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僕の音楽評論その6  大物プロデューサーTimbaland編

日米問わず、音楽業界には常に大物プロデューサーが存在する。日本では過去に小室哲哉やつんく、小林武史などが有名だが、米国でも古くはマイケル・ジャクソンの「スリラー」のプロデューサーで有名なQuincy Jones、僕の最も好きなBabyface(僕の音楽評論 その2参照)、昔プリンスがプロデュースしていたファンキーバンド、「The Time」にも参加し、その後ジャネット・ジャクソンのプロデュースを手鰍ッ、彼女をスターにしたJimmy Jam & Terry Lewis(宇多田ヒカルもプロデュースを依頼していた)などが有名。そして、今回紹介するTimbalandは、今最も旬なスーパープロデューサーなのである。彼が満を持して自らのアルバム「Shock Value」(写真)を先日リリースしたばかりだが、これは最近僕がリリースを一番楽しみにしていた1枚だ。

2006年、Timbalandは凄まじい快進撃を続けた。Pussy Cat Dolls、Omarionなどのヒット曲を始め、Justin Timberlakeの大ヒット曲、「Sexy Back」、「My Love」、久々のカムバックを果たしたNelly Furtadoの大ヒットシングル「Promiscuous」などをプロデュースしており、まさに絶好調な1年であった。そんな抜群のタイミングで、自らのアルバム「Shock Value」がこの度登場したのである。彼の作り出すUrban Hip-Hopサウンドは実に革新的だ。新作「Shock Value」からの先行シングル、「Give it to Me」は、Nelly FurtadoとJustin Timberlakeが参加し、現在全米チャートで第1位となっている。さすがの人気ぶりである。

ちょっと話がそれるが、Justin Timberlakeは元Nync (2000年に発売されたアルバム「No strings attached」が大ヒットした、男性アイドル5人組(アメリカ版Smapのようなもの)のメンバーで、ブリットニー・スピアーズやクリスティナ・アギレラも所属していたあの有名な「ミッキーマウスクラブ」の一員でもあったが、Justinもソロとなってから、過去2枚のソロアルバム曲をTimbalandがプロデュースしている。それにしても、Justinはすっかり大人っぽくなったものだ。キャメロン・ディアズと最近まで付き合っていたことでもすっかり有名になった。

一方、Nelly Furtadoは、2000年に出したデビューアルバム「Whoa, Nelly!」の出来が素晴らしかったが、2枚目で思いっきりコケてしまい、もう彼女のキャリアも終わったかと思っていた矢先、Timbalandを久々の新作のプロデューサーに迎えたアルバム「Loose」(写真)、そしてそのアルバムからの大ヒットシングル「Promiscuous」によって、昨年見事なカムバックを果たしたのだ。

今回の「Shock Value」のゲスト陣は豪華だ。Nelly Furtado, Justin Timberlakeに始まり、PCDことPussy Cat Dollsの超美人ボーカルNicole (今度ソロアルバムを出す予定)、ラップ界の大物Dr. Dre、Timbalandの元相棒Missy Elliot、僕が最近一押しのバンド、Fall Out Boy、そしてあの大御所Elton Johnまでもが参加している。そしてTimbalandが最近自ら発掘した新人のKeri Hilsonも今後注目だ。彼女の歌う「The Way I Are」と「Miscommunication」もなかなか良い。さて内容だが、本来もっと彼らしいUrban Hip-Hopビート/ダンス系を前面に出したラインアップを期待していたが、実際にはアルバムの曲の半数で、かなりラップ色が強めなのが個人的には残念だ(ラップ系の方が好きな人にはたまらないのかもしれないが)。それでも、現在1位のシングル「Give it to me」は素晴らしい出来だし、「Release」、「Fantasy」、インド音楽のようなメロディーが印象的な「Bombay」などはなかなかの秀作ではあり、聞き込むと味が出てくるアルバムである。今後もTimbalandのプロデュース作品には注目したい。
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