本日NHKの地上波で放送していたのを観た。2020年公開当時は面白そうと気になってたが元々テレビドラマだったんだね。
黒沢清監督がヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞したことも知ってたので更に気になる。だいたい映画をテレビで見ると
画像がそんなに綺麗じゃないんだけどこの作品は元々NHKのBS8Kでドラマ化されてたのでテレビでも画が綺麗。
個人的には、面白いと思う。どう解釈してもいいように作られているけど散漫にはなってない。凄い力量だと思う。
反戦を訴える戦争映画ではなく、サスペンスものと言うのかどうか、夫婦間の応酬が見ていて緊迫感あるが、答え合わせは特にない。
蒼井優がただ夫の傍にいたいがため、出来うる限りの力を尽くそうとする妻を演じているが、良かったですわー。夫を守るため、
甥を犠牲にすることも厭わず、真実を知ろうとする強さと熱意を大げさにならずに、しかし観る側に爪痕を残す表現している。
今更ながらいい女優さんだと気が付いた。高橋一生も良かった。どんな時も激昂することなく、最後の最後は妻を裏切り1人で
消息を絶つ夫を嫌味なく演じてのけている。何を考えてるのかわからないのにモヤモヤ感がないという作品は初めてかも。
時代設定や機密を扱うという設定もあるから所かまわずべらべら本心を語らないことに説得力もあるんだろうけど。
夫が本当は妻を切り捨てたのか、危険な目に合わせたくないがために置いていこうとしたのか、それはどっちでもいいなと思う。
この時代に限らず、男性たるもの聞いたところでどうせ本当のこと言わないみたいな部分もあったりする。それでいいんです。
作品の世界に入りつつ、観終わってみると制作側のいい作品を作りたいという意気込みが凝縮されてる感も伝わった。
どう転ぼうとも熱意こそが人を動かすって事だね。
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