ムーン・フラワー by サンタナ
サンタナといえばラテンロックとも形容されるロックバンドで、息の長い歴史を誇る。
ヒット曲は数多くあるが、代表曲というと「哀愁のヨーロッパ」「ブラック・マジック・ウーマン」「僕のリズムをきいてくれ」あたりか。もちろん、他にも名曲やヒット曲はあるけれど。
今回取り上げる「ムーンフラワー」という曲は、個人的には「哀愁のヨーロッパ」に並ぶサンタナのインスト名曲だと私は思っている。
「ヨーロッパ」も「ムーンフラワー」もどちらも、日本では若者だけでなく年配の世代にも受け入れやすいメロディを持っている曲だ。
それこそ、ロックファンはもちろん、歌謡曲や演歌が好きなおじさんたちにも受けそうな曲調に思えた。
ちょっとギターを弾く人なら、完全コピーはともかく、曲の一部だけでも弾いてみたくなるようなインスト曲だ。
カルロス・サンタナの弾くギターワークの特徴のひとつに、一音を長く長く伸ばすことがあり、それは例えば「哀愁のヨーロッパ」という曲のライブバージョンなどには顕著だ。
だが「ムーンフラワー」では、そのへんは抑え気味。少なくてもスタジオバージョンでは。
音色もクリアーで軽めの音色だ。
メロディアスなメロディの魅力で最初から最後まで聴かせる曲だ。
この曲を私が初めて聴いたのは「ムーンフラワー」というタイトルのアルバムで、だった。
おそらくそのアルバムがこの曲の初収録だったのだと思う。
アルバム「ムーンフラワー」はジャケットがとても印象的で、一面の雲海に山脈を島のように浮き上がらせている風景写真で、雄大なジャケットだった。
内容の方は、スタジオ録音曲とライブ録音曲をおりまぜた内容になっており、サンタナのアルバムの中でも傑作の呼び声が高い名作。
サンタナの看板曲も収録されており、そんな名作アルバムのタイトル曲でもあった「ムーンフラワー」という曲は、サンタナもかなり重視していた曲だっただろう。
で、実際に「ムーンフラワー」という曲は、そう扱われるにふさわしい名曲だったというわけだ。
私はこのアルバムを、発売されてまもなくの頃に、リアルタイムで入手した・・・のだと思う。
購入したのは、ある年の大みそかだったと思う。
当時私は大みそかには何枚もLPを買いこみ、正月休みはそれらを聴いて過ごしていたのだが、その年の大みそかにも何枚ものLPを買いこんでいた。
その中の1枚が、サンタナの「ムーンフラワー」だったはず。
だが、その大みそか当日は、夜は友人たちとの集まりがあったと思う。
当時の私をとりまく環境には、大みそかにはそんな習慣(?)があった。
地元の喫茶店に皆で集まり、車何台かに分乗して、初日の出を見にいく予定があった。
なので、大みそかに何枚もLPを買ってはきたものの、その日はあまりLPを聴けなかった覚えがある。
初日の出を見に行って帰宅したのは、元旦のお昼ごろ。
初日の出は徹夜で見に行ってたので、帰宅した時はともかく眠かった。
帰宅してほどなくして仮眠をとり、目が覚めたのはもう夜だった。
元旦というのは、当時の私にとってはテレビ三昧の習慣があったので、大みそかに買いこんだ何枚ものLPは結局元旦には聴けずじまい。
とはいえ、正月も3日目くらいになってくると、テレビにも飽きてきていた。
そんな時こそ、大みそかに買いこんだ何枚ものLPが役にたった。
やっとじっくりと聴くことができたサンタナの「ムーンフラワー」というアルバムだが、ともかく1曲目から良かった。
官能のギター・・・と呼ばれたカルロス・サンタナのギターワークは、相変わらず色っぽかった。
そう、カルロス・サンタナのギターは、色っぽかったのだ。
どこまでも1音を長く伸ばすスタイルは、ちょっと聴いただけでもサンタナのギターだとわかるぐらい、個性があった。
「ムーンフラワー」というアルバムで、熱のこもった楽曲群の合間に、ちょっと落ち着いた感じで登場した「ムーンフラワー」というアルバムタイトル曲は、実に聴きやすく、リスナーにとって動いてほしい方向にメロディがちゃんと動いてくれてる気がした。
「哀愁のヨーロッパ」がそうであるように、この「ムーンフラワー」もまた、そのギターフレーズをつい口ずさんでしまいたくなるほど、キャッチーでメロディアス曲だ。
今でもこの曲を聴くと、このアルバムを買った日に、旧友たちと初日の出を見に行った記憶が私の中でよみがえる気がしている。
当時、元気だったなあ、私(笑)。
皆で、一睡もせずに行ったものなあ。
今それをやろうとすると、絶対に途中で仮眠でもとらないと・・・。
ちなみにムーンフラワーとは日本名で「夜顔」という植物で、花言葉は「夜の思い出」「夜」「妖艶」だそうだ。
https://www.youtube.com/watch?v=x5b3VBUW2ok
薄暗いカフェや、夜のバーにも似合いそうです。
インストなら、ゆっくり横になりながら聴いて子守唄にするにも最適ですね。
私は、インストではヴェンチャーズばかりなので、あまり寝るにはふさわしくありませんけど(笑)
流す場所によっては、妖しい(?)雰囲気になるかもですね(笑)。
色っぽさもある曲ですから。
ベンチャーズですか?
渋いですなあ。
ビートルズは今でも様々なところで話題にあがりますが、ベンチャーズの話題は最近はあまり耳にしなくなりました。
でも、日本のシニアの間では、潜在的なファンは多いと思います。