Economy of lifeという言葉をご存じだろうか?
大まかいうと「生活に密着した経済」という意味となる。フランスの著名なコンサルタントであるジャック・アタリ氏がこれについて下記のブログに書いている。
http://www.attali.com/en/prospective-en/theres-more-to-life-than-just-gdp-2/
ちょっとわかりにくい文章だけど、誤解を恐れずに内容を一言でいうと次の通り。
コロナ禍ではEconomy of lifeを維持する必要があり、家庭及び政府はこれらに集中的に経済的出費を行うべきで、それ以外の経済には金を使うべきではない。何故なら例えワクチンや治療薬が今すぐに出来ても今後2年は需要がもとに戻ることはなく、Economy of life以外の多くの企業は潰れていく。
Economy of lifeの具体的な産業で例に挙げられているのは健康、衛生予防、食料、教育、公共交通機関等‥であり、それ以外の産業とは自動車、航空、ファッション、贅沢品、観光等‥。
今、日本ではGoToトラベルの是非が話題になっているが、上記アタリ氏の議論はとても示唆に富んだものではないだろうか。この数か月、経済を回さなければならないと言ってキャンペーンが目白押しであったが、一方でコロナ対策として新しい病院を設立したとか、看護婦増員のための緊急プログラムを始めた、ということは寡聞にして聞かない。逆に医療スタッフのボーナス減なんてニュースが流れてくる。そして、欧米と桁違いに少ない感染者数なのに医療崩壊が近いとマスコミは報じる。
我々は一体何をやっているのだろう?
守るべきものはEconomy of lifeなのだ。旅行産業にお金をつぎ込んでも構わないが、所詮は延命処置に過ぎないと認識すべきだ。特に財政支出については優先順位を慎重に見極めるべきだと思う。
(To be continued)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます