デカイパーの「ストロベリークリーム」というリキュールです。
本格的なBARであまり置いているところは無いと思います。
何故なら、すでに出来上がったカクテルみたいなリキュールなので、
手抜きをしているようで好まれませんし、こいつを使うカクテルもほとんど
ないんじゃないかなぁ~。
せいぜいミルク割りぐらいだもんなぁ~。
何故こいつがOwlにあるのかというと、
拙者用のマイボトルなのです。
このボトルを見ると、色々と思い出すことがあります。
当時、18才のオイラは昼は働き、夜は夜間高校に通う日々を送っていました。
将来の目標も無く、夢も無く、ただただ無意味に毎日を送っていました。
ブラブラ遊んでばかりのオイラに見かねた母が、
「手伝ってくれ」と言われた魚屋さんに勤め、
せめて高校だけは、と思い夜間高校へ通わせてくれました。
「不況」って身を持って感じたのもこの頃でした。
店の親方は、昔ながらの職人さんで、頑固。
その日揚がった一番のマグロを選び、落札。
キロ2300円のマグロ。
全体で56キロなので、56×2300=128800円。
一匹のマグロの金額です。
そのほかの魚の金額を合わせると、一日で幾らの仕入れをしたことか。
たぶん、毎週新車が買えてます(笑)
それでも、目利きが凄くて有名なので、
高級なすし屋さんや高級な料亭など
色々なお店や料理人と取引していました。
が・・・やはり不況です。
「上から単価を下げろって言われて・・・。」
つまり、高くて良い物より、安くてそこそこの物がニーズなのです。
それでも、一番の魚を仕入れます。
職人なのです。
当然、経営悪化は必至。
漁連に支払う魚代もままならなくなり、
日掛けの町金からお金を借りたりしてました。
母がよく、取立て屋に謝ってたなぁ~。
でも、一番きつかったのが、
魚は生もの。
日が経てば鮮度が落ちます。
鮮度が落ちれば値段も下げざるを負えません。
ちょうどそのタイミングにお店に来て、
「これ、いつの?値段落とせる?」
って言われること。
結局、原価割れで売らなければいけません・・・。
一度、悔しくて泣きながら捨てた事もあります。
でも、開き直って、少しでもお金にしなければなりません。
誰も悪くはないもんな。
でも、現在、沖縄で有名なすし屋には絶対行かないっす。
その頃から学校にも行かなくなりました。
高校が私服で、いつも同じ服装だったので恥ずかしくてね。
今思えば、小さい人間っすね。
だから、オシャレは苦手っす。
友達に誘ってもらい、中華料理店で夜もバイトして
遊ぶお金を稼いで借りた洋画の「カクテル」の
衝撃ったら凄いもんでした!!!
トム・クルーズがかっこいいとか、
バーテンダーがかっこいいとかじゃなくて、
「こんなゴージャスな世界があるのかっっ!!!!!」
っていう衝撃でした!!!!!
その当時にスーパーゴージャスな叶姉妹を見たら卒倒してたでしょう。
カクテルグラスの液体が凄く高級なドリンクに思えて、
なけなしのお金で買ったのが、
「デカイパー・ストロベリー・クリーム」
でした。
安物のシェーカーにミルクを入れて、
シャカシャカとまねして造って、
紙コップに入れて飲んでたよな。
元気かな。
今では少し上手くなって上等なお酒も知ったけど、
初めて飲んだこいつにはどれも敵いません。
いつかまた、一緒に飲みたいなぁ~。
http://barowl.ti-da.net/