京都南座で若旦那の踊りを見ながら、
家元が天に召されてから、初めて、はらはらと涙を流しました。
どうしても泣けなかった、胸に痞えていた何かがすっと消え落ち、
どうしても認めたく無かったその死を理解し、お別れを言いました。
巳之助さんの「流星」お顔がお父上に良く似ています。 巳之助さんの南郷力丸
京都南座で若旦那の踊りを見ながら、
家元が天に召されてから、初めて、はらはらと涙を流しました。
どうしても泣けなかった、胸に痞えていた何かがすっと消え落ち、
どうしても認めたく無かったその死を理解し、お別れを言いました。
巳之助さんの「流星」お顔がお父上に良く似ています。 巳之助さんの南郷力丸
江戸歌舞伎ならではの演目を選んで、乗り込んだ京都 南座。夜の部の二本立ての演目の最初のものも音羽屋の持ち狂言の「白波」もの。そして、この『闇梅』も江戸のもの。
というわけで、洒脱な江戸歌舞伎の世界が展開。最近は江戸だの上方だのの区別がなくなってきているとはいえ、やっぱり気質の違いは歴然としているのでしょう。
そんな中で、巳之助さん良かったです。傘一本足なんて「労多くして実り少なし」というお役で、片足で踊るだけならまだしも、その片足に下駄を履いて、しかもその下駄は一本歯(歯が一本しかない下駄)、最後には宙づりにも挑戦して大活躍。お父上の三津五郎丈も平成3年の歌舞伎座公演では傘一本足を演じられました。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^
以下「歌舞伎美人」からの情報です。
<場一覧>
大名邸広間の場
葛西領源兵衛堀の場
廓裏田圃の場
枯野原の場
庭中花盛りの場
<配役>
骸骨/読売 中村 種之助
小姓白梅/雪女郎 尾上 右 近
新造 中村 米 吉
河童 中村 隼 人
傘一本足 坂東 巳之助
狸 中村 歌 昇
大内義弘 尾上 松 也
<みどころ>
「百物語」とは、大勢の人が集まり百種の怪談を物語り、点けておいたたくさんの灯火を一つひとつ消しながら怪談噺に興じる遊びのことで、すべての灯りが消えて真っ暗になったときに怪異が起こるとされていました。ある大名屋敷で「百物語」が行われ、最後の灯火を小姓白梅が消すことになります。そこで起こる怪異に始まり、狸や河童、一本足の傘など妖怪の踊りが続きます。
雪の中に現れる雪女郎と新造の踊りや、骸骨やその後の読売のくだりなど、おかしみとみどころに満ちた舞踊です。
京都 南座で上演中。巳之助さんは『夜の部ではこちらの演目に出演していますよー
『弁天娘女男白浪』(べんてんむすめ めおの しらなみ)
通称は「白浪五人男」世話物、河竹黙阿弥 作、全三幕九場。本名題は『青砥稿花紅彩画』ですが、弁天小僧の出がある場のみを上演する際には『弁天娘女男白浪』と外題が替わります。
さらにそれを尾上菊五郎丈がつとめる舞台に限っては特に『音菊弁天小僧』(おとにきく べんてんこぞう)と外題が替わることもあります。歌舞伎では同じ演目でも、その上演する場や状況に因って外題が変わることがあるのですね。
この物語は、石川五右衛門、鼠小僧と並ぶ日本屈指の盗賊「白浪五人男」の活躍を描きます。何と、大泥棒が主役の物語!落語や歌舞伎には多いのですよ。
さてこの中で、うちの若旦那 巳之助さんは南郷力丸を演じています。そのセリフをご紹介しましょう。
^^^^^^^^^^^
さてどんじりに 控えしは
潮風荒き 小ゆるぎの
磯馴の松の 曲りなり
人となったる 浜育ち
仁義の道も 白川の
夜船へ乗り込む 船盗人
波にきらめく 稲妻の
白刃に脅す 人殺し
背負って立たれぬ 罪科は
その身に重き 虎ヶ石
悪事千里と いうからは
どうで終いは 木の空と
覚悟はかねて 鴫立沢
しかし哀れは 身に知らぬ
念仏嫌ぇな 南郷力丸
^^^^^^^^よっ「大和屋」
京都 南座に、坂東巳之助さんが出演します。
亡き父上の遺志を継いで頑張ってくださると思います。
みなさま、どうか応援してください。
~~~~~~~
松竹創業120周年
三月花形歌舞伎
昼の部
『流星』 流星
夜の部
『弁天娘女男白浪』
~浜松屋見世先より稲瀬川勢揃いまで~
南郷力丸
『闇梅百物語』 傘一本足