朝顔は、秋の季語です。「朝顔に 釣瓶(つるべ)とられて もらひ水」;井戸水を汲み上げる釣瓶に朝顔が巻き付いた。そのため、他の井戸に水をもとめたという俳句です。 加賀千代(かがのちよ)の作と伝えられている。ところで、朝顔とはいうのは朝の美女の意味らしい。古代の中国では朝顔は高価な薬で、牛と取引されたほどのものだった。そこで、漢名の「牽牛(けんぎゅう)」はそれにちなみ、生薬名は牽牛子(けんごし)と呼ばれていた。今でも漢方では種子を下剤や利尿剤に使っています。花言葉は「愛情、平静」。
昼顔は、 名前のとおり、昼間に開花し、夕方にはしぼみます。晩春から秋まで長い間咲き続ける花です。海岸近くに群生するハマヒルガオがよく知られています。 「高円(たかまど)の 野邊(のべ)の 容花(かほばな) 面影(おもかげ)に 見えつつ妹(いも)は 忘れかねつも」万葉集 大伴家持。この容花(かほばな)というのが、昼顔のこと。ヒルガオの花言葉は「絆」。 根で組み合っているので、「絆」。
夕顔は、夕方に花を開き、翌朝にはしぼんでしまうので名付けられたそうですが、実は、ウリ科の蔓性(つるせい)の一年草です。ヒョウタンと同じ仲間。夏の夜に白色の合弁花を開きます。果実は長楕円形か球形で大きく、食用とし、また、干瓢(かんぴょう)にも用いられます。「源氏物語」に登場する「夕顔」は、これ。なお、ユウガオを食べて食中毒になった事例があります。苦味成分のククルビタシン(植物性自然毒)が多く含まれ、食後約20~30分後に腹痛や下痢、嘔吐などの症状を訴えたとのことです。
夜顔は ヒルガオ科の植物で、アサガオやヒルガオと同じ科です。花は夜開き、芳香があるとのことですが、お目にかかったことはありません。原産地では多年草だというのですが、日本では冬越しができないので、春まきの一年草として扱われているようです。花言葉は「妖艶」「夜」。