朝晩、少し肌寒さを感じるようになってまいりました。
24節気「寒露」は10月9日でした。「寒露」とは草花に‘冷たい露’が宿るという意味です。この日から11月8日の「立冬」までを晩秋といいます。ススキの穂が美しく、 いよいよ秋も深まってきたという感じがします。
朝の散歩の途中で、拾い集めたものを撮影しました。ヤブツバキの種子の形は様々です。果実内の種子数(1個から6個など)によっても異なるためです。写真の左上の種を付けた果実は種が4個にみえますが下に2個あり全部で6個です。
この種の硬い殻をむくと中にはクリ(栗)に似た甘皮があり、その下には薄黄色の中身があります。ここに油が貯蔵されていてこれを絞ったのが椿油です。
この種の尖った部分をコンクリートなどで削って、穴を開け、中身を取り出すと笛ができます。大きな種で作ったものは、他のものより立派で子ども時分に自慢した覚えのある人もいるでしょうね。
ヤブツバキの果実
果実が熟し3分裂し、種が落ちる
間もなく山茶花(サザンカ)の花が咲く季節ですが、同じツバキ科の植物で椿は、今が果実の季節です。
椿は、ツバキ科ツバキ属の植物、学名Camellia japonica(カメリア・ヤポニカ:通称ヤブツバキ)の和名です。「つばき」の名は、その葉に特徴があり、厚葉樹(あつばき)、または艶葉樹(つやばき)が訛ったものとされています。
学名にカメリアというのがありますが、これは、18世紀にイエズス会の修道士で植物学に造詣の深かったゲオルク・ジョセフ・カメルが、フィリピンでこの花の種を入手してヨーロッパに紹介したことから、その後、有名な植物分類学者カール・フォン・リンネがこのカメルにちなんで、椿にカメルという名前をつけたことによります。
さて、集めてきた種をどうしようかと思案しています。とりあえず、玄関の靴入れの上に、どんぐりと一緒に置いて季節感を演出するのに使っています。