時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

森の小人  by あがた森魚

2019年10月10日 | 音楽全般

 

このバージョンを初めて私が聴いたのは、「にほんのうた  第1集」というアルバムで、だった。

この「にほんのうた」シリーズは、日本の伝統的な童話・唱歌を、Jポップの色々なシンガーが1曲づつカバーした音源を集めたコンピレーションアルバム。

で、その初回作であるこの「第1集」が発売されたのは2007年。

 

実は、こういう企画、私はこの企画が出来る随分前から待ち望んでいた。

昔、こういう企画がなかったころ、某所でこういう企画を提案したこともあった私。

そう、日本の伝統的な童謡や唱歌を、Jポップのシンガーがカバーして、そういう音源を集めたコンピレーションアルバムを作ってほしい・・・という提案。

それが実現したような企画だったので、このアルバムが出た時、飛びついた。

 

で、この企画アルバムの第1集に、あがたさんの「森の小人」は収録されていた。

 

もともと「森の小人」という曲は私は大好きで、時代屋のライブでも1度カバーしたことがあった。

かなり自己流のアレンジで。

 

その数年後にこのアルバムが出て、聴いてみたら、まさかあがたさんがカバーした「森の小人」が聴けるとは!

私は、あがたさんのことも元々好きだったし、アルバムも持っていた。

自分の好きなミュージシャンが、自分の好きな童謡をカバーしてくれていたわけだから、ともかく嬉しかった覚えがある。

なんか、個人的に、あがたさんと趣味や意見が合ったような気もした(笑)←何様のつもり?

 

私のユニット「時代屋」では、この曲は、ちょっとはねるようなリズミカルな感じで演奏した。

それをあがたさんがどう料理してくれるか。聴きものだった。

 

聴いてみたら、あがたさんらしい世界観のアレンジ。

どこか「ちんどん屋」を思いおこさせるような、レトロな大正・昭和サウンド。

で、サウンドも歌い方も、どこか妖しい魅力であふれていた。

いやあ、さすが。

まさに、あがたワールド。

あがたさんが料理するなら、こういう感じでなきゃ!という感じ。

 

ふと思い出したのだが、私はユニット「時代屋」のライブでは、何曲かカバーもやってきている。

私がライブでカバーした曲の中には前述の通り、この「森の小人」もあったし、他には能登道子さんの「むらさきの山」という曲もあった。

「むらさきの山」は、能登道子さんの曲を、あがたさんがアルバム「永遠の遠国」でカバーしていた曲。それを聴いて、「むらさきの山」という曲に惚れこみ、私もカバーしたというわけだ。

「森の小人」を私がカバーしたのは、あがたさんのバージョンを知る前だったので、あがたさんに影響されて「森の小人」を私がカバーしたというわけではないが、「むらさきの山」は明らかにあがたさんの影響で私もカバーした。

確かなのは、あがたさんがカバーした曲のうちの2曲を、私もカバーしている・・・ということ。

やはり私は、あがたさんの音楽センスに共感しているのだろう。意識的にも無意識的にも。

 

 

ちなみに「森の小人」という童謡は、私は子供の時には知らなかった。

大人になって、仕事上の調べ物で、あるアニメをモニターしてた時に、作品中にこの曲が流れ、その場で一発で気に入ったのだった。

 

聴けば、私の友人は、この歌を子供の頃から知っていたらしい。子供の時に親から買ってもらった童謡アルバムの中に、この曲は入っていたそうだ。

もちろん、そのバージョンは、多分どこかの児童合唱団か、あるいは童謡歌手によって歌われたものであったろう。

 

できれば私も子供時代にこの童謡に出会いたかった気はする。

 

大人になってはじめて出会うのと、子供時代に出会うのでは、受け取り方も違うだろうと思うから。

 

とはいえ、子供時代にこの歌に出会っていたとしても、私はきっと気に入ってたとは思う。

 

 

なんでも、最近はこの曲は、子供向けの童謡のコンピレーションアルバムには収められないことも多いらしい。

 

もしかして・・歌詞の中の何かの言葉が、規制にひっかかったりしてるのだろうか。

 

この歌詞の作者が、差別的な意図を持っていたとは思えないし、古くから愛されてきた曲なのだから、シンプルに愛されていけばいいのではないかと思うのだが。

 

ともあれ、昨今の童謡アルバムからは外されがちなこの曲が、Jポップのベテランミュージシャンの手によって新たに命を吹き込まれたのは、嬉しい限り。

このバージョンを初めて聴いた時、私はそう思った。強く。

 

 https://www.youtube.com/watch?v=90AJ0VLSKic

 

 

 それにしても、、あがた森魚さんの音楽的な姿勢は、根底にある一貫性にぶれがなくて、独自の世界観があり、本当に素晴らしいと思う。

孤高とも呼べる存在感、音楽性があり、その姿勢は尊敬に値すると個人的に思っている。

こういう音楽性・世界観のシンガーソングライター、他にいないもの。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« コンビニで新潟のイタリアン | トップ | 台風19号が去って »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (鮎川愛)
2019-10-11 01:07:23
だんぞうさんがユニット時代屋にて、カバーするほどですから、その魅力は痛切によく判ります。


私も、あがたさんが作り出すレトロ・サウンド大好きですよ。

だんぞうさんがカバーされた時は、どのような曲調になったのか、そちらも興味深いですね(笑)


だんぞうさんが幼い頃から愛されてきた楽曲を、大人になられている今だからこそ新しいアレンジでカバーする。

そうして、改めてオリジナル楽曲の構想も湧いてくるのではないでしょうか?
返信する
Unknown (だんぞう)
2019-10-11 11:43:48
あがたさんは、初期の「赤色エレジー」の頃から、根っこにある「狙い」が一貫しています。
そんな点が好きです。

私が「森の小人」をカバーした時は、あがたさんのようなゆったりした感じではなく、はねるような感じでカバーしました。
独自のイントロなどを加えたりしながら。


この童謡が、昨今「埋もれがち」なのが残念です。
そういう意味では、あがたさんのようなミュージシャンが復刻してくれるのは、意義があることだと思います。

返信する

コメントを投稿

音楽全般」カテゴリの最新記事