トゼンの世相斬

政治経済で日々思いついたことを書き綴ります

菅首相 辞任?

2021-09-03 13:41:07 | 日記
菅首相が総裁選に出馬せず、事実上9月末で退陣することになったそうだ。本人は出馬するつもりだったのに、現総裁が出馬を諦めたのは歴代5人目でとても珍しい話だ。

結局国民からの支持率が低いことがネックで、このままでは来るべく衆院総選挙で負けるという危機感が自民党内で高まったそうだ。

今から思えば、改めて首相の戦略性の無さを感じる。本人に無くてもそういう資質を持った人を側近で置けばよいのにそういう人もいなかったようだ。

安倍さんの時にはいろいろ批判もあったが、首相補佐官が色々と戦略を練って対応していたようだが、菅さんになって首相補佐官って殆ど聞かなくなってしまった。そういう人材がいないのか、菅さんに使う器量がなかったのか。

昨年9月に安倍さんの後を受けて総裁選に勝って首相になった菅さんだが、当時盛んに言われていた解散総選挙にはついに踏み切らなかった。彼の戦略では、地道に仕事をこなして、オリンピックパラリンピックを大成功させた勢いで今年の総裁選と衆院総選挙に圧勝する、というものだったようだが、そもそもそれが間違い。選挙って実績を誇示して行うのではなく、期待を煽ってするものだ。

人は期待に投票する。昨年の9月の首相就任直後に、新政権の方針の是非を問う、とか言って解散総選挙していれば自民党は勝利していただろう。そうなれば今年の総選挙はなく、自民党も危機感が高まることもないので、首相退陣なんてことにはならなかっただろうに。これが戦略の間違いその一。

次にコロナ対策だが、ワクチン接種に全力を挙げていること自体は正しい戦略だと思う。海外の事例を見てもコロナを制御するにはワクチンしかないのは事実。ただ、デルタ株の登場で今までうまく感染拡大を抑えていた日本も他の欧米並みに感染が広まってしまったのが誤算。

ところが菅首相はそれでもワクチン接種の一本足打法。後はひたすら緊急事態宣言で国民に自粛を求めるだけ。これでさらに五輪も強行したら国民は怒るでしょう。ロックダウンを可能にする法制化を検討するとか、野戦病院をプレハブでいいから建てる検討をするとか、姿勢だけでもいいから別の方策を見せればよいのに全く無し。

解散総選挙のこともそうだが、菅さんは選択肢を一つしか持たず、それ一直線という傾向があるようだ。やはりトップは色々な選択肢を同時に検討すべきなのに。これが戦略の間違いその二。

最後はつい先日起こった解散するといいながら結局止めたこと。新聞などでさんざん書かれているが、一度正規に決まった総裁選の日程を吹っ飛ばすなんてことを総裁がやってはいけない。案の定、周りのみんなに止められて断念したらしいが、そうした発想を持つこと自体がトップ失格だと思う。これが決定打なんでしょうね。

次の首相が誰になるのかまだわからないけど、最初のスタートは結構楽かも。コロナは間違いなく収束するだろうし、何か不都合なことがあってもそれは菅がやったことと言っていればよいから。

そうなると菅さんは貧乏くじを引いたかわいそうな人だったのかな。