去年の浴衣浚いを振り返ってみると、ありましたーー演目解説の記事が。去年の浴衣会も「松の緑」で始まったようです。
もう一度「松の緑」の簡単な解説から。
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長唄は「松の緑」に始まり、「松の緑」に終わるといわれているそうです。
極限にまで単純化されたため、省くべき無駄が何もない。
作曲者の4世杵屋六三郎、後の六翁はこの曲を作って1年後、
安政の大地震(1855年10月)のショックでお亡くなりになったそうです。
六翁には一男(5世六三郎)二女があったが、晩年長男を亡くしたため、長女六に婿養子をとって6世六三郎を継がせたが、今度は六が急死。そこで次女たきを6世六三郎の後妻にして、2世六を継がせることにした。
その結婚と襲名を祝って作られたのが「松の緑」なのです。
歌詞の簡単な意味は、
『今年からこの新たな年を何度迎えることだろうか。
緑と言う名は、禿(かむろ。遊女見習いの子供)の名に良くあるそうです。
栴檀は双葉より芳し、といわれるように、
太夫(最高位の遊女)になるような子というのは子供のときから何かが違うと言うが、
お前もその通りですよ。
晴れて夫婦となった今、どうか共白髪まで添いとげておくれ。
そして襲名おめでとう』
長男、長女と二人を亡くし、次女のたきに託された念いは如何ばかりかと。
この名曲がそれを物語っているかのようです。
彼女は、日本舞踊のテクニックにおいては、まだ初歩ですが、外国人とは思えないほど、日本の心の機微を踊れる稀な才能を持っています。
みなさま、ぜひ応援してください。どうかよろしくお願いいたします。
She is my disciple who is in Taipei.
I hope that she is able to learn the Japanese dance.
大正5年に京都で出版された「風俗研究」250巻ほどもある内の16冊を、早稲田の古書店で見つけて入手。万葉集に表れる寧楽時代の風俗;宗教や教育、人情なども丁寧に記されていて、興味深いです。