国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

国鉄改革のあゆみ 13

2010-05-09 12:05:24 | 国鉄改革関連

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前回は、国鉄当局が民営化を睨んで期末手当の支給について査定制度を導入することに対して、最大組織である国労の意見を述べてきましたが、今回は、労使協調宣言を結んで、かっての国労とは一線を画した対応を見せる動労の見解です。

 公企労レポートによりますと。
 動労の佐藤武副委員長は、今回の期末手当の支給について勤務成績を反映する事に対して、下記のとおり答えています。

 今回国鉄が、ボーナスの査定制度を導入したことは、国鉄の今おかれている状況を抜きにしては考えられません。
つまり、雇用問題で労使が苦労している中で出されたわけであり、動労としてもこの間に、共同宣言、広域移動、派遣問題などを積極的に取り組んできました。
 ですから、動労の組合員を正しく当局からの評価を受けることになると信じており、今回の提案も積極的に受け止めたいと考えております。

 今までは、悪平等がはびこっており、苦労しているものとしていないものとの差をはっきりさせて苦労しているものには報いるべきだと思います。
 
 今回当局に特に申し上げたいのは、動労の組合員は今までも、余剰人員解決のための企業人教育、派遣問題、広域移動などを受け入れてきました、そしてこれは良い人を選ぶものでしたが、今回の提案は悪い者を選び出すという意味がありますので、動労としてはそれを重視しているのです。
また、今回の制度は当局が今回の制度を導入する背景として、われわれ組合側からいう立場ではありませんが受け止める側として、今回の制度は「選別」であると捉えています。

われわれとしては、それを意識して対応してきたわけです。

今回の査定では、基準年齢で見たっ場合に、プラス・マイナス3万円の開きがあるのですが、個人的にはもっと差をつけてもよいと考えています。
つまり努力している人にはもっと報いるべきだということです、そういった意味では動労の組合員は全員がプラスであると信じています、ただし、当局は組合を査定するのではありませんが、動労の組合員は家族を含めてこの事態を認識して努力してきたわけですからこの点では、正しく評価をしていただけるものと信じています。

成績率の査定について々考えるかとの問に対しては、下記のように答えています。
公企労レポートの内容を引用しますと。

【成績率の判定は所属長ということですが、それに対する意見は】
提案内容を見ますと所属長、つまり管理局長と言うことになっていますが、材料を提供するのは現場の長です。現場の長だけで決めるわけではありませんがその評価が重くなるのは事実です。いっぽう所属長が査定するとなれば、そこでの判断がかりに1mm狂えば、下の方では10cmの狂いにもなるわけですから、慎重の上にも慎重にやってもらいたいと思います。
その辺これらの交渉の中で確認しながら、慎重な交渉をしたいと思います。いずれにしても、これは方法、手段の問題ですから、これを決めなければ金額の要求ができないし交渉に入れないわけで、じっくり交渉したいけどれど時間的な余裕が無いので、ここを抑えてなるべく早く解決したいと思います。

引用終了

ということで、動労としては今までの悪平等を断ち切るいい機会であり、当局にはそういった点を踏まえた上で、取り扱いには慎重を期してもらいたいと言う事でかっては鬼の動労と呼ばれた頃と比べると本来の労働者を守る組織としてして機能しているように思えます。

再び公企労レポートから引用しますと、

「一般の組合員はどう受け止めていますか】

内容はとにかくとして、こういうものはとうぜんでてくるものと予期していたものと思います。
 動労のこれまでの取り組みは、こういうことを予測してやっていましたから、来るべきものが来たということです。いいか悪いかの議論ではない、こういう状況では当然と受けとめ、動揺はないと思います。

【特定の組合が妥結を拒否した場合、結果はどうなると見ておられますか】

国労も提案は受け多様です。しかし交渉がどうなるかということですね。他組合はとにかくわれわれは、早急にかつ慎重に交渉したい。当局とは人事協議会を130回やるなかで、こういう動きが見られたので早くから用意はしていました。23日のフォーラムで解明を求め、27日には明らかになるということ、内容もある程度知ったので24日の臨時中央委員会で全体の状況を報告、われわれの態度を確認しました。

【このことは、今後にも影響すると思いますが】

提案を見ますと、夏冬のことだけで、年度末のことにはふれていません。年度末は全く出ないのか、出てもわずかで差がついても2~300円ということだと思いますが、われわれは、いただくものはいただきたい。
いずれにしても、今回の提案の影響は大きいと思います。とにかくカットされる人には大きな意味があり。当局のきわめて巧妙なやり方と思います。

ということで、動労としては、今までの交渉を経たなかで当然の帰結として受け止めており、旧態然とした国労とはその温度差が鮮明になってきていることを感じることが出来る対応だと思われます。

注:年度末手当【別名、業績賞与と呼ばれるもので年度末に支給される賞与、郵政の場合は一般的には基準内賃金の0.5か月分が支給されていた。国鉄も動揺程度が支給されていたものと推測される。余談ではあるが、郵政の場合年度末賞与のみ現金支給であったため、家族に知られないへそくりにする人も多かったと記憶している。】

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国鉄改革のあゆみ 12

2010-05-08 01:00:40 | 国鉄改革関連

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国労の第2回目です。
ここは、個別のコメントを書くよりも、公企労レポートを引用するのが良いと思いますので全文引用させていただきます。

【他の組合は、基本的には賛成のようで、査定にも自信を持っているようですが】
そうは言っても、10人の7人は国労の組合員です。その人たちがまじめに働かなかったら列車はまともに動きません。したがって自分たちだけがいい子のつもりであっても、客観的には証明されないでしょう。皆同じ仕事をして、列車を動かしているのです。まじめに働いている労働者を、それが国労の組合員だからと言って差別することがあれば、これは明らかに不当労働行為です。そういうことは、なんとしても排除したいと思います。いずれにしても、初めてのことですから実施されないと何も言えませんが、過去の昇給の場合を見ても多少その傾向はさけられませんから昨日の中央委員会でもいままで述べた内容で方針を決定、これから交渉に入ります。
【現場の組合員はどう受け止めていますか】
かなり反発があるのは事実です。しかし、期末手当は、ローンの支払とか、生活の重要な一部になっていますから、伸ばすわけにはいきません。
一定の時期には最終的な判断をせざるを得ないと思っていますが、公平にやらせるいうことにつきます。

引用終了

ということで、国労の執行部は、今回の査定が組合員を直撃するのではないかとかなり危惧していることが行間から読み取れるとともに、組合員が国鉄職員の7割を占めており、まじめに働かなかったら列車自体まともに動かないといった驕りとも言える発言が見受けられます。

ただ、これ以後国鉄当局は労使協調宣言を締結した組合との協力関係を強めるとともに国労に対しては対決姿勢を見せたことから、国労組合員の減少などから国鉄分割民営化前には最大労組であった国労は第2・第3組合に転落するのですが、それは後ほど語りたいと思います。

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国鉄改革のあゆみ 11

2010-05-05 08:37:37 | 国鉄改革関連

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昨日は、国鉄改革に伴う一環として、職員の給与査定を遅ればせながら導入する方針を決めた国鉄当局の話でしたが、今回は国鉄でも最大派閥の国労の見解について述べて見たいと思います。

国労、酒井副委員長(当時の肩書き)の談話を公企労レポートから引用しますと。

【今回、この時期に期末手当の査定という提案があった背景をどう見ていますか】

 国鉄のいわゆる分割・民営化に向けて労務管理を強化するための差別支配政策の一つとしてこの問題は出されたのではないかと思います。
 しかし、現実には公務員ならびに公労協の各組合にも査定は行われているわけですから、われわれとしては時期も時期であるし、内容的に差別支配は基本的に認められないことであっても、周囲の状況から考えて管理者の心情的行為により勤務成績をうんぬんして差別をつけることを阻止することを前提に、具体的な要求を提示して当局側と早急に交渉をつめたいと考えています。

引用終り

というように、国労らしい回答といえば回答なのですが、あくまでも今回の取組は労務管理の強化であることを前面的に出していることが伺えますが、全て反対というわけではなく、条件闘争的になるであろうということを以下の記者との質問の中で答えている点は注目されます。【国労は最終的には、左派がイニシアチブを取り、さらに先鋭化していくところがあり結局大局を見誤るのですがまだ、この時点ではある程度右派的な抑止力が働いているようにも思えます。】

再び引用しますと。

【基本的には了承ということですか】
いや、査定の方法として二つの方法があるわけですね。期間率については、議論はあっても客観的にわかるものです。
 成績率の方は勤労意欲とか、態度とかいろいろあるわけで、自分では一生懸命やっているつもりでも客観的な基準はない。だからこういうことはやめて他の企業体のように期間率でやるべきだという要求を中心に、早急に自主解決を求めて交渉をつめるという方針です。

とあるように、欠勤期間に対して夏期手当を調整するのはやむを得ないであろうが、成績率の方は基準が曖昧なためということが述べられています。

実際に、郵政でも郵政公社の頃に新給与体系が実施され、成績率による査定が導入されましたが、複雑になりすぎて結局うまく機能しない部分が多々ありました。
民営化された郵政では、動行った給与査定体系になっているのかはわかりませんが、郵政公社時代の方針を踏襲しているのであればかなりややこしい物になっているような気がしてなりません。

ただ、ここで注目しなくてはいけないのが、「勤労意欲とか、態度とかいろいろあるわけで、自分では一生懸命やっているつもりでも客観的な基準はない。」という部分です。

少なくとも、こういった基準は現場管理者による裁量権が大きくなる可能性があるのですが、これに関しては詳細おそらく下記のような職員管理調書に基づくさてが行われたのではないかと思われます。


国鉄があった時代 国鉄再建監理委答申_経営形態から引用


職員管理調書(抄)
基本事項(略)

特記事項

1、一般処分

停職の処分通告を受けた回数は何回か。
停職の処分通告を受けたのは何年度か。
減給の処分通告を受けた回数は何回か。
減給の処分通告を受けたのは何年度か。
戒告の処分通告を受けた回数は何回か。
戒告の処分通告を受けたのは何年度か。
訓告を受けた回数は何回か。
訓告を受けたのは何年度か。
厳重注意を受けた回数は何回か。
厳重注意を受けたのは何年度か。

2、労働処分

停職の処分通告を受けた回数は何回か。
停織の処分通告を受けたのは何年度か。
減給の処分通告を受けた回数は何回か。
減給の処分通告を受けたのは何年度か。
戒告の処分通告を受けた回数は何回か。
戒告の処分通告を受けたのは何年度か。
訓告を受けた回数は何回か。
訓告を受けたのは何年度か。
厳重注意を受けた回数は何回か。
厳重注意を受けたのは何年度か。

3、昇給

3項8号を適用されたことがあるか。
3項8号を適用されたのは何年度か。
注意昇給を受けたことがあるか。
注意昇給を受けたのは何年度か。
抜てき昇給を受けたことがあるか。
抜てき昇給を受けたのは何年度か。

4、昇格

基準昇格において短縮があったか。
基準昇格において延伸があったか。

5、行賞(個人及びグループに対する行賞を対象とし、職場単位の行賞は除く)

本社からの行賞回数(功績章を除く)
地方機関長、部・次長クラスからの行賞回数
運輪長、現場長からの行賞回数
業務に関連して部外団体からの行賞回数

6、派遣

派追実績の有無
派遺の期間(内定を含む)
派遺先からの中途復帰の有無及ぴ中途復帰の理由

7、復職前提休職

復職前提休職中でおるか。
  

評定事項(注意事項)
現職に就いて日の浅い職員については、その者が相当期間を経過した場合を想定し判断すること。その際、前職での状態をも参考にすること。

 

業務知識・・・業務連行に必要な知識はあるか。
技能・・・・・・・業務連行に必要な技能はあるか。
計画性・・・・・業務連行に必要な計画性はあるか。
業務処理の速さ、手際良さ・・・業務連行に当たっての速さ、手際良さはどうか。
業務処理の正確さ・・・業務遂行に当たっての正確さはどの程度か。
判断能力・・・業務運行に当たって、状況に応した適切な判断ができるか。
責任感・・・・・業務連行に当たっての責任感はあるか。
自発性・・・・・自発的に業務に取り組んでいるか。
協調性・・・・・業務連行に当たり、周囲の職員と協調しているか。
業務改善・・・自らの仕事に対し問題意織を持ち、改善・改良等を提起する意欲と能力があるか。
職場の秩序椎持・・・職場の秩序を乱すことはあるか。
服装の乱れ・・・・・・・リポン、ワッペン、氏名札、安全帽、安全靴、あご紐、ネククイ等について、指導された通りの服装をしているか。

①指導された服装をしていないことがあリ、指導しても従わない。
②指導された服装をしていないことがあるが、指導されれば従う。
③常に指導された通りの服装をしている。
④常に指導された通りの服装をしており、その上清潔、端正を保つよう努力している。

指示・命今・・・作業指示・命令を真剣に受け止めているか。
態度・言葉使い・・・態度・言葉使いは適切か。
勤務時間中の組合活動・・・勤務時間中の組合活動を行っているか。

①勤務時間中の組合活動を、時々行っている。
②勘務時間中の組合活動を行ったことがある。
③勘務時問中の組合活動を行ったことはない。
④勤務時間中の組合活動を行ったことはなく、見かければ他の人にも注意している。(注意事項)「勘務時間中の組合活動」とは、「職員の組合活動に関する協約」に基づくもの以外である。ワッペン着用、氏名札未着用については12項で回答すること。

勤務に対する自覚、責任感・・・勤務に対する自覚、責任感があるか。
出退勤・・・出退勤特刻に対し、自ら厳しく律しているか。
信頼・・・・・上司、同僚、部下から信頼されているか。
増収活動・・・増収活動に対して積極的か。
現状認織・・・国鉄の厳しい現状を認織し、業務に取り組んでいるか。
総合評定・・・総合的にみて、次の①~⑤のどのランクに該当すると評価するか。

以下は不明

おそらく、こういった調書に基づく査定をということは聞いていたと思うのですが、それに対して国労としては反対の立場をとらざるを得なかったのでしょうが、成績率の査定は所属長が行うとされているが実際には現場長が行うことになるであろうから、現場長が手心を加える可能性が高いと指摘しています。

というのが、過去に昇給に際して、口実をつけて昇給を遅らせた例など、やはりはっきりしない問題があり、極端な話、顔が気に入らない、顔つきが悪いなどを理由にならない理由をつけた例がなかったわけではないと言われており、そういったことが今回も行われることがあるので反対といっているのですが、ちょっと情けない話と感じてしまうのは私だけでしょうか。

もう少し続くのですが、一度筆をおきます。
次回は国労の主張として、今回の制度導入と新会社への選別について意見を述べたいと思います。

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国鉄改革のあゆみ 10

2010-05-04 11:22:00 | 国鉄改革関連

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国鉄民営化を目前にして、国鉄では期末手当の査定を行うことを決定しましたが、当局の考え方を述べていきたいと思います。

国鉄当局、門野 雄策給与課長の見解を公企労レポートから要約しますと。
現在の国鉄は、職員一丸となって改革に向けて努力を行うべき時であり、そのためには職員一人ひとりの能力、意欲の向上と意識の改革を図ることが必要となっていますし世間でも職員の意識向上を期待していると思います。

そういった時期だけに、信賞必罰を基本とした職員管理を徹底することは、民間企業では賞与への勤務成績等は何らかの形で行われていることに鑑み、今回は職員個人の勤務成績を適時適切に反映させることで、ひいては企業運営の活性化にも役立てることができるように、新たな支払い方法を定めようと言うものです。

以下に、公企労レポートから引用しますと。

先の第八次総点検の中でも、まだ職員の意識、意欲が不十分である。あるいは職員に対する個人指導を強化する必要があるという指摘がされているわけで本制度の導入は、勤務成績を適時適切に反映する人事管理の手法としての効果も期待できる訳で、いわば総点検の総仕上げというような機能も果たす事になるというふうに考えています。このような制度というのは、民間では当然のこととして行われている訳でして、いわゆるボーナスと言うものについては、その期間における成績とか出勤状況等が反映されるのが当たり前であり、むしろボーナスというのはそういう性格を持っていると言うふうに理解されて一般的に行われている訳です。また、公務員等においても、何らかの形で同様の目的の制度が既に導入されている訳です。また、公務員等においても、何らかのヵたちで同様の目的の制度が既に導入されている訳です。また、香味咽頭においても、何らかの形で同様の目的の制度が既に導入されている訳です。ところが国鉄においては、これまでそのようなことがほとんど行われていなかったというのが実態でありましたので、今回提案する事になったということです。

引用終了

というように、国鉄では、民間ではあたり前であって公務員でも一部導入されていた(郵政に関しては殆ど機能していなかったように思います。)賞与制度ですが、何故国鉄では導入できなかったというと、組合との話し合いの中で、「支払い方法」の問題として「引き続き協議」となっていたわけですが、国会で国鉄法案が審議され、民営という方向が示されたことや、労使協調宣言による組合との話し合いができる環境になったことなどの要因が重なり、将来の民営化に向けての準備として導入したいと考えたわけです。

もちろん、この制度が民営化の準備としての導入ではなく、今までこの制度を導入できなかったことを反省しないといけないと考えていおり、職員の意識・意欲、あるいは能力のさらなる向上と、信賞必罰を基本とした職員管理の徹底は必要と考えています。

以下に具体的な支給方法を再び、公企労レポートから引用しますと。

【そうしますと、今まで格差というものはないということですか】
現在も、厳密な言い方をすれば、ボーンすも基準内賃金の何ヶ月分を支給するということになっておりまして、基準内賃金の中には、一年に一回の定期昇給時において勤務成績を多少加味していますので、昇給額も違うということになっています。
それを基にボーナスを計算するということにおいては、きわめてわずかながら、間接的に反映されているということは言えなくもないのですが、勤務成績を適時適切に反映する手法として、また世間でもボーナスというものが、個人ごとの勤務成績等を一般的にどの程度反映させているのかという比較すれば不十分です。また、定期昇給は、年に1かいですし、そもそも昇給の結果というのは、退職時に到るまで影響を持つ、柔軟性を欠いた永続的なものです。ボーナスに一定期間の勤務成績を反映させるということは、まさにボーナスというのは、その都度決めていくものですから、ある時期にマイナスの評価を受けても頑張ればリカバリーもできるということですから、弾力的に運用していける訳です。

引用終了

ということで、今までは定期昇給時に多少の色を付けていたのですが、この辺は多少説明が必要と思われます、

基本的には、公務員(国鉄は正確には公務員ではないが公共企業体は国家公務員法に準じた給与体系であったため、郵政の経験を加味して書いています)の場合は定期昇給【一般的には四号俸】の昇給、ただし、一年に訓告二回【四回?】もしくは、戒告以上で二号俸の昇給停止となるため、組合運動などで処分をなんども受けていると同じ年齢、同じ経験年数でも号俸に差が出るということはありました。
ただし、公務員の場合、特別昇給制度というのもあり、仮に処分等で号俸昇給が停止した場合でも、四年以上優良な成績(いわゆる処分を受けない状態)の場合は、昇給停止分が臨時に昇給する救済措置もありました。もちろん、処分を受けず、特別昇給のみを受ける職員も居るわけでそうなってくると、さらに給与体系に差が出ることになります)
また、退職時の退職金の計算も在籍時の4月1日時点での俸給月額に対する計算ですから、幹部級は退職が6月30日付で、一般職員は3月31日付というのが郵便局の場合は不文律となっていました。
いささかお話が脱線しますが、3月31日で退職だと、4号俸昇給させずに退職金が計算されるのに対し、6月30日で退職させると、4月1日時点で4号俸昇給させたうえ、6月1日に職員として在籍しているため、退職金+夏季手当を支給させることができるということで、郵便局の課長以上は6月末退職、課長代理以下は3月末退職が一般的でした。

話が大きくそれていしまいましたが、少なくとも国鉄では組合の力【主に国労】による悪平等の影響で、阻害されてきたのが、分割民営化という国の大方針が決まったことで進めやすくなったということが言えると思います。

さらに、今回の導入に際してのポイントは下記のとおりです。

一つは、一定期間の勤務成績を反映させること
二つには、一定期間における期間率【いわゆる出勤率】を反映させるということです。

ということで、出勤率を反映させるというところに、国鉄の抱えていた病巣を見る思いがします。

この二つの側面を、個人ごとの支払額を算定する際の要素にすると書かれています。

なお、具体的な内容については、再び公企労レポートから引用したいと思います。

内容として、期間率とというのは、夏期手当の場合は6月1日、年末手当の場合は12月1日という年二回の基準日を起点にこの基準日以前の6ヶ月間を調査期間としているわけです。この期間内において、欠勤期間が4日以上30日以内の場合には、百分の10、同様に31日以上90日以内の場合には、百分の40、91日以上の場合には百分の70をカットするということです。逆に言いますとその全期間を休んでも、3割は支給すると言うことにしている訳です。これは、初めての導入であるということと、ボーナスそのものが一定の生活給といいますか月例賃金をカバーする要素もあることを考慮し、カット率を百分の70で止めているということです。なお、欠勤の理由には、色いろある訳で、いわゆる私傷病による欠勤の場合には、この原則に対して大幅な緩和条項といいますか、職員の病気療養中の生活も考慮して、最高で2割の減にとどめるよう配慮しています。この点は国家公務員の制度の場合にも同様の配慮がされていることも参考にいたしました。
 案としましては、私傷病による欠勤期間が4に以上30日以内の場合百分の5、31日以上60日以内で百分の10、61日以上90日以内は百分の15、それ以上は百分の20のカットとしております。
 また、これの例外として、期間率では、余剰人員対策の一環としていわゆる三本柱として進めています退職前提休職、復職前提休職による休職者の場合には、今回の期間については勤務したものとして取扱うこととしています。
 それから、もう一つの大きなテーマである成績率ですが、これも調査期間における職員の勤務成績に応じて、勤務成績の優秀な職員には基準の5%増とし、一方、勤務成績の良好でない職員に対しては、基準の5%減としています。
 つまり、勤務成績の優秀な者とは、例えば、職務上功績があると認められる者、他の模範と認められるということから当然に判断出来る訳で、また、勤務成績が良好でない者とは、平素職員としての自覚に欠ける者、勤労意欲、執務態度、知識、技能、適格性、協調性等について遜色のる者ということで判断したいと思っています。
なお、この対象となる人員は、管理局等の単位を分母にしてその一割を基本にしたいと考えています。

引用終了

ということで、長期の欠勤者よりも、組合として問題としたのは、勤務不良職員のうち、管理局単位で10%の職員は5%の減額を行うことが問題となるわけですが、この辺は次回以降の各組合の意見の中で明らかにしていきたいと思います。

国鉄当局としては、この制度を導入させることで、職員の意識改革及び分割民営化の準備としての前例を作りたいということで、労使交渉をすすめることとしています。

次回は、国労の意見について記述していきます。

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国鉄改革のあゆみ 9

2010-05-03 11:52:43 | 国鉄改革関連

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国鉄が昭和61年に打ち出した、期末手当の査定については、各労組間で大きな温度差がありましたが、今回はダイジェスト版としてお送りしたいと思います。

当局他の各論は後ほどに

今回の期末手当査定に危機感を持っているのは国労であることは前回お話したとおりですが、今回の目的が単なる「給与の査定」に留まらず、将来の職員の選別に連なるところが最も注目すべきところではあります。

そんな中、国労は、以前からの三無い運動「辞めない、休まない、出向しない」の運動方針を堅持しており、一人の職員も選別させないとして頑張ってきました。

実際に、この時点では国労は国鉄における最大組織であり、国労の意向を無視して労務管理はできないルール(コミュルール)があったこともあり、当局としてもとを進めることはできなかったのです。

実際に、先に妥結した昇給協定(この資料がありませんのでご存じの方フォローよろしく)では、当局と先行妥結した組合を待たせて、国労との間の仲裁裁定が出されるまで支払いを停止するなど一定の配慮をしてきたのだが、今回の場合は国労が強く反対しても実行される可能性が出てきました。

というのが、労使共同宣言を行った組合が、動労・鉄労・全施労に加えて、国労から脱退した真国労(国労革マル派が分離したもの)と言う4つの組合があり、仮にこの件で妥結すればこの四組合で過半数を超えていることから、当局側は、これら組合に対して責任を負う形となるわけなのです。

国労とすれば、仮にこの制度が実行されると、国労の方針である「選別させない」を反故にしたこととなるため、何としても阻止したいと思うのですが、そのためには国労による他の組合への妨害工作が必要となってきます。

いわば、国労VS当局の知恵比べとなるわけですが、国労組合員の中からも動揺が広がりつつあるなか、方針を貫き通せるかは難しい状況と予測されました。

なお、仮にこの制度が実行されると減額の対象となるのは、約一割の2万4千人であり、その対象者の多くは当局と協調してきた職員ではなく国労所属の組合員となる公算が強いと考えられます。

この時点では国労は、当局案に対してどのように反論するかを決めかねているようであるが、希望退職者の優遇措置法案(日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律)が5月30日に国鉄改革法案の第1陣として可決成立したこともあり、当局としても国鉄分割民営化は既定の路線として進めていく必要が生じたことは間違いない。
というのは、この法案だけを通して他の法案を通さないと今回の法案自体も意味をなさなくなるため政府としても他の法案を必ず通す必要があるからです。

国労にしてみれば、四面楚歌の状況であり、当局の提案を受け入れれば今までの運動方針を撤回したことになるし、拒否したとすればさらに厳しい現実が待っていることを覚悟しなくてはならないわけで、拒否すれば、民営化の際の職員選別をも認めることとなり、さらに厳しい舵取りを迫られることになるのですが、国労は後述のとおりその方針を変更させる事は出来ませんでした。

なお、その辺は後述させていただきます。

なお、参考までに5月30日に成立した、「日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律」の条文を載せています。



参考 

法律第七十六号(昭六一・五・三〇)

  ◎日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律

 (趣旨)
第一条 この法律は、昭和六十一年度において、日本国有鉄道の経営する事業の再建の推進に関する臨時措置法(昭和五十八年法律第五十号)第三条に規定する日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために緊急に講ずべき措置として、日本国有鉄道の長期資金に係る債務の負担の軽減及び日本国有鉄道の職員の退職の促進を図るための特別措置を定めるものとする。

 (一般会計による未償還特定債務の承継等)
第二条 政府は、昭和六十二年三月三十一日において、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法(昭和五十五年法律第百十一号。以下「特別措置法」という。)第十八条に規定する特定債務(同日までに償還されたものを除く。以下「未償還特定債務」という。)及び未償還特定債務に係る同日において支払うこととなつている利子に係る債務を、一般会計において承継する。この場合において、当該承継に係る未償還特定債務の償還条件のうち償還期限及び据置期限(以下「償還期限等」という。)については、政令で定めるところによる。

2 政府は、前項の規定により未償還特定債務を一般会計において承継したときは、その時において、日本国有鉄道に対し、未償還特定債務の額に相当する額の長期の資金を無利子で貸し付けたものとする。

3 前項の規定による貸付金の償還に関し必要な事項は、政令で定める。

4 日本国有鉄道は、第二項の規定による貸付金に係る債務の処理に係る計理については、特別措置法第二十条に規定する特定債務整理特別勘定において整理しなければならない。この場合において、同条中「第十八条の規定により貸付けを受けた長期の資金」とあるのは、「第十八条の規定により貸付けを受けた長期の資金及び日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律(昭和六十一年法律第七十六号)第二条第二項の規定により貸し付けたものとされた資金」とする。

 (無利子貸付金の償還条件の変更)
第三条 政府は、特別措置法第二十三条の政令で定める債務のうち政令で定めるものについて、同条の規定に基づき延長された償還期限等を更に五年以内において延長する旨の特約をすることができる。

 (特別給付金の支給)
第四条 日本国有鉄道総裁は、職員(日本国有鉄道法(昭和二十三年法律第二百五十六号)第二十六条第一項に規定する日本国有鉄道の職員をいう。次項第三号及び第七条を除き、以下同じ。)が業務量に照らし著しく過剰である状態を緊急に解消するため、退職を希望する職員の募集を行う場合において、五十五歳未満の職員がこれに応じて退職を申し出たときは、その者が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、その者について退職を希望する職員である旨の認定を行うことができる。

 一 昭和六十二年三月三十一日までに五十五歳となる者

 二 日本国有鉄道総裁(その委任を受けて任命権を行う者を含む。)に対しその休職期間の満了する日において退職することを書面により申し出て休職していた者

 三 前二号に掲げるもののほか運輸省令で定める要件に該当する者

2 日本国有鉄道は、前項の認定を受けた職員が退職したときは、その者が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、その者に対し、特別の給付金(以下「特別給付金」という。)を支給するものとする。

 一 国家公務員等退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)第五条第一項の規定の適用を受けないで退職した者

 二 公務上の傷病又は死亡により退職した者

 三 退職の日又はその翌日に、常勤の国家公務員若しくは地方公務員又は特別の法律により特別の設立行為をもつて設立される法人その他これに準ずるものとして政令で定める法人の常勤の職員(以下「特殊法人等職員」という。)となつた者

3 特別給付金は、昭和六十二年三月三十一日までに退職した者に対し支給するものとする。

 (特別給付金の額)
第五条 特別給付金の額は、退職の日におけるその者の給与のうち一般職の職員の給与等に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)に規定する俸給、扶養手当及び調整手当に相当するものの月額の合計額に十を乗じて得た金額とする。

 (特別給付金の返還等)
第六条 特別給付金の支給を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなつた場合には、その者は、運輸省令で定めるところにより、その支給を受けた特別給付金に相当する金額を日本国有鉄道に返還しなければならない。

 一 その支給に係る退職をした日から起算して一年以内に職員、常勤の国家公務員若しくは地方公務員又は特殊法人等職員となつたとき。

 二 国家公務員等退職手当法第十二条の二第一項の規定により支給を受けた一般の退職手当等の全部又は一部を返納させられることとなつたとき。

2 日本国有鉄道は、特別給付金の支給を受けることができることとなつた者であつてその支給を受けていないものが前項各号のいずれかに該当することとなつた場合には、第四条第二項の規定にかかわらず、その者に対し、特別給付金を支給しない。

 (特別の配慮)
第七条 国は、日本国有鉄道の職員が著しく過剰である状態を緊急に解消するための措置が円滑に実施されるよう退職する職員の就職のあつせん等及び特別給付金の支給に必要な資金の確保について特別の配慮をするものとする。


   附 則
 この法律は、公布の日から施行する。

(大蔵・運輸・内閣総理大臣署名)

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一部記述に誤りが有りましたので訂正させていただきました。
謹んでお詫び申し上げるます。


修正箇所は以下の通りです。
誤 国労右派が分離したもの
正 国労内革マル派が分離したもの)

十分精査していきますが、誤り等があればご指摘願います。

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国鉄改革のあゆみ 8

2010-05-01 08:48:23 | 国鉄改革関連

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昭和61年は、国鉄改革の最終年として組合は組織の生き残りをかけたいましたが、国鉄では初めての試みとして、職員の賞与について査定を行うこととなりました。

この方式は、後年郵政にも導入されましたが、査定自体に不透明な部分があり、そういった点では問題が多かった制度では無かったかと思います。

さて、当時の公企労レポートから引用してみますと。

国鉄は分割民営化を控え、この程、夏・冬の期末手当支給の際、民間企業並に職員の勤務成績、出勤状況を査定して支払う制度を初めて導入するとし、国労・動労・鉄労・全施労・真国労などの各組合に提案した。

となっており、国労から分離したメンバー【国労内革マル系】が真国労を結成(新国労と言う名称は以前に使われてていたため)、労使協調宣言を当局と締結しています。(訂正しました)

この制度は、これまでの悪平等を是正し、信賞必罰を適時適切に反映させることで、事業運営の活性化に役立てようというもので動労など共同宣言の4組合は肯定的であったが、国労は以下のように回答し、導入には反対の意向を示したのだがこれは結果的には国労をさらに窮地に追い込むこととなりました。

国労の見解、以下は公企業レポートから

「今職場では雇用の確保と選別が最大の感心事で、提案は選別の不安をよりかきたてる。この時期に夏季手当まで信賞必罰の体制を導入するのは反対だ、まさに選別である。」としている。

また、管理者についても同様の査定を導入するとしており、査定内容は一般職よりもさらに厳しいものとなる。
国鉄当局では、この制度導入によりこれまで八次に渡って実施した職場総点検の総仕上げと位置づけている。


参考

 第一次労使協調宣言

 昭和六一年は国鉄改革が国民課題となる重要な年だが、なかでも余剰人員間題の解決は今年度の最大のテーマとなる。これは同時に、職員一人ひとりの生活の場を確保するという問題でもある。回鉄改革にあたり、まじめに働く意思のある職員が生活の基盤を失うことがあってはならないという点について、労使の認識は全く共通である。十分な雇用の場を確保するためには、労使一致した雇用確保の努力に加えて、政府・一般産業界の積極的な支援が不可欠であリ、これは経営全般にわたる労使の自助努力に対する国民各層の信頼と共感を得て初めて可能になるものでおる。このような共通認識に立ち、雇用安定の基盤を守るという立場から、国鉄改革が成し遂げられるまでの間、労使は以下の項目について一致協力して取り組むことを宣言する。
 労使はその立場をこえて、以下の課題について最善の努力をつくす。
(1)安定輪送の確保、安全輸送の推持が国鉄労使に対する国民の信頼の基盤であリ、労使は緒法規を追遵守し、全力をあげてこれを実現する。
(2)一人ひとりのお客様に明るく笑顔で誠意のこもった対応をしていくことが輸送サービスに従事する者としての基本であり、そのためには、まず第一にリポン・ワッペンの不着用、氏名札の着用等定められた服装を整え、お客様に不快感を与えない、折り目正しいサービスの提供に努めることとする。
(3)飲酒・酒気帯ぴ勤務、点呼妨害等企業人としてのモラルにもとる行為の根絶に努める。
鉄道事業の再生を図るに不可欠なことは、康しい競争場裏において将来を展望し得る企業体質を作ることであり、そのために必要な合理化は労使が一致協力して積極的に推進し、新しい事業経営の体制を確立することとする。
余剰人員対策について労使は決の点に具体的に取り組むこととする。

(1)派遺制度等を積極的に推進する。
(2)従来の特退協定に基づいて、退職勧奨を積極的に推進する。
(3)新たな希望退職制度の法的な措置がなされたのちには労使はその円滑な運用により目標の逮成に向けて積極的に取り組む。
(4)職員の将来の雇用の場の確保・拡充について労使が一致協力する。
4上記の事柄を積極的に推道していくために「再建問題等懇談会」等労使間のルールに則った話し合いの場を従来にも増して活性化し、活用していくこととする。

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国鉄改革のあゆみ 7

2010-04-29 23:43:58 | 国鉄改革関連

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国鉄改革に伴う広域移動、最終章は、全施労です。
全施労は、組合としては大きくなく、比較的コンパクトにまとまっていることもあり機動的に動いていると思われる。

全施労の滝口書記長【当時】は、このようなことを述べています、以下引用いたしますと。

61年2月5日に、「労使共同宣言を確認し、それをめぐって意見を交換したい」と言う総裁の要請に基づき、3組合による会談が行われその席上で、共同宣言の意味と重みを、地方の管理者に徹底していないのではないか、以下に中央段階でやってもと、地方でこの重要な意義を呈していない管理者があるとすれば意味がない、・・・引用終了

と言うことで、中央と地方の温度差について提言しています。

また、全施労は、雇用協約・配転協約を結んでいるが分割民営化は既定の路線であり、反対することはナンセンスであることも理解している、ただし、国鉄が民営化されたときに本当に雇用の問題が解決するかといえばそうではなく、北海道・九州、四国などでは十分に余剰(過員)人員を解消できることは難しい状況にありますので、具体的にこれら地方の人々の雇用が守れるのかと言うことに対する答えが、広域配転だったのです。

そこで、全施労としては、共同宣言をして真面目に努力する組合と、そうでない組合とのケジメをつけるべきと注文をつけたところ、広域異動は当局の管理運営事項であり細かい条件については、個別に組合と交渉するといわれましたし、広域異動にも応じるような人は勤務成績もよく、本人は国鉄への残留を期待してる職員が多いはずだというと、総裁から「そうだとすれば、その人達は永久パスポートで、将来とも保証したい」と回答を得ましたので、全施労としては積極的に協力していくことを明らかにしたそうです。

以上、7回に渡って投稿した、広域異動は終わりです。

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国鉄改革のあゆみ 6

2010-04-29 09:52:01 | 国鉄改革関連

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国鉄改革に伴い広域移動、本日は元々労使協調路線を堅持してきた鉄労について取り上げたいと思います。

鉄労の歴史を簡単に振り返ってみますと、昭和32年の国労新潟地方本部が本部の意向を無視したストライキ(新潟闘争)を行った際に、その運動に反対する方針を持つ組合員が離脱した、国鉄職能労連をその母体とする。
昭和32年11月には、国鉄職能労連同様、国労から離脱した地方総連が集まり、「新国鉄労働組合連合【新国労】)を結成、をその後、昭和43年に名称を「新国労」→「鉄労」に名称を変更、基本的には「労使協調路線」を貫き、国労・動労が労使対立していくのに対して穏健派と呼ばれストをしない組合と言うイメージが持たれていました。

さて、そんな鉄労ですが、労使協調路線、民営化推進を当局とともに行うことで、組合の論理として雇用の確保が図れることをを第一義に考えていたようです。

当時の記述を、公企レポートから見てみますと、鉄労志摩書記長は下記のように述べています。

今回の大幅な広域異動は、「余剰人員対策ではあらず」、むしろ今まで行ってきた余剰人員対策から深度化した「転職の問題」と考えていると発言しています。

受け皿の少ない、北海道や九州は現状のままでは今までの手法では余剰人員対策は解決できないわけで、それぞれ公的機関も、民間事業、関連事業を含めて比較的受け皿の大きい本州に移動させることが労働組合として考えると労働条件や雇用条件に機会の均等化となり、今回の措置は当然であると考えていると発言するあたり、労使協調路線を組合活動においてきた組合らしい判断です。

そしてその効果は顕著に現れ、北海道・九州ではかなりの余剰人員を発生させたにも関わらず、鉄労組合員はほぼ100%新会社に移行できたのに対し、北海道では国労組合員の約7割にあたる3400人【不採用者全体は4767人】、九州も同様で国労組合員の約7割にあたる1550人【不採用者全体は2111人】【この数字は、季刊労働法148号(昭和63年・7・25号より引用)

というように、凄まじいものがありました。

次回は、全施労の見解です。

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国鉄改革のあゆみ 5

2010-04-28 06:14:02 | 国鉄改革関連

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国鉄広域異動、本日は動労の見解です。

動労は、昭和25年、機関士の待遇をめぐった意見の相違から、国労を脱退した機関区従業員の職能組合として誕生した機関車労組をその前身としている。
余談ではあるが、機関士労組の結成は当時の当局の運転局がかなり積極的に応援した節もあります。

さて、今回の広域異動についても、動労は、当局が提案したから協力しましょうということではなく。独自に3・4年前から組織内で議論したとされています。

基本的には当局の意向を受け入れるが、いくつかの問題点は今後つめていくとされています。
動労の目的はあくまでも、組合員の雇用確保であり、その延長としての広域異動と考えていると、福原書記長【当時】は答えています。

さて、実際に昭和57年頃はどんな時代かというと、ブルートレインのヤミ手当てなどが新聞で論議され、三塚博運輸大臣【当時】が、自民党内で「国鉄再建小委員会」を設置するなど、国鉄改革が待ったなしの状況におかれていましたし、ローカル線の廃止、貨物列車を中心とした列車の削減などで機関車ともども過剰状態を生み出しつつあったのです。

また、先に記したヤミ手当てなど国鉄憎しのマスコミ批判は、「国鉄民営化やむなし」という世論が形成するには十分でした。
動労は、国労と比べると相対的に組織が小さかったこと、機関士・運転士のみの動力車乗務員のみで構成されていたことなどから、意識統一を図りやすかったこともプラスに働いたと思います。

結果的に、当局が提案した広域異動案に、問題はあるが総論で賛成したことは結果的に動労がその後に改革のおいて職員の処遇及びその後の組合再編においてかなり有利に働いたことは間違いないのでした。

ただ、広域配転で転勤した人たちはやはり、色々な意味で苦労が多かったと聞いています。
特に首都圏などに配置された人々の場合、今までは、ラッシュ時の過密運転を経験したことも無く、運転自体にストレスを感じたとか、おそらくそれ以外にも管理局ごとに作成される運転取り扱い規則になどの違いなどによる戸惑いもあったのではないでしょうか。

ひとまず、そんな悩みを抱えながらも動労は、広域異動を受入れ、その後の改革でイニシアチブをとっていくのですがその辺はまた後ほど。

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国鉄改革のあゆみ 4

2010-04-26 11:39:49 | 国鉄改革関連

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本日から、広域移動に対する各労組の考え方を綴っていきたいと思います。
最初は、当時最大の労組であり、国鉄分割民営化を最後まで反対した「国労」です。

国労は,戦後GHQの解放政策により結成された労働組合で、職員労組を前身とする組合で、駅員から機関士に至るまであらゆる職種の人々が加入しており、機関士・運転士だけの動労などとは異なり寄り合い所帯の雰囲気があり,支持政党は社会党(現在の社民党)であり、国労内部では、右派と左派に分かれるという状態であり概ね、左派が主導権を握っていたものですから、国鉄の分割民営化については原則的に反対、それ以前から行われていた出向にも消極的で、「辞めない」「休まない」「出向しない」という3ない運動を行っていました。

国労は左派が主流派であり、当時の国労秋山企画部長(当時の肩書き)によれば、
今回の広域移動は、生活の根幹に関わる部分であり、単なる人事異動とは言えない。
これを実施するには、条件など徹底的に労使が論議を尽くしてその中で合意を形成するべきであると主張しており。
葛西職員局長とは全く異なるスタンスをとっています。

よして、その理由として、「いくつかの要求を提示しないと団体交渉ができない状況だから。」と書かれています。
 国労の内部事情として、各派の意見をとりまとめるといった作業があるのでしょうが、読み直してみても意味不明瞭な表現です。

 また、当局側の見解に対しても,以下のような理由から納得できる話でないと突っぱねています。

 国鉄の就職は以下に分類されており,法的根拠は別として採用に基づくルールは厳然と残されているといっています。
 すなわち、
 本社採用・・・・国鉄本社採用(いわば、キャリア組、全国転勤有り)
 支社採用・・・・地方支社採用(国鉄末期には管理局に統合,いわば準キャリア組 基本支社内での異動)
 地方局採用・・・管理局単位での採用(この採用が最も多く、基本的には採用職場からの移動なし、あっても管内の異動のみ)

とくに一般職の採用の場合は,ごく一部の特殊ケースを除いては、あっても管内異動だけですから、管外へそれも永続的に生活基盤自体を変更するのであるから、これはいわば特殊なケースであり解釈の問題ではない。

という風に、全く異なる見解を持っていました。
また、国労は総評に所属しており、同じ総評に所属する動労との意識統一をかなり気にしています。
「現時点では、統一できている部分とできていない部分がある。」
「動労は広域異動を基本的には認めているが、国労としては認める・認めない以前の問題として、広域異動のための条件を明記する必要がある。」

として、3月10日に総評で会議を開き動労と共闘できる条件を求めて会議を開くとしていたが結果的にはうまくいかなかったのは歴史が示す通りです。

とくに,会議の席で検討したいとしているのが、「異動に際して、不安のないような条件を整えようという考え方であり、その点では動労とは意見が一致している。」

ということであり、雇用を守ると言う点では一致しているのでしょうが、あくまで条件重視の国労、とりあえず組織を防衛したい動労との温度差を感じる話ではあります。

最後に、国労としても一番恐れていることとして、玉突き選択のよる国労組合員の解雇を警戒していると書かれていますが、この心配は結局広域異動よりも、地元に残った組合員を直撃することとなるのですがこの点はこの話から外れてしまいますので割愛させていただきます。

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国鉄改革のあゆみ 3

2010-04-25 21:56:44 | 国鉄改革関連

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当時の当局側の見解

葛西敬之職員局長【当時・現JR東海会長】の談話を要約しますと

国鉄改革監理員会の見識として、北海道・九州では現行人員に対して北海道で1万3千人、九州では1万1千人が過員(国鉄の表現では余剰人員)が発生するといわれている。

この数字は、当局でも把握している数字でありそれに対して、関連企業などでの転職として確保できたのは、北海道で1千人、九州では一千三百人であり、約一割ほどしか雇用を確保できない状態となっている。

当局としては、職員の雇用確保を最優先に行ってきたがこの差を埋めるのはなかなか容易ではなく、公的部門への転職枠確保を政府に決めてもらいましたが、地域性を埋めることはできず雇用が確保できるのは、東京・大阪・名古屋圏といった大都市に集中されることになる。

現時点で、最終的な(過員)余剰人員は、6万1千人と想定されますが、そのうち北海道と九州で2万4千人ですから余剰人員の約30%が北海道と九州に集中しているただし。

そこで、それを解決させる手法として、北海道・九州の職員による広域異動が検討された。

ただし、北海道・九州から余剰とされる人員が全員移動するとは考えられず、概ね1万人の異動を見込んでいる。

ただし、宿舎の確保などの問題があるため、61年度退職者を見込んで61年4月の募集は、東京・大阪・名古屋の3地区に限定し、東京では約1,800人、名古屋で約700人、大阪で約900人を想定している。
そして、宿舎の確保が出来次第二陣を検討していくことになると考えている。

そこで、広域移動は就業規則に書かれているのかと言う問題が生じると思うが、実際にはこれと逆のパターン。【大都市から地方へのIターン】で、今までも行われているルールで運用していく。

ですので、新しい制度を作るのではなく、人事の任免行為としての異動になるので問題はない。
もちろん、公労法場の団体交渉として認めれる内容については交渉することもあるがあくまでも現行ルールによる交渉であり、新しく制度を作るわけではない。

また、異動させる職員は異動先に定着してもらうことを前提としたいので、本人の希望に基づく形で選びたいと考えている。

実際に、この募集は強制ではなかったが、組合は新会社に残れるパスポート的な意味合いを組合員にも伝えていたようである。

とういのは、当局側としても、「本人の希望に基づいて手を上げさせて選んでいきたい。しかし、本人の希望のみによるという訳にもいきませんので、その中で出す側、受ける側の双方で勤務成績を評価して、優秀な職員を採っていくという形にしたいと思います。」
という話をしてしていますし、極力本人の以前行っていた仕事をつけるように努力したと思うとも言っている。

すでに共同宣言を結んだ動労・全施労・鉄労は、この募集を賛成しているにも関わらず、国労だけは「配転協定」が結ばれていないことを理由にまず「配転協定」のための団体交渉を行うよう申し入れているわけであるが、当局の見解としてはすでに今回とは逆のパターンで都市部から地方に転勤させている例もあるので、団体交渉の必要はないというのが当局の見解である。

以上要約終わり。

と言うことで、国鉄当局としても雇用の確保を最大限に考えているがそれでも北海道・九州では過員【余剰人員】が発生し、その処遇はできるだけ雇用を確保すると言っているでのあるが逆に言えばこの時点で北海道や九州では過員が発生することを把握していた傾向がありそれが、人材活用センターの設置に向かう一員になったのかもしれない。

次回からは、各組合の見解です。

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国鉄改革のあゆみ 2

2010-04-24 08:34:21 | 国鉄改革関連
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昭和61年3月15日付 公企業レポートに見る国鉄

国鉄本社が打ち出した広域移動の目的は、国鉄改革で当時の中曽根首相が職員を一人も路頭に惑わせないと言う方針【実際には多くの人が職を失いもしくは将来を悲観して自殺した職員も多く、その後もJRへの採用を求めるなどの多々の労働問題を起こすのですあるが、当時としては十分に余剰人員(過員)による問題は起こり得る、【総数ではあっていても、実際には北海道・九州で大量の過員を抱えたに関わらず、本州三社では大きく欠員が生じたという事実】ことは予見出来ていたのかもしれない。
国鉄の場合郵便局同様、地元採用であればそのまま辞めるまでそこでの勤務ということがほぼ当たり前の時代だっただけに、ふるさとを離れるのは容易ではなかったと想像できる。

しかし、当局の思惑とは別に組合としても、ここで当局の施策に積極的に協力することで新会社への採用を優先的に受けられるオプションであると捉えていた。
というのは、2月25日国鉄総裁と労使共同宣言参加労組の個別話し合いで、雇用問題の具体的保証を要求したことに対する答えが「広域異動」であり、これはいわば、新会社移行のパスポートととったようだった。
 これにより、組合側としては組織を守れると言う思惑はあったようだ。

 当局側としても、優秀な人材が漫然と日毎をしている職員に大して刺激にもなるし場合によっては、玉突き式に非効率な働きをする職員を淘汰できると考える当局側の思惑もあった。

実際に、私の父親は最終は、天鉄局の管理職で辞めたのでいつも何かのおりに、「〇〇のような職員は採用しないように査定した」といったことをよく言っていたものです。

ただし、ここでも国労は、「広域異動」に関しては「団体交渉事項である」としたことから、当局からはさらに追い込みをかけられる形となっていくのだが、大きすぎる組織そして、職能組合でないところに国労の悲劇があったのかもしれない。

動労や全施労は基本的に職能組合のため、彼らの雇用だけを守ることに専念すれば良いが、国労の場合駅務から運転、設備に至るあらゆる部署が加盟しておりいわば、今の民主党政権みたいなものと表現すればわかりやすいと思うが、何一つ結局は決められない形となっていた、最終的には昭和61年10月の修善寺大会で六本木一敏が新委員長に選ばれることで国労の衰退は決定的となっていくわけだがその辺はおいおいお話をしていきたいと思う。

余談ではあるが、民主党とその連合政権である今の政権の末路は、国労のその後の衰退と比較してもらうとわかりやすいと思う。

行きあたりばったりの政策ほど国民の痛みを伴うものはない、国労の誤った政策は、多くの労働者を路頭に迷わせたのかも含めて考えてみてはどうだろう。

ちょっと趣旨から外れたので、この辺にしておきます。

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国鉄改革のあゆみ

2010-04-23 23:02:28 | 国鉄改革関連
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昭和61年3月15日付 公企業レポートに見る国鉄

国鉄は昭和61年2月28日に国鉄分割民営化を定めた国鉄改革五法案を閣議決定したことで、国鉄改革は既定路線として進むこととなった。

国鉄では、地域間で過員が発生することからその過不足を調整するために広域移動を行うこととなった。

従前、国鉄では本社採用を除き、管理局単位での採用者は管理局内での移動はあっても他部署に移動することは稀であった。

広域移動を含めた余剰人員対策は既定の路線として同年3月4日に各労組に説明

すでに、国鉄改革に積極的に協力してきた動労・鉄労・全施労は「三労組の雇用の具体的な保証の要求」に応えたものと評価、全面的に賛成し3月14日に国鉄当局と妥結したが、国労は、団体交渉が必要として態度を保留した。

今回の広域移動の概要は下記の通りである。

今回の広域移動は、国鉄改革により九州・北海道で大量の余剰人員【過員】が発生する見込みであるのに対し本州ではほとんど余剰人員が発生しないことから、北海道から2500人、九州から900人を東京・名古屋・大阪に配置しようとうもので、3月20日から1ヶ月間をめどに広域移動の募集が行われた。

国鉄管理委員会の推定では、北海道で13,000人、九州地区で11,000人の余剰人員【過員】が発生すると言われている。
それに対し、国鉄関連会社などへの再就職を斡旋したとしても北海道1,000人、九州は1,300人と10%程度に過ぎず、このままでは地方公共団体などに交渉しているが、少なくとも余剰と呼ばれる人たちを救済するには、上記の広域移動を行うこととしたのである。

もともと国鉄職員は先程も記したように、地元密着指向の人がおおいのですが広域配転に応じる人もいると考えたようです。

此処から先は、また後ほど
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