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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

80年代、サウンドが鍵盤隆盛の時代

2020年10月08日 | 音楽活動

 

70年代は日本ではフォークがブレイクし、市民権を完全に得た。

フォークではアコギが中心だった。

アメリカではウエストコーストロックが人気を集め、それは日本にも入ってきて、一時代を築いた。

ウエストコーストロックは、エレキとアコギがうまく融合されているのが多かった。

例えばイーグルスなんて、その典型に思えたし。

なので、日本でもウエストコーストロックが流行ると、そこでもアコギは重要なパートであり続けた。

 

やがて時代は80年代に入った。

80年代に入ると、ヒットチャートに登ってくる楽曲のサウンドにも変化が出てきた。

それは、サウンドが鍵盤楽器中心になっていったことだった。

特にアコギは出番が減っていった印象があった。

エレキギターは、ソロなどで出番があったりしたが、全体的にサウンドはシンセがメインのサウンドになっていった。

なんというか、この頃は、アコギそのものが時代遅れな扱いにされているような印象があった。

それは日本だけでなく、洋楽でもそういう傾向はあった。ともかくシンセメインのサウンドがヒットチャートに溢れていた。

 

実際、この当時のアコギはあまり売れなかったらしい。

あの世界的なアコギメーカーであるマーチンでさえ、あまり収益があがらず、仕方なくリストラなどもあったと聞く。確か、規模を縮小した部門もあったのではなかったか。

アコギ界にとっては、闇の時代だったのだろう。

 

アコギが息を吹き返すのは、90年代に入ってから。

「アンプラグド」という番組が人気を集めたのが、アコギ復権に役だったという。

「アンプラグド」は、普段エレキを弾いてるミュージシャンが、アコギを手にしてライブを行い、それを中継する番組だった。

その番組の中で、特にエリック・クラプトンがマーチンギターを手にして演奏した回は大きな話題を集めた。

その様子はライブアルバムになり、かなり売れた。

それをきっかけにマーチンアコギは見直され、エリックが使ってたマーチンへの関心が高まった。

それを見逃さなかったマーチンは、エリッククラプトンモデルを発表。

000-28ECという型番のモデルだったと思う。この型番の名前に入っている「EC」とは、もちろんエリック・クラプトンのイニシャルだ。

このモデルは売れに売れたらしい。

エリックのおかげでマーチンはすっかり息を吹き返した。

このことにマーチンはエリックには感謝しているらしく、その後もエリックモデルを何種類も制作することになった。

 

で、マーチン社が息を吹き返したことで、アコギ界全体も息を吹き返すことにつながった感はある。

 

とまあ、「アンプラグド」や、そこに出演したエリックの存在という起爆剤があったから復活できたアコギだが、ホント80年代に入ってから「アンプラグド」までのアコギは、辛い時代だっただろう。

私もその頃は、エレキバンドを組んで、エレキに走っていたし。

我が家でも、・・そういえばアコギを弾く機会は減っていた気がする。

ギターを弾く時は、エレキが多かった。

同時に、シンセを買ったのもその頃。

なので、世間の流れと同様にエレキとシンセで曲を作ってた覚えがある。

とはいえ、もともと大好きだったアコギではあるので、まったく弾かなかったわけではなかったが・・・。

 

私はアコギの当時の没落を寂しく思っていたのは確かだったので、なんとかバンドにアコギを導入して、アコギに出番を与えたいとは思った。

そこで必要になったのが・・要するにエレキバンドにアコギを導入するのに必要だったのがエレアコだった。

エレアコであるオベーションギターを買ったのも、その頃だったし。

 

私は、鍵盤メインのサウンドはしっかり受け入れながらも、なんとかアコギに復活してもらいたいという気持ちはずっと持ち続けていたので、アンプラグドでアコギが復活した時は、すごく嬉しかった覚えがある。

 

 

以前日記でも書いたが、昨今はダンスミュージックに押されぎみで、ギターそのものが昔ほどには売れなくなっているらしいが、そのギターがまた復活する日は来るのだろうか。

さすがに絶滅することはないとは思うが、もしまた復活するとしたら何が必要だろう。

アコギが売れなかった時代に「アンプラグド」という番組が登場し、エリック・クラプトンみたいな象徴的なギタリストがいたように、ダンスメインの音楽界に、そういう番組やギタリストの大スターが登場しないといけないのかもしれない。

 

 

80年代に入ってアコギが廃れ、シンセメインの時代になった頃があったおかげで、私はシンセにも手を出すことにつながった。いわば、シンセを入手する、いいきっかけにはなった。

そのシンセは、自主制作アルバムを作る時に役に立った。

なので、私個人的にも、80年代で鍵盤中心の音楽界になったことは、多少なりとも自分のために得るものはあったと言える。

 

なので、ダンスメインの音楽界が、ギターを愛する人たちにとって、なんらかのきっかけを与えることにつながり、それが将来のギター復活につながればいいな・・・とは思う。

だから、ギターを愛する人たちには、ダンスメインの風潮をうまく「何らかの要素をおいしいとこどり」できればいいと思うし、ギターに対しては変わらず愛し続けて頑張っていってほしい。

 

復活の日のために。

そんな日が来ることを信じて。

 

 

 


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2 コメント

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Unknown (鮎川愛)
2020-10-09 21:06:15
鍵盤楽器、ピアノやオルガン、そしてキーボードがギターを凌いでいた時代もあったのですね。

鍵盤楽器を使いこなすミュージシャンとして、真っ先に思い浮かぶのは、リトル・リチャード、ファッツ・ドミノ、レイ・チャールズ、エルトン・ジョンスティービー・ワンダーなど。

彼らは、それぞれ音楽ジャンルや時代は異なりますが、ギターを多用している音楽にも勝る魅力・迫力を発揮していますね。

私が理想とする音楽は、ジャンルに細分化されず、スキッフルバンドのように、ギター・ベース・ピアノ・ドラムス混成で即興的に歌い奏でる事が出来ることです。


現代では、弦楽器も鍵盤楽器も等しく人気ありますから、「音楽の根源」に還った音楽を期待したいですね。
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Unknown (だんぞう)
2020-10-09 21:41:59
80年代は、そういうサウンドが多かったです。
特にヒットソングは、そうでした。

鍵盤をメイン楽器にするミュージシャンは多いですよね。
ビリー・ジョエルもそうですし。
私は、子供の頃から鍵盤楽器を学んでおけばよかったと思ったことは何回もあります。

スキッフルは、レノンがビートルズ前にひところやってたスタイルでしたね。

できれば私はドラムもマスターしておきたかったです。

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