)
2位 箱根温泉 (神奈川県)
1位 乳頭温泉 (秋田県)
まあ、ネット上などにも、いろんな形式や条件での温泉地人気ランキングがあったりするし、それぞれのランキングが、ある意味独自の基準で選んでいたりもするのだろう。
だからどのランキングにも「絶対的なランキング」というものはないのであろう。
上記のランキングはあくまでも2018年12月から2019年2月にかけて外国人が訪れた日本の温泉地ランキングという基準らしい。
ある意味、時期という意味で条件を絞った基準だとは思う。
こういう番組は私は好きなので、つい見入ってしまった。
なので、このランキングに入った温泉地について私の私的な思いを書いてみたい。
まず、12位の越後湯沢温泉。
私は越後湯沢温泉そのものには泊ったことはないが、越後湯沢駅で降りてそこからバスで移動して、貝掛温泉には泊ったことがある。一応、越後湯沢近辺の温泉ではある・・と言ってもいいのかな。
越後湯沢駅は上越新幹線の駅で、かなり大きな駅。なので、駅そのものを楽しむこともできる。駅前にはスキー場があり、駅のまわりには宿がいくつもある。新幹線の窓からは、スキー場が見える。雪がよく似あう温泉地で、新幹線の窓から雪の越後湯沢の町が見えると、つい降りてしまいたくなる人は多いのではないか。
11位の下呂温泉。
下呂温泉駅では私は降りたことがない。新穂高温泉や飛騨高山などに行った時に、電車が途中で下呂温泉の駅を通るので、私にとっては「素通りしてきた温泉地」だ。
あまりに有名なので、かえって私は行っていない気がする。
泊ってみたい気はするが、その先には飛騨高山もあるし、新穂高温泉もあるし、白川郷に向かうこともできるので、ついついそちらのほうを私は優先してしまっている感じ。
10位の別府温泉。
ここは、私は幼少の頃に1回、そしてオジサンになってからも行っている。
なんといっても、「地獄めぐり」は観光スポットとして定番。
「血の池地獄」「坊主地獄」「海地獄」「ワニ地獄」などがあり、面白い。
子供の時に「血の池地獄」を見た時は、けっこう衝撃だった。池の色が血の色で、赤だったのが強烈な印象があった。
別府温泉に泊るなら、地獄めぐりを外す観光客はあまりいないだろう。
町では温泉の香りがぷんぷんしている。
9位の有馬温泉。
私はここは、昔社員旅行で泊った。かの豊臣秀吉も愛した温泉だという。
関西では比較的アクセスもいいので、関西旅行をするなら、プランによっては予定に組み込みやすい温泉地ではないだろうか。
関東で言えば、箱根みたいな存在??
8位の鬼怒川温泉。
ここは、東京から電車で行くとなると浅草からの出発になる。
東京から行く場合、方角としては、観光地として名高い日光方面なので、日光旅行とパックでプランニングするのも可能であろう。もちろん、日程的なゆとりがあればだが。
私は子供の頃に泊ったと思うが、それ以外は素通りして、岩瀬湯本温泉や大内宿などに行った時に、電車の窓から見ていた。
近年は昔より寂れてきている・・という噂を耳にしていたのだが、外国人に良い印象を持たれているなら、それを活かして生き残っていってほしい。
関東では名のある温泉地だし。
7位の指宿温泉。
砂風呂が有名。私は屋久島に初めて行こうとした時、現地で台風で船が欠航になって行けなくなり、振り替えで指宿温泉に泊った。
のちに別の機会で屋久島にはピンポイントで行けたので、今となっては、最初に屋久島に行こうとした時に行けなくて、振り替えで指宿に行ったのは、かえって良かったと思っている。指宿に行く、良いきっかけになったし。
鹿児島の割と端のほうにあるので、関東人にとってはそうそう気軽に行ける場所ではない。
「よし、行こう」と決断しないとなかなか行けない場所だと思うので、もしも行けるきっかけがある時は、そのチャンスをしっかり活かしたほうがいいと思う。
旅プラン次第では、途中などで桜島や開聞岳の姿も見れるかもしれない。
6位の熱海温泉。
ここはかつて、新婚旅行のメッカと呼ばれた温泉地。昨今では新婚旅行では海外を選ぶカップルも多いが、海外旅行が今ほど一般的じゃなかった昔の日本では、熱海が新婚旅行の場所として選ばれることが多かったらしい。
新婚旅行で海外が一般的になり、また、新幹線で遠方にも行きやすくなるにつれ、熱海は少しづつ寂れていったらしい。
だが、最近では町の人たちの努力もあり、盛り返してきているという。
しかも、東京からだと、割と行きやすい距離でもあるので、外国人にも人気なのだろう。
私は子供の頃に泊ったと思う。
大人になってからは、熱海の先の場所に泊ったことは何度もあったが、熱海そのものは車や電車で素通りしていた。行くルートの途中で熱海があったので。
5位の登別温泉。
初めて私が北海道に旅行した時は、あちこちで計4泊したのだが、そのうちの1泊が登別だった。私が入った温泉は乳白色で、心地よかった。
有名な温泉地だが、案外町は静かだったのを覚えている。町の一角には、寂れたストリップ小屋があったっけ。営業してるんだか、してないんだか・・・という感じだったが、今はどうなっているのだろう。
ドリフターズの曲「いい湯だな」の歌詞に登別は出てくるが、登別の知名度は、「いい湯だな」の歌詞の貢献度による点もあるのではないか。
4位の飛騨高山温泉。
飛騨高山の町には私は2度行ったことがあるが、1回はちょっと立ち寄っただけだった。なぜなら、その時の私の目的地は、飛騨高山からバスに乗り換えて山奥のほうにある新穂高温泉だったから。
で、もう1回は、ズバリ飛騨高山の町に泊ったのだが、その時の宿はビジネスホテル系だった。
そのホテルに温泉があったのかどうか、よく覚えていない。
よく覚えていないんじゃ、飛騨高山の温泉に泊ったうちに入らないかもしれない。
ただ、その時の旅では白川郷近くにも宿をとり、その宿はしっかり秘湯の宿であった。
飛騨高山は、町を散策するのが楽しい町。古い佇まいの街並みが残されているので、外国人に好まれるのもわかる。実際私が行った時も、外国人は多かった。
3位の草津温泉。
ここには私は泊ったことがないかもしれない。
大学時代に、野沢温泉にはスキーで行ったが、その時に草津に足を伸ばした記憶はない。
有名な温泉地なので、案外私は避けてきたのかもしれない。
でも、一度くらい行っておきたい気はする。
2位に箱根が入るとは驚き。
いや、驚き・・と言ったら、箱根に失礼かもしれないね(笑)。
東京在住の者にとって、箱根は極めて身近な温泉地。
新宿から小田急ロマンスカーに乗れば、90分で着いてしまうアクセスの良さ。
私は昔、小田急線沿線にも住んでたこともあるのだが、その時は今以上に箱根は身近な場所だった。へたしたら乗り換えなしで、電車1本で行けるアクセスだったから。
箱根には何度も行っている。泊ったこともあれば、日帰りで行ったこともある。
身近すぎるから、2位という順位に驚いてしまったのかもしれない。
でも、考えてみれば箱根は一大温泉街だし、観光名所も多数ある。富士山にも近い。
さらに東京からアクセスがいいときては、外国人に人気あるのもうなづける気はする。
そして1位は乳頭温泉。
確かにこの温泉は素晴らしい。
日本の旅行雑誌か何かで、日本人に「好きな温泉地人気投票」をやると、乳頭温泉は上位の常連だった。というか、1位をとったことも多かったはず。
ということは、日本人、外国人、問わずに人気が高い温泉だ。
有名な「鶴の湯旅館」は、予約をとるのに苦労するので、行くなら早めに予定をたてて予約したほうがいい。
乳白色の露天温泉は見た目にも「絵になる」し、泉質もグッド。
宿内に温泉風呂はいくつもあったが、一番有名なのはやはり混浴の露天風呂だろう。
有名な風呂なので、写真などで見たことがある人は多いだろうと思う。
また、本陣とよばれる棟の部屋に泊ると、部屋の中に囲炉裏があり、囲炉裏を囲んで食べる食事も風情があるし、うまい。
ただ、壁が薄めなのか、隣の客室に音が漏れやすいのだけは把握しておくべし。
私が泊ったのは夏だったが、雪の降り積もった冬に泊ると、その風情は夏以上であろう。
ちなみに私は、乳頭温泉郷に行った時は、「鶴の湯」だけでなく、近くの黒湯温泉にも泊った。黒湯温泉は、私が敬愛する漫画家・つげ義春先生の作品のゆかりの宿でもある。
その意味で、私にとっては「2度おいしい」旅先であった。
以上、ランキング入りした12の温泉地について私なりの思いを書いてきた。
このうち、駅に降りたことすらないのは、下呂温泉と草津温泉。
下呂温泉に関しては、白川郷や新穂高温泉に行ったときに途中下車すればいけたのだが。有名な温泉だから、またいつか行く機会はあるかもしれない・・・そう思うと、つい後回しになってきた感はある。
代わりに、温泉街・・ではないかもしれないが、外国人の皆さんには、宿としては新穂高温泉などは推薦しておきたい。そこで私の泊った宿は料理は個性的だったし、露天風呂の広さや風情は格別だった。旅行プランにもよるが、地理的・アクセス的には、飛騨高山にも行けるし、白川郷に足を延ばすことも可能であろう。
それと・・・合う・合わないはあるかもしれないが、北温泉もお勧めしておきたい。ともかく個性的な宿だ。映画「テルマエロマエ」のロケ地にもなった宿でもあるし、つげ義春さんのイラストにも描かれた宿だ。料理は質素だし、建物は相当な年季が入っているが、かなりのインパクトを楽しむことができるだろう。
あと、予約が取りづらく、なおかつアクセスも良くはないが、能登半島の突端の「ランプの宿」も素晴らしい。波が打ち寄せる様を見ながら入る露天風呂や貸し切り風呂は、深く心に刻み込まれるであろう。
本当は・・・宿営業を今もしていれば、瀞峡の「瀞ホテル」などは、個人的には1推しなのだが、今は宿営業はしていないらしいので・・・。その点は少し残念。
なぜなら、これまで私が泊ってきた全ての宿の中で、一番印象に残っており、一番好きな宿だったからだ。温泉ではなかったが、それを補って余りある風情があった。
外国人が日本旅行をする場合、どうしても日程的な問題もかかわってくるだろう。
その意味では、鬼怒川温泉なら、浅草宿泊→鬼怒川温泉宿泊→日光宿泊・・こんなコースなら、地理的ロスは少ないと思うので、こういうプランを考える人は多いのでは。
定番という意味では、浅草も日光も、外国人には人気のスポットだと思うし。
下呂温泉なら、名古屋宿泊→下呂温泉宿泊→飛騨高山宿泊→白川郷・・・これだと地理的ロスは少ないと思うので、こんなプランで行く人も多いだろう。
前述の通り、飛騨高山から新穂高温泉へ向かうのも個人的にはお勧めだが、外国人の皆さんとしては白川郷には行っておきたいのが人情だろうね。
新穂高温泉は、そういう意味では穴場かもしれない。
指宿に泊るなら、開聞岳や桜島も見ておきたいだろう。また、余裕があるなら、せっかく鹿児島に旅するなら、ついでに船や飛行機で屋久島にも足を延ばすチャンスではある。
外国人のお気に入りランキングで、乳頭温泉が1位というのは、よく調べてるなあと思うと嬉しくもあった。
箱根や熱海は東京から近いし、下呂は名古屋から比較的行きやすいからランクインするのは、改めて考えてみれば納得。
だが乳頭温泉となると、仮に東京滞在をからめたうえで行くとなると、けっこう時間がかかるはずだ。電車だけで着く場所ではないし。
にもかかわらず、1位とは。
また、登別にしても、指宿にしても、日本人が選ぶならともかく、外国人の方がそこを選ぶなんて、なかなか「通」な気がする。
相当、日本を下調べしてきてくれてるんだね。
しかし、このランキング、外国人(主に西欧人)に対して行われたものですよね。
そうであれば、かなり興味深いです。
だんぞうさんは、日本全国制覇されましたから、このランキングに納得したり、「もっと魅力的な温泉がある」という思いもあるでしょうね。
それにしても日本全国温泉があることには、改めて感動しました(笑)
なので、このランキングは不動のランキングではないでしょう。
大分県では由布院も有名ですね。
ネームバリューでは、伊香保温泉や道後温泉などか入ってもおかしくないでしょうし、それは由布院にも言えますね。
日本の温泉文化の風情は、外国に誇れるものだと私は思ってます。