国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

昭和15年の時刻表から。伊勢神宮参拝と鉄道省

2017-07-10 14:01:41 | 国鉄思いで夜話
通過手信号様のコメントがすっかり見落としておりました。
お詫びというのも変なお話ですが、改めて昭和15年10月号の復刻版時刻表から当時の参宮線を振り返ってみたいと思います。
当時の伊勢神宮への参拝は現在では考えられないほど活発で、鉄道省でも関西方面から直通する列車が多数運転されていました。
まずは、表紙から。
今とは比べ物になっらないほど地味ですが・・・
下部に日本旅行協会(ジャパン・ツーリスト・ビューロー)の文字が見えます。


まずは、東海道線の時刻表から見ていただこうと思います。
上り列車の時刻表であり、姫路6:52発の快速列車(戦後も鳥羽行き快速として列車自体は残りました。)
ちょっとスキャナーが悪くて見にくいのですが、11:26大阪駅発の鳥羽行きを見ることが出来ます。
列車自体は本数は多くないですが、大阪発青森行き各駅停車など非常に興味深い長距離列車が目立ちます。

さて、同じく東海道線の下りを今度は見てみましょう。

鳥羽発9:12京都着 1:56の普通列車と、不定期列車と記載されていますが鳥羽を約2時間半後で出発して。京都には1時間まで時間差を縮めている快速列車の存在も気になります。
この時期の時刻表は、12時間制で表示されていますので最初見るとすごく違和感を感じてしまいますね。
現在のような24時間制になったのは戦争が始まってからと言われておりますので、1942(昭和17)年9月26日に鉄道省部内において業務上使用する時刻の呼称方法を24時間制に制定したそうです。
参考 レファレンス協同データベース参照


草津線の時刻表をアップさせていただきました。
これを見ますと草津線の列車は殆ど伊勢神宮向けの列車だけであり船内運転の列車は出てきません。
更に、鳥羽を夕刻5:40頃出発して、翌朝5:48に宇野に到着する夜行列車が運転されています。
おそらく、四国方面からの利用者の便を図ったものだと思われます。

次のご覧いただくのは参宮線の各線
東京から直通の夜行快速列車(241・242レ)が運転されています。(戦後の急行伊勢の前身)またこの列車とは別に203列車という列車の存在を見ることもできるようです。


同じく上り列車の様子



お終い


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