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The Bird & The Beeとスウィングアウトシスター

もう1年以上も前になるが、2007年の1月、まだアメリカに住んでいた頃、「The Bird and The Bee」という不思議な名前の2人組ユニットのアルバムに出会った。このユニットはボーカルのイナラ・ジョージと、プロデューサーのグレッグ・カースティンによって編成されている男女2人組だが、彼らの音楽は、ちょうどスウィングアウトシスターの曲風にも似ていて(こちらも男女の2人組ユニット)、かなりアダルトでお洒落、そしてヨーロッパ的な雰囲気を醸し出している。しかし、意外なことに、実は二人とも出身がLAで、バリバリのアメリカ人ということが後でわかった。

昨年発売された彼らのアルバムはなかなか秀作が多く、素晴らしい出来栄えだ。聴けば聴くほど味が出るような曲が多いが、特にシングルカットされた「Again & Again」はノリが良い曲ながら、サビの部分の悲しげで絶妙なメロディーラインが実に美しくて心を打つ曲だ。この他僕が好きなのが、4曲目の「I’m a Broken Heart」と5曲目の「La La La」で、「Again & Again」にも共通して流れる、不安定で独特の旋律により、彼ら特有の世界観を出しており、見事なバラードに仕上がっているのだ。「I Hate Camera」もなかなかノリが良くって魅力有る曲。

一方、この手のジャンルの大御所とも言えるのが、あのスウィングアウトシスターである。1986年に「Breakout」でまさに大ブレイクしたわけだが、これは僕の最も好きで印象に残っている、思い出深い1曲だ。最近では、キャメロン・ディアズが出ているあのソフトバンクのCMでも使われ、再びこの曲が注目を集め新たなファンを獲得しているようだが、そんなタイムリーな時期にスウィングアウトシスターのニューアルバム、「Beautiful Mess」が2月末に発売された。日本が大好きなスウィングアウトシスターだが、今回のアルバムは日本の心でもあるワビサビを取り入れた作品となっている。アルバム全体としてスウィングアウトシスターらしい曲風に仕上がっており、一定のレベルを保っている作品だが、昔のような強烈な印象のあるシングルみたいなものは無いのがやや残念ではある。恐らく強烈なシングルが無い方が、アルバムとしては長く愛される味のある作品となる可能性もあるのだが。

やはり名曲「Breakout」が収録された1985年のアルバム「It’s Better to Travel」や、1989年に発表された「Kaleidoscope World」などは傑作である。シングルとしては、「Blue Mood」、「Surrender」、そして特に好きなアップテンモネ曲「Fooled By A Smile」は名曲である。アルバム「Kaleidoscope World」はアルバム全体の統一感という意味では最高傑作であり、特に「You On My Mind」とこれまた僕の大好きな曲である「Waiting Game」など明るくてインパクトのある曲が多いのが特徴だ。

スウィングアウトシスターを聴いたことが無い人は、やはり1996年発売のベスト版「The Best of Swing Out Sister」がお勧めだ。上記シングルなどを網羅しているので、大変に聴き応えのある作品になっている。

それにしても、時々むしょうにスウィングアウトシスターが聴きたくなる時がある。とってもJazzyでおしゃれな曲風は心も和むし、ヨーロッパにでも行ったような気分にさせてくれる。The Bird and The Beeに出会った時は、そのスウィングアウトシスターにも通ずる雰囲気が取っても気に入ってしまったが、今後この2組のデュオにこれからも注目してみたい。
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